3/33
耳が聞こえない薬剤師
本屋の帰り、森の方から来た旅人に宿屋の場所を聞かれた
私は生まれてから耳が聞こえないので、最初は何を言っているのか分からなかった
小柄なフードの男が手を動かすと、何かが頭の中に流れ込み宿屋の場所を聞いた
指で方向を伝えると、旅人は頭を下げてから宿屋にに向かって行った
あれが音だったんだろうか?それとも言葉だったんだろうか?
確かめたい!普段は通る事の無い裏道を走り抜け、宿屋に向かった
息を切らしながら走っていると、不意に何かにぶつかり本を落として転んでしまった
本を拾おうと顔を上げると、柄の悪そうな人達が私を囲んでいた
私を指差しながら怒った顔をしたり、剣を片手に笑っている
どうやら私は彼らにぶつかってしまったらしい
最悪のイメージが頭をよぎり、身体が震えて逃げる事が出来ない
こんな時、物語なら王子様が助けてくれるんだろうな・・・・・・
振り上げられた剣を見ながら、私は意識を手放した
アドバイス等は大歓迎です。
よろしくお願いします。