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異世界のイオリと伊織  作者: 猿丸駿
第一章
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第六十六話 イオリとソフィーの装備探し

「じゃあ、そろそろ、みんな食べ終わったし、出るか」

「ですね」


 お店を出た後、道を右に向かうあいつらと別れ、左側を進む俺とフィーネ、ソフィーは、一昨日に行った武器屋にまずは行くことにした。

 まあ、途中にお店があればとりあえず入ってみようとは思っているけど、基本的に俺は先に済ませる事柄は先に済ます(たち)なので、ソフィーの武器を最初に探してみようと思う。


「えっと、確かこの辺りだったはず」

「イオリ様、あそこではないでしょうか?」

「ああ、あそこだな。驚くなよ、ソフィー」

「え? なにが? なにを?」

「まあ、それは中には行ってからのお楽しみだな」

「そうですね。反応が楽しみです」


 少し迷いながらも、目的の店に付いた俺達は、一昨日に初めて店に入った時の光景を思い出す。

 店の中に入った時にソフィーがどんな反応をするか想像して面白そうにソフィーの方を見ているが、当の本人はよくわからない、とばかりに首を傾げている。

 そんな姿に癒やされつつ、店の中に入る。


「すいません!」

「おや? おめー達は一昨日に来たお二人さん、と後ろのちっこいのは誰だ?」

「ああ、この子はソフィーって言って、新しく入った俺達のパーティーメンバーなんだ」

「ソフィー、と言います。よろしく、おねがいします」

「あいよ、俺はウルゴって名前だ。よろしく嬢ちゃん」

「それで、この子の武器を見に来たんだけど、ナイフと…… 篭手はやっぱないよな」

「ナイフはその辺にあるから手に取るなり好きに見ていってくれ。篭手はうちでは扱ってねーから、そうだな。ルトトのところが防具屋をやっていたからそこだろうな。地図を書くからあとで行ってみたらどうだ?」

「助かります」


 防具屋さんへの地図を期せず手に入れてしまったが、ありがたくこの後見に行こうと思う。

 ソフィーの方はと言うと、ついさっきまで俺の紹介にちゃんと反応していたはずだけど、今はもう完全に店の中の様子に目を奪われて、ほへーと言った感じで壁や天井など辺りをキョロキョロとせわしなく見ている。


「おっと、そうだそうだ。ソフィーの嬢ちゃんはこの店初めてだろ? 後ろの二人には前にも言ったと思うが、最初の一回のみ武器の整備を無料でやっているが、どうする?」

「えっと、その」


 どうしよう、とこっちを上目遣いで見てくるソフィーが愛くるしいので頭をとりあえずひと撫でする。

 うーん、リーンと対象に、ソフィーはすこし人見知りの感じがするな。

 と、そんなことより。


「あー、えっとですね。今この子、武器がない状態なので次回でお願いします」


 そうか、と言い、じゃあ何かあれば終えを掛けてくれ、といいカウンターの奥に引き上げていくウルゴさん。

 商品を放っぽり出して無用心だと思ったが、そういえば、武器それぞれに移動が制限される仕組みが合ったなと思いだす。

 俺がやろうと思えば武器に掛けられている制限を回避するのは難しくなさそうだけど、そもそも『倉庫』の中には、この店にあるような今日価値のあるものはなさそうだし、そこまで手間をかけるのはと思うが、よく考えるとどうでもいい話だな、と思い直す。

 ソフィーの方はウルゴさんに教えられた場所にあったナイフを手に取り重さを確かめたり、ナイフ自体のバランスがどうかとか色々さわって選んでいるようだ。


「えっと、このナイフがいい、かも?」

「どれどれ、っと。うん、ちょうどいいんじゃないか。ああ、値段は気にしなくても大丈夫だ」

「そうですね。バランスもいいと思いますし、大きさもちょうどいいようです」


 ソフィーは暫くの間いろんなナイフを手に取り使い勝手の確認のため、として実際に振ってみたりしながら選んでいたが、どうやら一つに絞れたようで、俺たちに選んだナイフを見せてきた。

 少し自身がなさそうなのは、それはそれでフィーネらしいかな、と思う。

 購入するナイフを決めた俺は、ウルゴさんを呼んで会計を済ませる。

 会計時にナイフを見たウルゴさんが、頷きながら、それを選ぶとはなかなか、と呟いていたのが気になったが、何か思うところがあったのだろうか?

