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20 霧島 家を買う


読者諸兄には、ご存知の方も多いと思うが、レクサスLXとは、かなりでかい車である。


おそらく、国産車の中でトップクラスにでかい。


まず普通の立体駐車場に停めることはできない。


そのこともあり、とりあえず大阪で一番高級なマンションのショールームに霧島は来た。



もともと予約していたということもあり、スムーズに案内される霧島。


販売員のセールストークを聞き流しつつ、立地や価格、広さなどは申し分ないということを改めて実感する。


ほんの一ヶ月前はまさか自分がこんなことになるなんて思いもしなかったなぁということを霧島は改めてしみじみと実感する。


「生意気なことを言って申し訳ないんですが、駐車場の広さはどれくらいのものですか?」



「とんでもありません、霧島様。当マンションは大規模な自走式の地下駐車場を備えており、ランボルギーニやフェラーリ、ロールス・ロイスなど、おそらく全ての車が駐車可能です。」


「(レクサスLXごときで、うちでかい車なんですよみたいなドヤ顔晒してすいませんでした)なるほど、ここにします。」


「はい、かしこまりました霧島様。すぐに手続きの書類をお持ちいたします。マンションの完成は来年3月を予定しておりますので、入居予定日はまた追ってご連絡差し上げます。」


こうして霧島は大阪に家を購入した。

もちろん現金一括で会社名義の事務所兼自宅として買うので、ローンの審査などはない。



レクサスは最近人気ってこともあって2週間くらいで納車って聞いたからとりあえず、それまでは我慢だな。



大阪の難波のあたりに来たということもあり、久々に来た霧島は買い物をして帰ることにした。


といっても、これといって特に欲しいもののない霧島は、結果として何も買わずに家に帰宅することになるが、それがわかるのはもう少し後の話。


家を購入した霧島は、家具やら食器やらを物色したいと思って、店をめぐるが、入居は来年のため、今買ってもしょうがないなと思いとどまり、近くのカフェや、セレクトショップをめぐり時間を潰すのであった。


途中の本屋で買った車の雑誌を眺めながら、レクサスをどんな風に自分の快適空間にしようかと、ニヤニヤしながら思いをはせる霧島。

周りから見れば、不気味極まりないが、それを注意する人はどこにもいない。



そうこうしているうちに夕方を過ぎ、霧島は難波で食事を済ませ自宅に帰った。


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