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豪運 突然金持ちになったんですけど、お金の使い方がよくわかりません。  作者: ノニジュース


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霧島は自然と目が覚めた。

体を起こすと8時を過ぎたあたりだ。


隣で寝ているひとみを起こす。


「ひとみ、朝だよ。」


「え、あー、うん、、、」


「寝るんじゃない!!!!」


「うぉっ!!!」


ぐずるひとみを起こした霧島は、ひとみをベッドから引きずり出し、顔を洗わせ、自分は普段着に着替える。


顔を洗ったあたりでひとみは目が覚めたらしく、身支度を始めた。


身支度が済むと、霧島はひとみを連れてベネチアンマカオの朝食会場へ向かう。


「ここの朝食食べて感想ちょうだい。」


「まかせろ。」


2人は席に着くと、各自好きな朝食を持ってくる。


サラダに始まりデザートまで完食した後、ひとみは霧島に感想を告げた。


「なんというか、感想がないっていうのが感想。


普通のホテルと比べれば美味しいんだろうけど、値段相応とまではいかないかな。


感動が無い。

ここにくる人は感動を求めてきてると思うんだけどさ、良くも悪くも普通なんだよね。」


「なるほど。

マネージャー呼ぶね。」


霧島は給仕をしていた顔見知りのスタッフを呼び、料飲部門で今出社している中で一番偉い人を呼んでくるように伝えた。


霧島がスタッフに告げてからものの数分で息をつかせながら中年の男性が急いでやってきた。


「お待たせしました、料飲部長のロバートです。」


「霧島です。こちらは私の補佐をしてもらってる結城ひとみさん。


先ほどの言葉を部長にもお願いします。」


ひとみは突然仕事モードになった霧島に驚きながらも先ほどよりもより詳しい感想をロバートに伝えた。


ロバートはだんだんと顔つきが険しくなり、最後にはひとみに謝罪をした。


「申し訳ありません結城様。この件に関しては、私のプライドにかけても解決してみせます。


つきましては3ヶ月、いや、1ヶ月時間をください。

1ヶ月で見違える朝食を提供させていただきます。」


霧島はその言葉を聞いてニヤリとした。

ひとみは自分が思っている以上に優秀だと知ることができたからだ。


一方ひとみは

「私みたいな若輩の意見を真摯に聞いてくださりありがとうございます。

期待しています。」


と返事をした。


ロバートが席を辞すと、霧島はひとみに感謝をした。


「ありがとう、ひとみ。

これで見た本物に近づくことができる。」


「まぁ私もあきらくんの目標に協力したいと思っただけよ。


これからもビシバシ行くよ!」


「頼もしいね!」


こうして2人が朝食を終え、部屋に帰るとスポーティな格好でエマが待っていた。


「ゴルフウェアを持ってまいりましたのでこちらから好きなものをお選びください。


道具は既に車に積んでありますので、ご心配なさらず。」


そういって霧島の眼前に並べられたウェアは高級品ばかりだったが、ひとみのチョイスで着る服を選んだ。


霧島がウェアを選ぶと、エマはそれでは向かいましょうと、2人を先導してエントランスに向かった。


エントランスには、マカオ出国前に霧島が注文したメルセデスベンツG63AMGが停車していた。


運転席にはエマが乗り込んだ。


「マカオG&CCまでは私が案内しますね。

選手に怪我でもされると大変ですから!!」


「あ、ありがとう。」


「流石の気遣いです、エマさん。」


「ありがとうございます、ひとみ様。」


道中、車の中でやんややんやしているとゴルフ場に着いた。


マカオG&CCはシーズン中ということもあり、芝が非常に綺麗で、霧島は心の高ぶりを抑えきれないでいた。


霧島はゴルフ場の更衣室で着替えると、既にそこには準備万端のひとみとエマが待っていた。


「俺の方が先に更衣室入ったのになんで2人の方が出てくるの早いの…」


「それでは向かいましょう。」


「俺の話は無視かい…」


「あきら君、プロは気持ちの切り替えが大事だよ。」


