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異世界のイオリと伊織  作者: 猿丸駿
第一章
81/107

第八十一話 イオリと過去の話①

投稿予約忘れてました……


今回と次話は、口頭での会話と所謂脳内会話を併記した、他の話とは違う書き方をしているため読みにくかったらごめんなさい。

良い書き方があれば教えてほしいです……

 ちょっとずっこけそうになるが、それは何とか堪えるもその替わりに溜息が出てしまったのはしょうがないと思う。


「一応、見張りなんだけど? あと、『うちら(・・・)にお任せだぜ』とか言ってなかったっけ?」

『まあそうだけど…… 別にこの結界があれば問題ないじゃん』


「いや、駄目だろうそれは。と言うか、なんで『思考共有』で話してるんだ?」


「んー? なんとなくうちが面白そうだから、かな? そんじゃあ、何か話ししようぜ! あ、そうだ!」


 見張りを放って寝ようとするコイツをどうやって説得しようかと思っていると、何か思いついたらしい。

 まあ、碌でもないことだろうけど、何もせずにグースカと寝られるよりはいいかな。

 さてはて、何を思いついたのやら。


「なあ、目の前のそれは何やってるんだ?」

『なあ、前の世界での話を教えて欲しいぜ』


「ん?」


 話している事と『思考共有』での会話とで別の内容が同時に聞こえて一瞬混乱するが、すぐにコイツが何をしてきたかは把握できた。

 どうやら、口で話すのと『思考共有』での会話で違う内容を話すことが、さっき思い付いたことだったらしい。


「ああ、これか? これは、『編集モード』で魔法を変えてる所」

『面白いことを…… しかし、脳き…… こういうのは苦手かと」


「それって、ソータが教えてくれた『編集モード』の事か? んー、でもよく分かんなかったんだよ、その時」

『なんかバカにされたような? まあ、手が出る方が考えるよりも先になるって、よくソータに言われたけど』


「そうそう、その『編集モード』。まあソータに教えたのは俺だけど」

『馬鹿にしてるつもりはないのだけどな…… 気に障ったのなら謝る』


「それ、うちも使ってみたいな。なんか面白そうだし」

『まあいいや。うちらが居た世界の事を話すから……』


「また暇な時にソータから教えてもらえばいいんじゃないか?」

『俺達が居た世界の事も教えて欲しい、か。まあ、別にいいか』


「うーん、よく分かんなかったし、ってことで……」

『まずは、うちが召喚された国の雰囲気から、だな』


「……教えて欲しい、と」

『洋風、じゃないのか?』


「そうそう。ソータだけじゃなく、うちにも面倒くさがらずに教えて欲しいんだけどな」

『和風だった、それも江戸がそのまま現代まで続いている雰囲気かな? 簡単に言うと』


「何人にも教えるのは面倒くさいってだけじゃなかったんだけど。まあ、ソータには悪いけど暇つぶしにはなるかな」

『へー。どっかのテーマパークみたいな感じだな、それ。お城があって、城下町があってっと…… こんな感じか?』


 とりあえず、俺が想像した和風世界を『思考共有』上に映し出してみる。

 一般的な『思念会話』と、俺とコイツのみが利用できる『思考共有』とでまず一番の違いといえば、映像を作り出すことが出来るかどうか、という所だ。


「暇つぶしとか酷いな。まあ、そういうことなんで、よろしくお願いします、先生」

『そうそう、(まさ)にそんな感じだったな。あと国民の殆どが、犬や狼の獣人だったな』


「お前に先生とか言われるとキモいな。まあとりあえず、画面は開けるか?」

『なるほど。ほとんど獣人という事は普通の人間には過ごしにくくないか?』


「ああ、開けるぞ。ほらどうだ?」

『たしかに、最初はそうだったな』


「どうだと言われても、俺には見えないから…… 見えてるな、何でだろう?」

『まあ、どうしても自分と違う者に寛容になれないのはしょうがないのかもな』


「おっ、画面が見えるのか? ソータには画面が見えなかったし、うちも書いてある文字がよく分からないから、説明できなくて難儀してたんだよな」

『そうそう、そんな感じ。で、うちみたいなのは素人間って呼ばれててさ。事ある毎に見下されるから頭にきて、その都度ボコボコにしてたんだけど』


「なるほど」

『だけど?』


「これが見えるんだったら、さっさと教えてくれ、先生」

『終いには舎弟が山ほど出来て、姐さんとか呼ばれてた』


「お前から先生とか呼ばれると、キモいから()めてくれ」

『あー、その光景が目に浮かぶようだな。面白いなそれ』


 こんな感じかと、コイツの前に二十人ぐらいを黒い服で整列している様子を映像にしてみた。

 すると、違う違うと、一人の前に千人ぐらいが同じ格好で片膝を立てて跪いている様子が映し出された。

 予想以上にとんでもないな。


「そんじゃあ、まあ普通に呼ぶぜ。とりあえず、この『編集モード』だっけ? それをうちが使いこなせるように教えてくれるってことでいいんだな?」

『まあ、ともかく。海を隔てた隣国で魔の神って書いて魔神。その魔神が生まれ、瞬く間にその国を滅ぼしたらしい。で、戦力としてうちが召喚された』


「まあ、慌てるな。えっと、なるほど。まあ、画面も文字も同じ感じだから多分大丈夫だな。まあ、使いこなせるかどうかはお前次第だけど」

「なるほどね。理由は分かったけど、魔神って魔王より強いのか? 話の感じからすると、俺の知っている魔王と同じような強さっぽいけど」


「お、じゃあ早速教えてくれ! まずは何をすれば良いんだ? さあ」

『どうだろ? そういえば魔王って名乗った奴には結局あってないな』


「まあまあ、慌てるな。まずは、だな」

『で、その魔神とやらを倒したわけだ』


「まずは何をすればいい? この『仮想環境起動』ってボタンを押せばいいのか?」

『それ、なんだけどさ。一人を倒した側から、そいつは魔神四天王の中で最弱とか』


「だから慌てるなと。まずは魔法を選ぶのさ」

『なんかそれ、どこかで聞いたような話だな』


「魔法? うーん、うちは魔法って言ったら『アラーム』とか『身体強化』ぐらいしか使えないけど」

「あとは、魔神十二将の風上にも置けない奴だ、とか現れて、最終的には大魔神ってのが出てきたな』


「『アイテムボックス』も使えたよな、たしか。ああ、でもだめか。『ライト』が使えるといいんだけど、『アラーム』でも本人に被害が及ぶだけだからいいのかな」

『なんか、お疲れ様だな。すごくベタでお決まりな展開だけど、まあ実際に目の前で展開されるとゲンナリするなそれ。で、結局は大魔神も倒したってことだよな?』


「えー、うちに被害が来るのは簡便だなぁ。他になんかないの? あと、たしかに『アイテムボックス』は使えるけどソータから聞いたのか?」

『そうなんだよ。で、その大魔神を倒したんだけど、突然に空間が歪んだからソータの手をあわてて掴んで、気がついたらこの世界に居た訳だ』


「聞いたのはそう。で、『アラーム』が嫌なら『ライト』を覚えてくれ。『編集モード』はそこからだな」

『なるほどね。お前がこの世界に飛ばされたのは、もしかしたらその大魔王が関係してるかもしれないな』


「『編集モード』触ってみたいから、「ライト」を覚えるしかないか……」

『うちの方は(まと)めるとこんな感じだ。で、アンタの方はどうだったんだ?』

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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次の投稿は5月19日の予定です。

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