第六十四話 イオリとお弁当屋さんでお買い物
お待たせしました。
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ライアさんが、完全に自分の世界に引きこもってしまったのでお店を出た俺たちは、次の目的地の弁当屋さんへ行くことにする。
とりあえず、ポーラさんの『手作りお弁当屋さん』と、ソータたちが弁当を購入した『隠された食事処』を順に回る事にした。
弁当、と聞いて首を傾げているリーンに弁当が必要な理由を説明しつつ、ポーラさんのお店へと移動する。
まあ、途中でオーク肉を使った各種の弁当について話したところ、ヨダレを垂らしそうになっていた二人がいた事以外は特に問題は起きず、お店に到着した。
「ここが、ポーラさんのお店だな」
「へー『手作りお弁当屋さん』か。その物ズバリな名前だぜ」
店を確認するとちょうど良いことに人が並んでいないようだったので、早速お弁当を購入することにする。
「すいません」
「はいな。おや? 数日前に来たお客さんだね? まさか、もうあれだけあったお弁当を食べてしまったのかい?」
「いえ、そう言うことではなく、お金に多少の余裕ができたので、もっと購入しておくことにしたんです」
「うーん、数日ぐらいは持つとはいえ、前のように大量に購入すると痛んじゃわないかい? さすがに、安いものもあるとはいえ食べずに捨てられてしまうのはちょっと思うところがないとは言えないのだけどね……」
おっと、たしかに、普通だったら『アイテムボックス』のようなスキルや魔法でも、駆け出しには分不相応だし、どうもこちらのスキルでは最上級のものでも僅かながらに時間は進んでしまうらしいので確認してきたわけだな。
まあ、全部を伝えることもないので、適当に誤魔化しておくか。
「あ、その辺りは、解決策はあるので大丈夫です」
「そうかい? そう言うことなら、今日はどのお弁当を買っていくんだい?」
どれどれっと、店頭に置いてある弁当のサンプルを見てみる。
もちろん、確認するのはオーク肉を利用した弁当だけだ、なんて言ったって安いからな。
店頭に置いてある弁当の種類をまとめてみる。
・オーク肉しぐれ煮弁当
・オーク肉かつ弁当
・オーク肉唐揚げ弁当
・オーク肉コロッケ弁当
・オーク肉ステーキ弁当
・オーク肉生姜焼き弁当
・オーク肉角煮弁当
・オーク肉と野菜炒め弁当
・オーク肉ハンバーグ弁当
・オーク肉照り焼き弁当
・オーク肉カレー弁当
弁当だけでも、前回と多少メニューが入れ替わっているが、これだけの種類がある。
前回は弁当にしか目に入っていなかったが、この店ではオーク肉を使った食べ物として、おにぎり単体での販売もしているようで、店頭には透明なケースでオーク肉以外の具も含め数種類のサンプルが置いてある。
おにぎりは真ん中から縦に半分に切られていて中の具が見えるようになっているので、見てるだけでも思わずヨダレが出てきてしまう。
もしかしたら、この辺りでは海苔みたいなものがないのか、お米をオーク肉などの具材を包み込むように握ってあるだけ、と言うのがこの店で売っているおにぎり達だ。
と、おにぎりの方もたしかに気にはなるが、ここはぐっと我慢して今はオーク肉を使ったお弁当に集中することにしよう。
「なーなー、これが美味そうだぞ」
「僕はこれが美味しそうですね」
「私はこれとこれが美味しいと思います」
「妾はこれじゃな。む、こっちも美味しそうじゃ」
「ん。わたしはこれ。これが、美味しいと思う」
フィーネ達は好き勝手にどれが美味しそうか言い合っているが、まあ現状懐が温かいので全部買おうとは思っていたりする。
ちなみに、フィーネ達が選んだのは、それぞれ、オーク肉唐揚げ弁当、オーク肉照り焼き弁当、オーク肉かつ弁当と|オーク肉ハンバーグ弁当、オーク肉しぐれ煮弁当とオーク肉生姜焼き弁当、オーク肉角煮弁当、と見事にバラバラだ。
