表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界のイオリと伊織  作者: 猿丸駿
第一章
59/107

第五十九話 イオリと組合の凄腕解体者達

「そういえば、結局のところ、うちらはどのぐらい狩ったんだ?」

「私も気になります」

「ああ、まとめると内訳はだな……」


 おれは、先程記入した内容を思い出しながら、フィーネ達に伝えていく。


・ゴブリンが、六十二体

・ゴブリンソルジャーが、二十九体

・ゴブリンメイジが、二十四体

・ゴブリンサモナーが、十九体

・ゴブリンウォーリアが、八体

・ゴブリンジェネラルが、三体

・コボルトが、四十七体

・コボルトソルジャーが、三体

・コボルトメイジが、十五体

・コボルトサモナーが、五体

・コボルトウォーリアが、二体

・コボルトジェネラルが、一体

・ウォーウルフが、三十三体

・グレーターウルフが、二十一体

・フレイムウォーウルフが、三体

・フロストウォーウルフが、五体

・オークが、十体

・オークソルジャーが、二体

・オークメイジが、一体

・オークジェネラルが、一体

・オーガが、四体

・スライムが、三十九体

・サンダースライムが、十三体

・ダートスライムが、七体

・フレイムスライムが、七体

・ジェリーが、十一体


 合計で三百七十五体だ。

 こうやってまとめてみると、俺たちが短い間に相当の数の魔物を狩ったことが改めて分かる。

 まあ途中で個数の訂正がソータから何回か入ったけど、それは別に俺が計算できないとかではなくて、ソータが保管している魔物の個数を間違えただけだ、そう単純に。


「狩っている最中は実感がなかったですが、こうやってイオリ様がまとめられた結果を聞くと、相当な数を狩ってますね、私達」

「だな。で、結局買い取りはどんぐらいになるんだ?」

「まあ、それは解体し終わってからですね、きっと」


 フィーネの感想じゃないけど、この数日で一気に二十六層まで突き進んだから、まあ魔物の量もそれに伴って多いのだろう、きっと。

 普通の駆け出しの探索者は、時間あたりに倒せる量も少なくなるし、もし倒せたとしても持ち帰る手段がきっと限られていると思う。

 そのために、その限られた中でより多くの買い取りできる部分を何とか持ち帰るために、解体などをしたりすると思うが、そうするとその分さらに時間が掛かる、と世の中そうはうまくはいかないってことだな。

 まあ、俺たちのパーティーは半ば反則的な人たちが中心だし、今更気にしていてもしょうがないか。


「……なあ、ソフィーとやら。妾達、とんでもないパーティーに拾われたのではないかのう?」

「ん! たしかに…… 魔物の量、すごい。足手まといかも、わたし達」


 新しくパーティーに加わった二人がひそひそと小声で話しているのに気が付く。

 何を話しているのだろうか?

 二人は特にいがみ合ったりはしていないようなので一安心だけど、買い取り窓口に来てからの表情が暗いのが気になるな。


「待たせたな。解体の準備が出来た。すぐに倉庫へ向かうから俺の後についてきてくれ」

「あっ! はい、分かりました。じゃあ行こうか」


 丁度、話の途切れたところで、ジンさんが呼びに来たので、俺を先頭に後ろについて倉庫に向かうことにする。

 暫く通路を通ると、通路の先に緑が少し見えたが、どうも裏庭へと続いているようだ。

 そのまま通路の出口まで歩いて行く俺たちは裏庭に出るが、裏庭が終点ではないようで、すこし見とれていると、どんどん先にジンさんが進んでいたので慌てて追いかける。

 裏庭の先にはまた入り口があり、こちらは先ほどと違い、開いてはいるが頑丈そうな扉が付いていた。

 ジンさんは、その入り口に入ると一度立ち止まり俺たちの方へと振り向き、ちゃんと付いて来ていることを確認したのか軽く頷く。

 俺たちは、揃って入り口から中に入りつつその中を見回すが、入り口付近から見える範囲では、倉庫といいつつ、そこまで広いようには見えない。

 せいぜい組合のロビーが二つ分、と言ったところだろうか?