 店を出た俺達は、ウルゴさんに教えてもらった防具屋さんへと、これまた空いてもらった地図を頼りに行くことにする。


「ここかな」

「みたいですね」


 看板を見ると”ルトトの防具屋”と書いてあるので、ここで間違いないようだ。

 そういえば、ウルゴさんの店の近くにも別の防具屋があったと思うけど、こちらを紹介したのは親しい知り合いが経営しているお店だからだろうか?

 まあ、まずは店に入らないと始まらないので俺を先頭に店へ入る。


「すいません。ここで篭手を扱っているって聞いたのですが」

「ん!」


 店のカウンターでダラッとしていた店主と思わしき女性は、俺達が店へ入ってきたことに気が付くと頭の上の耳(・・・・・)をピンッと立てる。

 一言喋ったと思ったら俯き何かごそごそとやっていると思ったら、どうやら手元にある板にキュッキュと文字を書いているようだ。

 俺達がその様子に戸惑っていると、書き終えた店主さんはバッと顔を上げて、先程まで文字を書いていた何かを俺達に見せてくる。

 えっと、なになに?


『筆談ですいません。自分、離すのが苦手なのでご容赦下さい。自分はこの店の店主代理のルクと言います。店主のルトトは今ダンジョンに潜っているのですが、何か御用があれば店主に変わって承ります。篭手はどのようなものをお求めでしょうか?』


 なるほど、少し愛想が悪いと思ったけど、まあ苦手なら仕方がないか、と思うけど客商売としてはどうなんだろう。

 まあ、少し時間がかかるけど、無口で頑固一徹な店主とかよりも意思の疎通は出来るので、問題ないかなと考えることにした。

 そういえば、獣人をまともに見たのは、ソータ以外では初めてだな。


「よろしくお願いします、ルクさん。それで、篭手の方は、この子が使うものが欲しいのですが。魔物に対して殴り掛かるのである程度丈夫だと嬉しいですね」

「ん!」『なるほど、一応サイズ調整が出来る篭手も有りますが効果なので、基本的には手の大きさに合ったものを使っていただくことになります。なので、手の大きさなどを確認したいのですが』


 ルクさんは、一言喋ってから文字を書くのは最初と変わらずだけど、どうやら文字を書くのが早いようだ。

 板についているボタンのようなものをルクさんが押すと、今まで書いてあった文字が消えるようで、その後、あっという間に文字が埋まっていくのは見ていてなかなか楽しかったりする。

 何時も筆談で対応しているから慣れているということだろうか。


「わかりました。ソフィー」

「わかった」


 カウンターの下をゴソゴソとしていたと思ったら、測った結果を記入するための紙やペン、あとはメジャーみたいな物を取り出し、いそいそと両腕を間に突き出したソフィーの計測をはじめた。

 俺とフィーネはソフィーがおとなしく測定されている間に一言ルクさんに断り店の中を見て回り時間を潰す。

 しばらくして測定を終えたルクさんは、ソフィーとあの板でやり取りをしながらあれでもないコレでもないと、篭手を選んでいる。

 これはしばらく終わりそうもないな、と思っていたけど更に少し店の中を見ていた所、どうやら篭手を選び終わったようだ。

 会計を済ませた俺達は、ルトさんにお礼を言って、嬉しそうに手に付けた篭手を撫でるソフィーを先頭にして店を出た。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

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誤字や脱字の指摘もあればお願いします。


次の投稿も一週間以内の予定です、が少し遅くなるかもです。

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