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マカオでの1日フリー最終日、2日目の幕が開けた。
今日の霧島には相棒が2つ追加された。
昨日買いあさったもののうちの2つである。
1つはフェンディのクラッチバッグだ。
ホテル内の移動や、カジノへの移動など、ちょっとした移動が多い霧島は、その時の見栄えを少しでも良くするためにクラッチバッグを買った。
セレリアクラッチバッグというもので、見た目の割に中々のの収納量を誇り重宝しそうだ。
もう1つはルイヴィトンで、黒のモノグラム柄のチビ財布である。
霧島は、なんか最近流行ってるらしいし、あの大きい財布持ち歩くより便利そうだなと思って買ったものだ。
これが中々受けが良い。
ひとみに写メをラインで送ってみたところ、かわいいとのお褒めの言葉をいただいた霧島。
もちろん即買いしたそうだ。
セレリアに携帯、財布らチビ財布、タバコ、財布に入りきらなかった現金を入れ、霧島はまずクラブラウンジに向かった。
朝食を取るためである。
レストランの朝食より、少し豪勢で、サービスはもっと良い、クラブラウンジの朝食をとった霧島は、昨日とは違うカジノに向かった。
そう、ベネチアンマカオだ。
ギャラクシーからベネチアンマカオは歩くと20分くらいなので、車で向かう。
フロントでタクシーを用意してもらい、ベネチアンマカオに霧島は向かった。
ベネチアンマカオについた霧島は、その威容にワクワクしていた。
ベラージオやシーザーパレスでの経験が生きているようだ。
ベネチアンマカオは、ベネチアの名を冠するだけあって、やはり運河に囲まれている。
そもそも、ベネチアンマカオのカジノは世界最大であるので、それもまた致し方ない。
中に入ると、流石の霧島でも少しビビった。
もう天井から壁から、何から何まで豪華すぎるのだ。
流石に自分場違いなんじゃないかとも思ったが、今日の霧島は、ベネチアンマカオを潰す勢いでむしり取るつもりで来ている。
気を取り直して、カジノのメンバーズカードを作成し、入場した。
するとすぐに、黒服のマネージャーが現れ、VIPルームに案内された。
「こんにちは、霧島様。
私はマネージャーの黄です。
昨日あなたがギャラクシーカジノで大勝負をなさった話が通っておりますので、是非ともVIPルームへ。
また、ラスベガスのダニエル様からもお話を伺っております。
当ホテルの姉妹ホテル、パラッゾにご宿泊いただいたことも、モートンから伺っております。」
「ありがとうございます。
姉妹ホテルとは知りませんでした。
知ってたらここに泊まったのに。」
「よろしければお部屋をご用意いたしましょうか?
今でしたら、オーナー専用の部屋が空いておりますのでご案内できますが。」
黄は冗談めかしてそう言った。
「もしこのカジノを買収出来るくらい勝ったら泊めてもらいますよ。」
霧島も、そう冗談を交えていると、VIPルームに到着した。
やはりVIPルームというだけあって、ミニマムベットがとんでもなく高い。
チップ一枚2000万円なんていうチップもあるようだ。
霧島が黄に連れられVIPルーム (ルームといってもフロア全体がVIP専用なのだが) の中がにわかにざわついた。
「中には霧島様の昨日のご活躍やラスベガスのお話をご存知の方もおられるようですね。」
黄がそう言うと、霧島は考えてみればそれはそうだなと思っていた。
何せここ数日で30億円以上稼いでいるのだ。
伝わっていない方がおかしい。
ダニエルの友人ということもあり大目に見てもらってる感が多分に否めない。
一応稼いだ金は、稼いだところの周辺でかなり使っており、経済を多少回してきたという自負はあるが、いかんせん勝ちすぎた。
しかし、今日はその数日の稼ぎとは比べ物にならないくらい稼ぐつもりでいる。
ホテルのエントランスや、カジノの調度など見て、遠慮する気持ちが吹っ飛んだのだ。
「とりあえず、今日は1日粘ってかなり稼ぐつもりなので、出来るだけたくさんの現金を用意しといてくださいね。」
霧島はニコッと笑って言ったが、それを聞いた黄の顔は青ざめていた。
とりあえず霧島は、自身が一番得意であるルーレットに向かった。
座るやいなや、約100万香港ドルを全てチップに換えて、ベッド締め切りのギリギリで1つの数字に一点がけした。
ディーラーは青ざめていたし、卓もざわついていた。
もちろん霧島が勝つ。
いきなり3200万香港ドルを手にする。
あとはもう黒赤で気ままにチップを置くだけの作業だ。
もちろん置くタイミングは間違えない。
相乗りされないようにギリギリでかける。
手持ちの半分をかけていくのが霧島のスタイルなので、回を重ねる毎に霧島の軍資金は1.5倍されていく。
2時間ほどで1億香港ドルを突破した。
ちなみに、霧島も全勝しているわけではない。
いきなり半分近く待ち金が減ることになることもあるが、トータルで見ると、100万ドルが一億ドルになるまでに3時間かからなかった、ただそれだけのことだ。
霧島の手元には2000万ドルチップが5枚ある。
次はどこにしようかなと霧島がディーラーを見るだけで、もうディーラーは青ざめてしまう。
霧島は稼ぎながら思った。
話を聞いて見ると、このVIPルームで、1000万2000万なら金が動くことはザラらしい。
カジノに入ると同時に個人情報を調べ上げ、手持ちがなくても銀行がいくらでも融資してくれる。
もちろんカジノが儲けるために。
つまり、カジノは、俺たちからむしれるだけむしりとるつもりで商売をしてる。
1億ドルやら2億ドルの端金じゃない。
10億、100億の話だ。
マカオ全体の収益なんかは数千億ドルにも登る。
そんなことしてるのは、裏を返せば、自分たちから取れるもんなら取ってみろよってことだろ?
