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継承
雪乃は篁の亡骸を抱き上げると、彼を静かに外に運んだ。
時は夕暮れ。山吹色の光が2人を包み込む。
雪乃は涙に暮れながら、雪乃は篁の亡骸を抱き上げると、彼を静かに外に運んだ。
時は夕暮れ。山吹色の光が2人を包み込む。
雪乃は涙に暮れながら、篁の頬に触れた。
まだ彼の頬はほんのりと温かい・・・。
篁。あなたの意思はこの子が受け継いでくれます。
またその子も、その孫も・・・。
きっとあなたの勇気と意思は、子々孫々語り継がれていくでしょう。
いつか黒い海が降りて来ても、皇の血は必ずあなたの願いを繋いでいくはずです。
ならば私も伝えましょう。
その時代に生まれる運命の子の名前に、必ずあなたの好きだった『酒』の字を入れるようにと。
篁はそれを目印に見ていてください。
あなたは空からその子をすぐに見つけ、笑顔で見守ってくれるはずです・・・。
☆
そして、時は流れる。