俺としては、オーク肉カレー弁当も捨てがたい、が味ではなく色が何故か青色なので普段ならともかく、ダンジョン探索中にはあまり食べたくはない。
そう言うわけなので、俺のオススメは次点のオーク肉ステーキ弁当だな。
「みごとに好みが分かれたな。ちなみに俺は、オーク肉ステーキ弁当が美味しそうだと思う」
「確かに、うちら六人いるし、一人ぐらいは被っても良さそうなのにな」
「そこで、だ。懐に余裕があるから、ここと次のところで気になったのなどを買い占めようかと思う」
「おお! それは確かにいいな」
「なるほど、確かに余裕がありますし、僕たちの保管方法であれば問題ないですね」
「イオリ様、素晴らしい考えだと思います!」
「「え? え?」」
「へ?」
俺が放った突然の買い占め宣言に、混乱している、リーンやソフィー、そしてなぜかポーラさん。
まあ、普通は弁当が腐るかもしれないから、こんなことはしないか。
「と、言うわけで、オーク肉唐揚げ弁当、オーク肉照り焼き弁当、オーク肉かつ弁当、オーク肉ハンバーグ弁当、オーク肉しぐれ煮弁当、オーク肉生姜焼き弁当、オーク肉角煮弁当、オーク肉ステーキ弁当の八種類、を今あるぶん全て購入したいのですが」
「ひぇっ、ちょっ、ちょっと待っておくれ。えっとだね、それぞれの残りがっと、オーク肉かつ弁当は10食分、それ以外はちょうど20食は残っているから、こりゃ計算が簡単だね。……合計で450セタだね」
目が点になっているリーン達二人よりも先に復帰したのは、さすが商売人と言ったところだろうか。
えっと、以前は180セタだったから今回は結構買ったなぁ、と密かに思いながら毎度おなじみになった組合カードを読み取り用の魔道具に翳す。
「はい。確かに。ああ、この時間だからまあいいけど、次からは事前に必要数を予約しておいて欲しいね」
「あ、確かに。全部買い占めはまずかったですか?」
「うんにゃ。まあ、今日はいつもより店仕舞いが早くなるぐらいかね」
「では、次回は予約をしてから買いに来ます」
「ああ、そうしてくれ」
わっはっはーと、豪快に笑うポーラさんに少し呆れながら、弁当を受け取りそれを、手分けしてしまった後でポーラさんのお店を後にする。
なお、蛇足として弁当の量とそれをどんどんしまっていく俺たちにリーンとソフィーが再度驚いていたのは、もうある意味お約束かもしれない。
ポーラさんのお店を後にした俺たちは、今度はソータの案内で『隠された食事処』へと行くことにする。
ソータ曰く、どうやら、そのお店はライアさんのお店と同じく大通りから離れているので見つけるのが大変らしい。
ただまあ、一度迷った末の二回目なので、今回は迷わずにたどり着くことができたようだ。
「あそこですね」
「なるほど、たしかに『隠された食事処』って書いた看板が出てるな。食事処ってことは弁当以外もやっているのか?」
「ええ、むしろ弁当が片手間見たいですね。……営業中のようですね。ごめんください」
この店は、裏通りにあるためなのか周囲の住宅と同じような作りをしているが、ライアさんのお店とは違い看板はちゃんと出ているので、その部分ではよっぽどお店らしい。
ソータは、ドアをチラッと見て「営業中」と書かれた札が掛かっていることを確認すると、ドアを開き声をかけながら中へと入って行く。
俺たちもそれに習い、ドアが閉まる前に中へと入る。
「あいよー。おやー? あんたらは先日来た人達かいねー」
「はい、今日もお弁当を買いに来ました」
「あー。タイミング悪いねー。ついさっき最後の一つが売れちまったところだよー。今日はあまり量も用意できなかったから尚更売り切れが早かったねー」
「そうなんですか。残念です」
どうやらこっちのお店では弁当は売り切れだったようだ。
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