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異世界のイオリと伊織  作者: 猿丸駿
第一章
9/107

第九話 イオリと調べ物

 とりあえず疑問に思った事を片っ端から端末改めトリアに聞いていく。


「えっと、とりあえずダンジョンとは……と」


 まとめるとおおよそこんな感じらしい。


・通常、魔力が濃い場所、魔力溜まりには魔物が定期的に発生するが、その濃度が一定以上の場合にはまれにダンジョンとして生まれることがある。

・ダンジョンは年月をかけ成長し、成長するに伴い階層はより深く、また、内部で発生する魔物の強さも、まれに例外はあるがほとんどの場合はより強く変化していく。

・発生から年月が経つとダンジョンの成長は鈍化し最終的にそれ以上成長しなくなるが、周囲に別のダンジョンができるとそれを取り込んで成長を再開することがまれにある。

・例外はあるが、基本的にダンジョンの階層は発生してからの年月にほぼ比例し、またその状態として発生初期、成長期、成熟期、衰退期の4つの時期が存在する。

・階層が深くなるほど魔物の強さは強くなるが、まれに強い魔物のみが発生することや、その逆に弱い魔物しか発生せずほとんど成長しないダンジョンも数例確認できている。

・ダンジョンの階層が増える場合には途中に階層が追加される場合と深部に追加される場合があり、成長期にはほとんどの場合は深部に追加されるが、成熟期の場合途中に階層が追加されたり、内部構造に変化があるため、定期的な再調査が必要となる。

・ダンジョンの脅威度により、F級からA級、S級、SS級、SSS級までに分かれている。

・S級以上は緊急討伐対象で、組合に緊急依頼が発行され速やかに討伐がされるため、今現在はS級以上のダンジョンは確認されていない。

・ダンジョンの各階層を攻略するごとにダンジョン入り口への一方通行の転移が可能なポータルと呼ばれる一種の転移装置が開放される。


 なるほど、一般的にはこの世界のダンジョンは、討伐と付いていることからも魔物の一種という扱いなのか。

 ちなみに、この世界では普通の生き物以外は魔物というらしい。

 そして、今いるロブアグリードダンジョンについても見てみる。

 しかし、ほんと、これは便利だな。

 フィーネじゃないけど一台欲しくなるぐらいだ。


・この地区にあるダンジョンはロブアグリードダンジョンのみ。

・今から71年前に発見され、その3年後に組合支部が設置された。

・発見当初はE級ダンジョンとして認定され、発見から13年でD級ダンジョン、その10年後にC級、さらに17年後にB級として認定された。

・現在は成熟期のB級ダンジョンと認定されている。

・現在は88階層まで到達しており、踏破階層は87階層となっている。

・100階層目が現在の最深部と予想され、あと数年は階層が増えないと考えられている。

・1層から20層までが低層でF級からD級の魔物が分布している。

・21層から65層までが中層と分類されD級からC級の魔物が分布している。

・66層以降が深層と分類されておりB級の魔物のみが確認されている。

・ダンジョンの入り口には、現在のところ数例の報告のみの通常のポータルとは逆方向である各階層の入り口へ直接転移が可能なポータルを生成するための魔道具がダンジョン内で発見されたため設置されている。

・このために各階層へ転移するためのポータルが設置されていない同規模のダンジョンに比べて深層までの踏破が早いことが特徴である。

・ポータルの転移先は10層ごとに設定されており、何らかの方法で個人を識別、階層攻略の次回以降からパーティー内での最高到達階層までの自由なポータルに転移が可能となっている。

・なお、個人識別や転送の仕組みについては現在のところ不明で、今後の解明が待たれる。


「へー、ポータルって転移装置があるからこのダンジョンでは、10層ごととは言え毎回1層目から潜る必要がないのか」

「なるほど、それは便利ですね」


 とりあえず、ダンジョンについては大まかに把握ができた。

 さてさて、このダンジョンではどんな魔物が出てくるのだろう?