 入り口から中に入ると、全身を白い衣装で包まれている職員らしき人達が三列ぐらいできれいに整列した状態で待ち構えていた。

 顔の目の部分以外、全身のほとんどを覆っているために性別はわからないが、大柄な人たちに混じって何人か小柄な人も居るので女性も混じっているのかもしれない。

 きれいに整列し俺たちを待ち構えていた人達のすぐ横には、人の身長ぐらいありそうな大型の刃物や、鎌のようなナイフ、小型のナイフや、ロープ、そして桶などなど、解体に必要と思われる道具が種類ごとにまとめられて置かれていた。


「準備は出来てるな?」

「「はい、もちろんです!」」


 俺達を案内したジンさんが、声をかけると全員が揃って気合一杯で返事をするので、俺達四人の後ろからそろそろと顔を出した、ソフィーやリーンがびくっ、として周囲を見回し、白い服装の人たちを見てぎょっとしていた。

 二人の表情が面白いように一致しているのを見た俺達四人は、お互いに顔見合わせながらも二人に悪いので笑い出すのを必死にこらえていた。


「こっちは準備万端だ。とりあえず、あそこの線の中が埋まるぐらい出してくれ。半分ぐらいになったらまた埋めるぐらい出してくれればいい。ああ、さすがに重ねないでくれよ」

「えっと、あの線の中だと、結構量が多そうですが大丈夫ですか?」


 あそこ、と示された区画は、そこそこ広そうな感じで、今居る人数では暫くは終わらないのではないかと考えてしまう。

 ただ、ジンさんは俺の疑問には特に返答をせず、ニヤッと笑うだけだった。

 しょうがないので、俺は指示された区画の奥のほうから『倉庫』に入っている魔物の死体をどんどんと取り出し埋めていく。


「よし、かかれ!」

「「では、始めます!」」


 俺が区画の八割ぐらい出したところで、職員達が道具を選び取り一斉に魔物へ向かい駆け出していく。

 そして、そこからが大変だった。


「あれ? もうこんなに減ってる?」

「ほらほら、ぼーっとしてると取り出した魔物がなくなってしまうぞ」

「えっ? ……まじかよ」


 ニヤニヤとしてやったり、といった感じのいい笑顔でジンさんは、次の魔物を出すように俺を急かしてくる。

 そう言われた俺は区画の中を見るが、予想以上に魔物の量が減り、残り僅かとなりそうなのを見て、慌てて追加の魔物を『倉庫』から取り出していく。

 解体はこんなにも早く終わるものだったんだな、と誤解するぐらいの早さで一匹の魔物が、皮から、肉、内臓、そして骨と魔石へとあっという間に変わっていく。

 油断していると無くなってしまうので、俺は慌てて『倉庫』からどんどんと魔物を取り出していくが、取り出した側から消えていく。

 まあ、消えていくと言うのはすこし大げさではあるけど、そう見えてしまうぐらいの速さで解体されていく。

 普通に考えたら取り出すほうが早いはずだけど、俺は魔法でも見ているのだろうか?

 あ、ここ()魔法がある世界だったな。

 一方でフィーネたちは、どうやら俺や解体している職員を見ながら何やら話している。


「あ、ソータ! もうすぐ、無くなりそうだから、交代な」

「え? 何が無くなりそうなんですか?」

「ん? だから、俺が持ってた魔物。それがもうすぐ無くなそうってこと」

「へ? その、結構な量有りましたよね?」

「そうだけど。って、それはいいから交代」

「は、はい。分かりました」


 最後の魔物を取り出し、ソータへとバトンタッチする。

 ソータはソータで、慌ててこちらに駆け寄って、ひゃーとか変な声を出しながらも、俺と同じようにどんどんと魔物を取り出していく。

 俺はそれを見つつ、フィーネ達のところへと歩いていく。


「おつかれさまでした」

「ああ」


 魔物を『倉庫』から取り出している時は、かなり必死だったのでそれほどでもなかったけど、今ソータが必死に魔物を取り出しているのを見ているとよく分かるが、解体の速度がちょっとどころではなく、かなり異常だ。

 少しでも気を抜くと、職員達が解体する速度の方が俺やソータが魔物を取り出す速度よりも上回ってしまいそうになる。

 一体このからくりはどういうことだろうか、と思ってじっくりと職員達が解体している所を見ているが、手がほとんど見えないぐらいの速さで動いていることや、一部の隙も無いと言えるほど連携が取れているようだ。

 それ以外は、少なくとも俺には分からない。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

感想、評価、ブックマークを頂けると励みになります。

誤字や脱字の指摘もあればお願いします。


次の投稿も一週間以内の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