第五話 第一王女アイリーン・オラシオン
毎回即席で書いてる割にはそこそこ文字数があって嬉しいとか思っている今日この頃です。
不定期連載もなんとか第五話目。
これからもよろしくお願いします!
それでは、第五話どうぞ!
酷い頭痛に襲われ、倒れたところまでは覚えている。
そして最後に見た綺麗な女性のことも。
だが、その後どうなったのかは分からない。
ただ、今わかっていることは俺の目の前には知らない天井があった。
ここは俺の部屋とは違い更に豪華な部屋であることは間違いない。
誰かが俺のことを運んでくれたのだろうか?
俺はなんとかベッドから起き上がり、誰かいないか探したが誰もいない。
「ここまで運んでくれた人にお礼を言いたいんだけどな…しょうがない、書き置きかなんかしておいて自分の部屋に戻るか」
俺が立ち上がるのと同時に部屋のドアが開いた。
部屋に入ってきたのは記憶にあるあの女性だった。
「あら?良かった!気がついたのね!」
「ぐはっ…!」
その女性はいきなり走ってきて俺に抱きついてきた。
「あ、ごめんなさい。私ったらつい!」
「い、いえいえ、気にしないでください。それよりあなたが俺のことをここまで運んでくださったので?」
「ええ。と言っても執事にあなたのことをここまで運ばれたんですけどね」
「それでもありがとうございました」
「そんな、いいんですよ!いきなり目の前で倒れたんだもの。どうして倒れたのか覚えていらっしゃいますか?」
「はい。倒れる少し前にとんでもない頭痛に襲われまして。なんとか自分の部屋に戻ろうと思ってなんとか歩いていたんですがそれでも流石に無理だったようで倒れてしまったんです」
「そうなんですね…あっ、自己紹介が遅れましたね。私の名前はアイリーン。アイリーン・オラシオンと申します。この国の第一王女です」
「あなたも王女様でしたか!それなのにすいません…あなたのベッドをお借りしたり倒れたところを介抱してもらったり。感謝しかありません」
そう言って俺は誠心誠意を込めて頭を下げた。
「この国を背負っていくものとして当たり前のことをしたまでです。それで、あなたの名前は?」
「あ、こちらも自己紹介が遅れました。俺の名前は新羅零。零とでも呼んでください」
「あら、じゃああなたが噂になってる勇者ではない勇者様なんですね」
「あはは…お恥ずかしながら。それよりも俺がこの部屋にいてもいいんですかね?」
「どういうことでしょう?」
「えーとですね、仮にでもあなたは王女様。しかもこの国の第一王女なのですから俺みたいな男を自分の部屋に置いておくのはまずいのでは?」
「そんなことですか?噂になったところで私は気にしませんよ」
なんとこの王女様は俺みたいな元ヒキニートの俺なんかと同じ部屋にいて噂になってしまっても構わないと笑って言うのである。
…この人大丈夫か?
確かに今まで会ったことのある人の中で一番好感がもてるが…
と、ここまで考えたところで俺はふと「またあの声が聴こえるのでは」と思ったところでやはり聴こえてきた。
だが、今度聴こえて来たのは優しい声であった。
(零様はほんとにもう何ともないのでしょうか?心配ですね…それに、零様のお顔…結構タイプですね…って何を考えてるの私!落ち着いて。平常心よ、平常心。)
なんだか、今身構えていたのがアホらしくなるくらい頭痛は来なかった。
もしかしたら倒れた時の頭痛が凄すぎて慣れてしまったのかもしれない。
それとも声の違いによって頭痛が出るが出ないのかの差があるのか…
まあ今はいいか。
「?どうかされましたか?」
「いえ、考え事をしていただけです。それよりそろそろ俺は自分の部屋に戻ろうかと」
「そうですか…あの、零様!」
「はい?」
「また、ここに遊びに来てくださいませんか?私はあまり男の子の友達がいないので…話し相手になってくださいませんか?」
「ええ、俺でよかったらいつでもいいですよ。いつがいいでしょう?」
「そうですね…私はいつも三時頃には部屋に戻ってますのでその時間帯に部屋に来てくだされば」
「分かりました。三時ですね。また来ます!」
「!はいっ!お待ちしております!」
「それでは、おじゃましました」
「お身体にはお気をつけくださいね」
そう言って俺は王女様の部屋から出てきた。
にしても第一王女か…
なかなか綺麗で俺の好みにもあってる…なんてな。
俺なんかが王女様と付き合ったりすることは絶対にないしな。
期待するだけ無駄ってやつだ。
悲しいことを考えているが自分の部屋までの俺の足取りは非常に軽いものだった。
それはこの出会いは俺のこの先の道を選ぶ上で重要なファクターとなる。
そんな気がしてならないからであった。
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