そんな世間話をしていると、今日霧島をしごいてくれるプロがやってきた。


「今日は霧島さん、今日はよろしくお願いしますね。」


霧島はコーチの方を見た。

もうため息しか出なかった。


「霧島さんのコーチを務めさせてもらいます、デビッド・ブラックベターです。」


ブラックベター氏といえば、元々はメジャーで活躍したプロ選手で、プロ選手からティーチングプロに転向した後は何人もの選手を世界一に押し上げてきたことで有名だ。

世界の名だたるトッププロが彼の指導を受けたいというが、彼自身がその依頼を受けることは稀である。


「お会いできて光栄です、ブラックベターさん。


いきなりで申し訳ないのですが、なぜ僕のような三流どころか五流のゴルファーの指導を受けてくださったんですか?」


「私としては、若いゴルファーを育てる方が面白いということですよ。


それと、たまたまマカオにしばらく滞在する指導の予定があったのですが、その予定が立ち消えになってね。


私としても渡りに船の依頼だったのさ。」


「なるほど…


このようなまたと無い幸運を感謝します。

今日はよろしくお願いします。」


「こちらこそよろしく頼むよ。」


2人はガッチリと握手をした。


エマの先導で、ブラックベター氏と霧島とひとみを乗せたカートはコースに向かう。




霧島はその日、人生で一番ゴルフをした。

ティーショットの打ち方からバンカーの抜け方、ラフからの打ち方、ゴルファーとしての基本のキを全て一通りブラックベター氏から教わった。


ブラックベター氏は霧島のことを、こう評価した。


「彼は運に愛されている。彼には惜しいという感想を抱くことは全くなかった。


最高か最悪しかないという珍しいタイプ人間だったよ。

とても面白かった。私もまだまだだと思い知らされたね。


彼は吸収も早いから、私が教えれば、きっとすぐにトップアマに上り詰めるだろう。」


もちろんそれを聞いていたひとみとエマは霧島にブラックベター氏からの高評価を伝えてはいないが。


夕方を過ぎ、指導が終わると、次回日程の調整をエマにしてもらった。

次回の指導は明日ということになった。

明日の指導は室内練習場で行うようだ。


「明日も練習か、楽しみだな!」


霧島は全身ボロボロに近かったが、目に見えて上達していることが実感でき、疲労よりも楽しさが勝っていた。


ゴルフ場でブラックベター氏と別れた三人は、霧島の車に乗りホテルに帰った。


霧島は車に乗る前くらいから記憶がない。

疲れ果ててほとんど寝ていたからだ。


ホテルに着くとひとみに起こされる霧島。


「あきらくん、家ついたよ!起きて!」


「んぁぁあ?あぁ…家か…」


ひとみは霧島を引きずって部屋に戻り、エマに伝えてマッサージ師を手配してもらった。


部屋でマッサージ師に体をほぐしてもらいながら霧島はまた寝ていた。


熟睡していた霧島は、ひとみに起こされ、風呂に入って寝た。


これを約1ヶ月繰り返し、霧島のゴルフの腕はかなり上達した。


ブラックベター氏は、1ヶ月でまさかここまで伸びるとは思わなかった。と絶賛していた。


そうしていよいよ市民ゴルフ大会が目前に迫ったある日。


「大会の会場を下見しておきましょう。」


エマが唐突にそう言い始めた。

ひとみも


「それはいいアイデアだわ、エマさん。」


と同調する。

こうなったらもう霧島には止められない。


エマはすぐにどこかへ連絡し始めた。

漏れ聞く話を着ていると飛行機を手配しているようだ。


「飛行機を手配して、会場のゴルフ場も抑えましたので、明日から大会の日まで日本です。」


霧島は、毎度のことながら行動が早い、と心の底から感じていた。



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― 新着の感想 ―
[一言] ひとみさんの実家結城といえばあの結城かな? 家康が養子に出したあの結城友康の結城かな?だとすると 藤原の分家でしょう?家格も世が世なら1200年以上だから ヨーロパやアジアの王家以上の家格だ…
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