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片足の無いアーチャー
いつも弟のように可愛がっていたリョウが、村から出て行くことになった
仕事もせず、一日中私と過ごすか部屋に篭もっている人間は必要無いらしい
見張り台から獣を狙撃する私の補助をしていると説得したが、受け入れてもらえなかった
魔法を使えるとはいえ、リョウ一人では隣の町に行く事すら出来ないだろう
本人も自覚しているらしく、今も私の膝の上で泣いている
私は片足を失い義足になってしまったが、リョウのおかげで今日まで生きる事が出来た
だから昔から決めていた、一生守ると、一生付いていくと
明日からどんな旅になるか分からない、せめて今日だけは一杯甘やかしてやろう
顔を隠すように覆っているフードを退かして、一晩中リョウの頭を撫で続けた
もし良ければアドバイスをお願いします。