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45 霧島旅行編

相当長くなってしまいました。

申し訳ありません。


i8の購入の契約を結んでから、霧島はひとみが帰省前だったのでデートをしたり、i8の限定色を買ったということを告げて、スポーツカーはキャラ被りするからダメって言ったじゃん!などと怒られたり、清水と飯会を開いたりして、納車の日を心待ちにしていた。



清水との飯会を開いた時に知ったことだが、清水はかなりのいいとこのご子息らしい。



それを聞いた霧島は、だからレクサスにもそれほど動じなかったのかと1人納得した。



清水は九州ではかなり名の知れた名家出身で、一族から政治家や実業家を多数輩出しているらしい。

地元の経団連にもかなり幅を利かせており、

清水曰く、家柄は良いが育ちは悪いとのこと。

霧島はどこかで聞いたセリフだなと思いつつ聞き流していた。



そして、とうとうi8の納車の日がやってきた。

この日、霧島はお気に入りのグッチのバッグに加えてスーツケースを持ち、電車で梅田までやってきており、ありがたいことに大阪駅にはBMWのディーラーが7シリーズのBMWで迎えにきてくれた。


霧島は、次は7シリーズを買えということなんだろうなと、苦笑いしつつ、ショールームに向かった。


そこにはi8 プロトニックレッドが佇んでいた。

まるでそこだけ別世界のようだ。

と霧島は感じたが、これが自分のものだとまだ実感するには至っていなかった。


レクサスに比べればかなりささやかな納車式の後、霧島はi8 にのり、スーツケースを積み込みショールームを後にした。

霧島は慣らし運転も兼ね、大阪環状線に上がり、アクセルをふかした。

静かだが、確実に加速していくi8。

その非現実感が霧島は大きく満足させた。


なぜ、霧島はスーツケースを持ってきたのかと思う人には、ここで説明しておく。


霧島はこのまま伊丹空港まで向かい、そこから成田、そして海外旅行に向かうつもりなのである。


幸い霧島の英語力は非常に高い。

霧島は、大学を選ぶ際にも外国語学部を考えていたように、外国に対しての心理的ハードルが低く、また、得意科目も英語などの文系科目であった。

大学に入学して一年目に無理やり受けさせられたTOEICでは900点台を叩き出し、一般教養の英語は教授から、テストさえ受ければ授業に来なくてもいいと言われた。

おそらく、授業満足度が霧島と他の生徒で違いすぎて他の生徒の迷惑になるからだろうなと霧島は考え一度も行かなかった思い出がある。


そういう背景もあり、霧島が今回向かうのはラスベガスだ。


霧島はせっかくの休みだし海外に行こうと思い、これまで一度も行ったことがない地域で、エンターテイメント性に溢れ、なおかつ英語圏に行くという条件を考えた際、その頭に一番最初に浮かんだのかラスベガスだった。

それに加えて、海外旅行にたくさん行ってマイレージカードのステータスを上げたいという思いもある。


さらに霧島は1つ条件を加えた。

第一目的地であるラスベガスまでは自腹で行くが、それ以降は自身の口座のお金を使わないということだ。


つまり、ラスベガスでもし稼ぐことができれば、そのまま違う国もしくは違う地域は海外旅行をすることができるが、もし稼ぐことができなかった場合はそのまま日本に強制帰国というルールを課すことにしたのだ。