だから俺はむしり取れるだけむしり取って、経済どんどん回してやるよ!
もはや霧島は止まらない。
もう思考がおかしいことになったのだ。
霧島は5枚のチップを、ベッド締め切りギリギリでまた賭けた。
もちろん勝つ。
とうとうディーラーが交代した。
変わったディーラーが好戦的な目でこちらを見てきたので、霧島も好戦的に笑った。
10枚に増えた2000万ドルチップの一枚をチップとしてディーラーにくれてやり、席を立った。
ディーラーは勝負しないの!?とばかりに目を白黒させていたが、バカにされたと思ったのだろう掴みかからん勢いで霧島の元にやってきた。
しかし霧島は聞く耳を持たない。
霧島の中の意地が悪く、黒い部分が出てきてしまっているからだ。
すぐに違うスタッフに警備員を呼んでもらい、そのディーラーの相手を任せた。
霧島の手元には9枚になった2000万ドルチップがある。
そして座ったのは昨日大勝ちしたバカラだ。
こればかりは運のみのゲームな為、理論上勝ち続けることが可能である。
しかし、今の霧島には運が最大限に味方についているのだ。
あれよあれよという間に9枚のチップが70枚ほどまで膨れ上がった。
1つ1つの勝負で見れば負けることもある。
しかしトータルで見れば、気づけば霧島の元には2000万ドルチップが1000枚ほど溜まっていた。
途中でディーラーは何人も変わったし、ギャラリーもできていた。1日で日本円にして約4600億円も稼いだのだ。
流石に総支配人が出てきた。
4600億も払えません。ということである。
それは当たり前だ。
なので、1億ドルだけくださいと言っておいた。
残りはと聞かれた霧島は、こう答えた。
霧島「ここの経営権で手を打ちましょう。」
こうして霧島は世界最大のカジノ、ベネチアンマカオの個人筆頭株主となった。
そのあとは、ラスベガスのダニエルに連絡し、ベネチアンマカオを所有するサンズグループ (シンガポールにマリーナベイサンズをもつあのサンズグループだ。)のお偉いさんを呼び、右往左往の大騒ぎになったが、霧島は実際にカジノを経営するノウハウを持っているわけではないので、現金がなければ資産でいいという意味でそう言ったということを伝えた。
すると向こうも胸をなでおろしたようで、カジノを乗っ取られるかと思ったとのことである。
事の顛末を聞いたダニエルは大笑いしていた。
ダニエル曰く、こんなサムライは見たことがない。とのことである。
そして、話し合いの結果、その日をもって、霧島が代表を務めるローレックス株式会社はサンズグループの中の一社となり、霧島はサンズグループの非常勤の取締役となった。
そして、ローレックスはベネチアンマカオを所有する運びとなり、その収益金の10%を役員報酬として霧島が頂くこととなり、その報酬額が4600億円を突破した時、霧島は取締役を解任され、ローレックスはサンズグループから切り離され、ベネチアンマカオはサンズグループの所有に戻るという契約が交わされた。
霧島は、なんとなく、大人が右往左往し、顔色が悪くなったり元に戻ったりして、気の毒に思え、悪いことをした気持ちになったので、このベネチアンマカオの収益を上げまくって、1年でなんとかしてあげようと思った。
ちなみに、約一年後、霧島の様々な改革という名の思い付きを実行したベネチアンマカオは過去最高収益を叩き出し、マカオのカジノを全て吸収し、それに伴ってサンズグループも過去最高益を記録した。
余談であるが、霧島はこの時のことを
まさか、そんなことになるとはその時は思っても見なかった。
と回顧している。
とうとう霧島はカジノを持つことになりました。
サラリーマン金太郎やら俺の空並みの大活躍ですね。
2019年 1月23日
感想欄にてご指摘いただきましたように、ポーカーの記述に矛盾・間違いがございましたので削除いたしました。
ご指摘ありがとうございました。