 端末の次のページに魔物の分布が乗っているようなので確認してみるが、低層から深層に潜るに従い出現する魔物も強くなり、さらには罠なども出てくるようだ。

 低層では基本的に、ゴブリンやスライムなどの基本種から中位種までが出現し、ダンジョン内は迷路構造で罠もないらしいが、各階層の最後に待ち構えるボスは例え低層でも侮ることはできないようだ。

 また、低層にも種類は少ないが低級ポーションに利用できる薬草が壁際に生えていることがあり駆け出しの探索者の良い稼ぎとなっているらしい。

 ダンジョンでの死亡要因の一番はこの各階層のボスのようで、ダンジョンに潜る場合は必ず、ダンジョンからの緊急脱出のための魔道具を準備しておくことが重要と書いてある。

 なるほど、ダンジョン内で利用が出来る脱出用の魔道具があるらしいので忘れずにあとで購入しておこう。

 ちなみに、死亡要因の二番目はなんとダンジョン内での餓死で、その次が階層内で遭遇する魔物によるもの、らしい。

 探索者同士の諍いによるものもありそうだけど、要因不明での死亡が不自然に多いと思ったら、どうやらその辺りに含まれているらしい。


「ん? このマークは何だろう?」

「どうされました? イオリ様」

「ああ、ここに書かれている情報以外に情報があるみたいだ」


 トリアが調べてくれた内容の中に、丸にiの文字でマークが出ている部分があったので、その辺りをタッチしてみると別の情報が参照できるようだ。

 どうやら、噂レベルの情報なので、これらを含めすべて載せると多すぎるためなのか、最初に調べた内容には含めていなかったようだ。


「なになに『緊急脱出のための魔道具として粗悪品もしくは全く機能しない偽物が出回っている可能性があるので注意しましょう。心配であれば組合内の売店で売っているものであれば安全です』か。ふーん」

「うーん? 実物があれば確定した情報として載せられると思うのですが、実物がないのでしょうか?」

「ああ、続きがあるな。なるほど、どうやら脱出用の魔道具が安く買えたのを自慢していたものや確実に魔道具を持っていたらしい探索者やパーティーが何組か全滅しているらしいな」

「なるほど、全滅しているのであれば確認しようがないですね」

「まあ、そうだな。まあ、俺達も気をつけておこう」

「はい」


 それはともかくとして、ダンジョンの情報の続きだ。

 低層を超え中層になると、洞窟構造へと変わり内部空間も広くなり、それに従うのかは分からないけど出現する魔物もオークやオーガが出てきたり、狼系の魔物も出てくるようだ。

 また、同時に罠もだんだんと増えてきて、これまでに見つかった罠の中で最悪のものは、落とし穴の先が深層よりの中層に繋がっていた物で運良く脱出用の魔道具を使い期間ができたようだけど、使うのが遅かった場合は魔物の餌になっていただろう、とのことだ。

 さらには、現在トップランカーが絶賛探索中の深層では開放的なフィールド、つまり草原や砂漠、果てはなぜかダンジョン内に城があったりするらしい。


「へー。ダンジョン内に城があるのか、面白いな」

「そうですね、誰が住んでるのでしょうか?」

「まあ、吸血鬼とか魔物の王様とかが相場だと思うけど、どうだろうな。さすがにダンジョン内の城に住んでいる探索者はいないだろうし」


 深層で出てくる魔物といえば、低層や中層出てきた魔物の上位種や最上位種、たとえば、オークキングやフェンリルなど、その他にはメタルトータスやダートメタルトータスなどなど、それにワイバーンなど亜竜やドラゴンなどの竜種が出てくるらしい。

 特に、竜種がかなり厄介らしく、トップランカー達を持ってして探索が進んでいないのはこいつらが原因のようだ。

 他に重要な点情報として書かれているが、どうやら魔物自体も群れ、要するに俺たち探索者におけるパーティーと同様に徒党を組むようで各階層のボスは低層や深層の竜種を除き基本的に群れで襲ってくるし、ダンジョンの階層内を彷徨(さまよ)う魔物も群れで襲ってくることもあるようだ。

 なお、ダンジョン内での群れと、ダンジョン外での群れとで大きく違っている事として、ダンジョン内では上位の魔物がいない場合でも違う種族の魔物が群れを組んでいることがあるようだ。

 ちなみに、それぞれの討伐証明は、ウォーウルフなどの魔狼種が牙、ゴブリンやコボルトなどの亜人種が左耳らしいが、それ以外にも魔狼種なら毛皮や肉など、素材としての利用価値もあるので解体するか余裕があるならまるごと持って帰って来てほしいとのこと。


「なるほどね。とりあえずはどこまでやれるかが課題かな」

「ですね。イオリ様、とりあえずできる所からやれる所まで頑張りましょう」


ここまでお読みいただきありがとうございます。

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