第六話 戦闘訓練
即席ですのでこの話と都合を合わせるために一部改良させて頂いたお話がありますのでそちらも確認していただけるとありがたいです!
それでは、第六話どうぞ!
部屋に戻って少し休んだ俺は騎士達に呼ばれて戦闘の訓練をすることとなった。
訓練場に向かうとそこには既に今朝見た勇者四人と騎士達が模擬戦をしていた。
戦況は勇者達が少々劣勢と言ったところか。
やはりそこには戦歴、経験といったものの違いなのだろう。
のうのうと平和な世界で生きてきた俺達にはまだ戦闘といった血で血を洗うような非人道的なことには慣れていない。
とは言ったものの慣れるのも問題なのだろうが。
「ん?おお、来たか!」
俺を訓練に呼んだ人が俺に気づいたようだ。
確か名前は…
「ようこそ、俺達の訓練場へ!一応もう一度自己紹介しておくと俺の名前はギリアス・レイヤード。この騎士団の団長をしている。お前が勇者であろうとなかろうと厳しく指導していくつもりだ」
「ギリアス団長、よろしくお願いします」
「うむ、いい返事だ。お前のことは零と呼ぶがいいな?」
「ええ、構いませんよ?」
「よし、零よ。たしかお前は戦闘系のスキルはないんだったな?」
「はい。俺の持ってるスキルは鑑定??と会話力向上ですね」
「ふむ…なら初めは体力の向上を目指すべきだな。よし、この訓練場を20周。できるか?」
「あまり、自信はありませんけどやってみます」
見た感じ1周が500メートルってところなので20周だと10キロ…
うん、多分途中というか1キロ走っただけでも結構やばい気がする。
元ヒキニートは伊達ではないのだ。
(まあ、とにかく一度走ってみるか。今の俺でどの程度運動できるのか知りたいところだし)
俺はゆっくりと訓練場を走り出した。
その間にも他の勇者達は模擬戦を続けている。
見た感じあの俺様系勇者だけが運動できそうな印象だったが他のメンバーもちゃんと動けているようだ。
(あ、そういえば俺の鑑定ってどんな風に使うんだろう)
今更だがスキルの使い方を知るという重要なことを思い出した俺はステータスを開き、鑑定の欄をタップしてみた。
もちろんその間もきちんと走っている。
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鑑定?? 相手のステータスを鑑定できる。また、??????????????????。
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…ん?
なんだこの文字化け。
とりあえず相手のステータスを鑑定できることは分かった。
他にも効果があるみたいだが内容が全くわからない。
とにかく、一度スキルを試してみるか。
「鑑定発動」
すると目の前に俺のでは無いステータスが現れた。
どうやらあの勇者のステータスのようだ。
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名前:天城真
性別:男
種族:人族
職業:勇者
スキル:剣術Lv3
ユニークスキル:聖剣使い
称号:異世界からの救世主
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ふむ…確かに最強というだけあって強そうなスキルを持っている。
そしてユニークスキルに聖剣使いか…
なんとも勇者らしいスキルだな。
このスキルのレベルは上がるほどその技術が卓越したものとなっていくみたいだ。
ただLv10のスキルを持つものはほとんどいないらしい(初めにスキルについて教えて貰った時に教えて貰った)。
「あれ?俺そういや結構走ってるつもりだけど全然疲れないな。なんでだろ?」
恐らく既に5キロ、つまり半分は走ったはずだ。
なのにも関わらずほとんど息が切れていない。
元ヒキニートとしてはありえない現象である。
「もしかしたら勇者として召喚される際に身体能力が強化されているのかもしれない」
そう言って俺は残りの10周も軽々とこなしてしまった。
「なかなか体力があるじゃないか。これなら次からは更に倍にしてもよさそうだな」
ガッハッハッと大声で笑うギリアス団長。
更に倍でもやれそうだと思っている俺がいることが少しおかしくて笑いそうになる。
「よし、じゃあ今日は剣の素振りでもしてみるか!」
ギリアス団長は木剣を俺に放り渡してきた。
木剣にしては大分重い気がするが…
「おお、よく持てたな。それ中に鉄を仕込んでるから見た目よりも大分重たいんだが」
「やっぱりですか!おかしいなと思いましたよ」
「まあまあ、許せ。にしても零、お前結構いい身体能力してるじゃないか。これなら俺が思っていたよりも大分早く模擬戦にも参加できるようになるかもな」
「模擬戦、ですか」
「ん?なんだ、不満か?」
「いえ、やはり人と殺し合いのようなことをするのが怖くて」
「最初は誰でもそんなもんだ。というか俺も今でも怖い。だが、一度戦争になったりしてみろ。そんなことで自分が殺されたりしたら元も子もない。これは人を殺すための訓練ではなく自分を守るための訓練なんだ。そこを勘違いするなよ」
ギリアス団長の言葉は俺の心にズシッと覆いかぶさってきた。
人を殺すためではなく、自分を守るための訓練。
要は言い方なのだろうがそれでもさっきよりは幾らか恐怖心も抑えられている。
「さあさあ、時間は有限だ!今出来ることは今やる!これが俺の座右の銘だからな。さあ、今からそれで素振り500回!それが終われば今日のところは終わりだ。頑張れよ!」
「ええっ!これでですか!?」
「もちろんそうだぞ?重い剣を使って素振りを続ければ他の剣を扱う時には羽のように感じるようになる。つまり自分の手足のように扱えるようになるんだ。まあそんなことが出来るようになるには剣術のスキルをほぼマックスまで上げなければならないがな。要は気持ちだ。今まで重かったのが急に軽くなると今までの倍は早く動けるようになる気がするだろう?それと同じだ」
「な、なるほど…」
俺は団長の剣幕に押されて納得してしまった。
だが、団長の言うことも分かる。
確かにこの剣を使って素振りをすることはメリットがあってもデメリットはなさそうだ。
筋力も鍛えられるし剣の扱いにも慣れれる。
一石二鳥なのかもしれない。
「わかりました、この剣で頑張ります!」
「よし!その意気だ!」
俺はこの持った感じ10キロはあるだろう剣で素振りを始めた。
始めはきつかったが途中で慣れてきたのか300回を超えたあたりからはほとんど負担を感じなくなった。
慣れてきたのではなくアドレナリンが分泌されすぎてハイになってるだけなのかもしれないが…
「………496!497!498!499!500!」
ようやく500回を終えた時には既に夕食の時間であった。
「そういえば俺、倒れてたり部屋で休んでたりして昼食取ってなかったんだよな」
そう思うと余計お腹が減ってきた。
「よし!じゃあ食堂でご飯食べて今日は寝るか!」
今日は大分充実した一日になった。
スキルのことをある程度知れて、さらに身体能力が今までの俺とは桁違いに上がってることも知れた。
そして第一王女との出会い。
今日は色々あったが気持ちよく眠れそうだ。
俺は足早に食堂へと向かっていった。
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「えっ!ほんとなのそれ!?」
「ええ、本当よ。彼のあのスキルは誰よりも強くなれる可能性を秘めている。だけども秘めているだけで開花させなければその効果は現れない。だから彼のことを信じましょう。最弱が最強となれる????を開花させることを…」
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計画性のなさがこの場で出てしまって前の話のステータスの欄にユニークスキルを追加させていただきました。
やっぱり計画っていうのは作っておくべきですね!(お前のことだ!)
それでは、ここまでよんでくださり、ありがとうございました!
感想、評価、ブクマ等して頂けるとありがたいです!
これからもこの作品をよろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