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4月「夢はやがて現実へ 上」

ここは、どこなのだろう......

春耶(はるや)は、不思議な感覚に襲われていた。

辺りを見回すも、自分の記憶には一切覚えがなく、そこには辺り一面大樹が生え並ぶ風景が視界全体に広がっている。

大樹は、摩天楼の如き高さがあり、よく枝先までしっかりと確認はできないが、花は咲いておらず、寒さの厳しい冬を懸命に生き抜いたような雰囲気がある。

こんなに高く(そび)え立つ樹は見た事がない。

でも、何故だろう......

あの樹と、同じ香りがする......


その時だった。


辺り一面が更に明かりを増した。

目をあけるのがやっとの程まで、視界が白く染まり、あの樹は薄々見える程にまで(かす)れている。

俺は、あの樹を見てはダメなのだろうか?

どことなく、俺が好きなあの樹の香りがするも、天から降り注ぐ光が春耶の視界を徐々に塞いでいく。

そして遂に、目をあけられなくなるまで光は強さを増した。目を強く閉じても、網膜まで光が行き届いている。目を閉じても眩しいという感情を抱いたことはこれが初めてだ。

しかし、その光は数十秒で収まった。

「おさまったか......?」

視界に光が届かなくなってきたので、春耶は目をあけてみる。

光は完全に収まっていた。空を見るも強烈な光を放つものは太陽以外見当たらない。

さっきの光はなんだったんだろう......

そう思った瞬間、春耶の背に強い風が伝う。

すると、春耶の目の前に小さな発光体が浮かんでいた。

「これはなんだ......?」

春耶がそばに立ち寄り、手で触れようとする。すると、発光体は嫌がるように春耶から離れ、空高く浮かび上がった。

そして、再び強烈な光が射した......

「くっ」

春耶はすぐ目を閉じるも、今度は数秒で光は収まった。

目を開けると、目の前から発光体は姿を消していた。

しかし、発光体が消えるのと引き換えに、生え聳えていた大樹には、綺麗な桜が咲き誇っていた。

「さっきのは、春告精(はるつげせい)か......?」

状況を飲み込めない春耶だったが、大きな桜樹を見て春耶の予感は的中していたことに気付く。

「やっぱり、お前だったんだな。1年ぶりだな。なつかしいよ」

とある一つの桜樹に春耶が声を掛けた時、視界は闇に染まった......
















「ん、夢か?」

目が覚めた。視界には見慣れた家の天井が映っている。あれは夢だったのか。

あの桜樹にもっと話かけたかったなと思うも、夢なら仕方がない。

しかし、あの発光体と強烈な光に何の関係があるのだろうか?

そして、2回目に光った直後、何故桜が咲き誇ったかは、今の春耶は知る由もなかった。



四月某日。今日は高校の始業式の日だ。

着慣れた制服を身に纏い、前日の夜に既に準備しておいた学校指定のカバンを手に春耶は家を出る。

外は、綺麗な桜が咲いていた。

春休み中は勉強に専念して特に外出などしていなかったため、実質外出するのは2週間振りだ。

「今年の桜も綺麗だな。今日はやっとあの桜に会える」

自分に生きる意味を与えてくれたあの人にやっと会える......

教室で会ったら心からありがとうと言いたい。

春耶は、1年前に再開を約束した人に会うのを待ち遠しにしていた。

1年前にこの地を離れたあの人。

春休みの初日に久しぶりに連絡の便りが届いた。

『次の春に、また帰ってくるからね。今度は学校でまた会おうね』

1年振りに再会できることが、春耶にとっては心の底から喜べることだった。

『わかった。心から楽しみにしてる』

そんな春耶の本当の心情とは裏腹に、メールの返信は至って冷静な感じを醸し出している、いつも通りの春耶のまま返信した。

メールの文章には描かれていない春耶の本当のおもいは、再会してから言うことにしよう。


そんなことを考えながら歩いている内に校門前へと着いた。

私立青明学園(しりつせいめいがくえん)

春耶が住んでいる地区は、閑静な住宅が広がっているのだが、青明学園の外観は正にホテルのような素晴らしいつくりになっている。

(すなわ)ち、青明学園は地区の中でもとても目立つ建物である。

今日は始業式なのか、校門前には珍しく校長が立ち生徒達に挨拶をしている。

「おはようございます」

いつも通りの普通な挨拶をして、春耶は昇降口へと向かう。


昇降口には、大勢の生徒が集まっていた。

青明学園の全校生徒は1000人程で、毎年クラス替えが行われる。

青明学園の生徒にとって、クラス替えは一大行事のようなものだ。

今年で高校3年生になった春耶にとって3度目のクラス替えで、賑やか過ぎる雰囲気には慣れている。

「3の4か。さて、あの人は......」

自分のクラスを確認するのを終え、春耶は再会を約束した人のクラスを探す。

ここに戻ってくると言っているから、クラス替えの紙にも当然名は載っているだろう。

「3の4......」

春耶にとって、今日は人生で一番幸せな日になるかもしれない......

「人生18回目の春」を書いてます、泡雪です^ ^

この物語は、何か自分のエピソードを基に作成したものではなく、完全に自分の頭の中で構成された物語で、あまり厳密にプロットは立てていなくて、時折話が矛盾するところがあるかと思いますf^_^;)

もし何か不明な点があれば、教えてくれると幸いです。

できれば、文章を直して意味をお伝えできたらいいなと思っております( b^ェ^)b


中々つまらない仕上がりとなってしまいましたが、是非完結まで読んでくださると嬉しいです!!!!


主人公の春耶は、もちろん作品の題名から命名しました。

次作で、春耶にとって大切な人が登場しますが、沈着冷静な春耶とどうマッチさせていこうか若干迷っております笑

明るく活発系な人にしようかなぁとは思っていますが、明るい人にも色々種類がいるもので、ノリが命な完全難波系な少女か、オテンバな少女にしようか...

とても悩んでいます(ーー;)


習作を重ねて自作を投稿しようと思います。

ですので、自作の投稿は少し日が経つと思われます。

なるべく、序章は短めで、中か下で5000~15000文字をメドに作品を書いていこうと思います。


前置きがメチャクチャ長くなりましたが、ここまで目を通して頂いた読者の皆様に感謝です!!

これからもこの作品を読んで頂けると嬉しいです。でわでわ。

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