この旅行に清水も誘ったが、ラスベガスのギャンブルは性に合わないと言ってすげなく断られた。


日本のギャンブルよりもよほど楽しめそうだと思っていた霧島は、そうか。というにとどめておいた。



伊丹空港に向かう車中で霧島は1人これからの旅行にワクワクしていた。


伊丹空港までは約一時間ほどで到着し、出発まではまだ数時間あるため、保安検査場を抜け、二階のスイートラウンジに向かう。


今回は行きは贅沢に行こうと思い、ファーストクラスのチケットを購入していた。

そのため、国内線の移動もプレミアムクラスでの移動となり、伊丹、成田、サンフランシスコの全空港でファーストクラスラウンジが利用可能である。


階段を登り、スイートラウンジの入り口をくぐるとカウンターがあり、そこで搭乗券を渡すと入室が可能となる。


ソフトドリンクやアルコール類が無料で食べれるラウンジを、霧島は至れり尽くせりだなと思いつつ、適当に空いている座席に座る。


スイートラウンジではマネケンのワッフルが食べられると聞き、霧島は密かに楽しみにしていた。


マネケンのワッフルを食べつつ、オレンジジュースを飲む霧島は、ラウンジのWi-Fi環境を利用して、自前のスマートフォンで動画を楽しんでいた。


ちなみに霧島は飛行機に乗る際アルコール類は摂取しない。アルコールと気圧差で頭が痛くなりやくなると信じているためだ。


そうこうしていると、優先搭乗を受け付ける時間となり、霧島は搭乗口に向かい、見事優先搭乗を果たす。


初めて国内線のファーストクラス (プレミアムクラス)に乗る霧島は、さすがファースト、やはり座席が広いと感じ、成田サンフランシスコ間の移動はどうなるのだろうとさらに期待が膨らみ、快適な空の旅を果たし、成田空港に到着した。


成田での乗り換えでも役2時間ほど余裕があるため、成田空港の国際線ANAスイートラウンジに向かう。

やはり、そのラウンジも綺麗で軽食もあり、携帯電話が充電でき、Wi-Fiも利用できたので、霧島としては文句なしの時間であった。


しばらくすると、優先搭乗の時間となり、またも霧島は優先搭乗でファーストクラスの座席に座る。


この便の使用機材はトリプルとも呼ばれる機体、777-300ERというらしい。


その機体のファーストクラスの座席は、さすがはファーストと言わんばかりのプライベートな半個室が用意されている。


半個室の自分の座席を見た霧島は、これがテレビで見たファーストクラスの座席か…と驚愕していた。


ファーストクラスの座席には、メガネ置きや、無料のソニーのノイズキャンセリングヘッドホンがあり、これは本当に必要なのか?と思う設備もたくさんあったが、これがファーストクラスなのだと霧島は納得しつつ、飛行機は離陸し、30分ほどするとCAさんにウェルカムドリンクをいただいた。


霧島はアルコール類を取らないつもりだったが、記念にと思いシャンパンを注文した。




夕食の機内食ではクリュグのシャンパンが提供され、和食を選択した霧島は、本格的な懐石料理を食べた。


そして、深夜には小腹がすいたため、一風堂の味噌ラーメンを食べた。


なんでこんなになんでもあるんだよ

などと思った霧島だった。


そしていよいよ就寝といった頃にCAさんがやってきて、おやすみの準備をと言いつつ座席を寝る体制に整えてくれ、簡単なベッドが出来上がった。

簡単にとは言いつつも、寝具は東京西川、そしてファーストクラス用に誂えられたパジャマが提供されている。


霧島にCAさんがベッドを作っている時に話をしてくれたのだが、成田空港にはファーストクラスか最上級会員のダイヤモンドメンバーの乗客限定のチェックインカウンターがあり、そこは、カウンター番号から通称Z屋敷と言われているらしい。


チェックインするだけでおしぼりをいただけ、そのままスイートラウンジに案内され、そこで至福のひと時を過ごすのかハイステータス会員の嗜みなのだそうだ。


自分も遠からずそこに到達しようと、霧島は決意を新たにCAさんにお礼を伝えた。

その際に、なぜか、その若くて綺麗で美しいCAさんから名刺と連絡先をいただいたが、霧島はその真意に気づかず、さすがはファーストクラス。CAさんはお客さんに対して責任持っているということなんだろう。と見当はずれの結論に達し、1人納得していた。



眠りについた霧島が目を覚ますと、そろそろ朝食といった頃で、霧島は洋食の朝食をチョイスした。


さすがに、夜のフルコースほどのものが出てくるわけではないが、痒い所に手が届く朝食であり、霧島は非常に満足した。


そうこうしているうちに、飛行機はサンフランシスコに着き、ラスベガスまではまた乗り換えて1時間ほどだ。


サンフランシスコ国際空港でもラウンジが利用できたが、霧島は、それは出発時の楽しみにとっておこうと思い、初めて訪れるサンフランシスコ国際空港を探検して回ることにした。


サンフランシスコ国際空港は、やはり海外の大きな国際空港と呼ぶにふさわしく、かなり開放的なつくりをしており、自分がそこに存在して気持ちの良い空港である。


いくら時間があっても足りないななどと思いつつ売店や、展望台などを探検しているとあっという間に優先搭乗の時間となり、霧島は優先的にファーストクラスの座席に乗りラスベガスを目指した。

使用機材は伊丹成田間と同じ機材であったため、豪華さに驚き呆れるということもなく、落ち着いて空の旅を楽しめた。


そうして、霧島はいよいよラスベガスについた。



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