迷子
大変な事になっちまった……
見知らぬ場所
消えた友人
変わった露店に輝く施設
――面倒だ。
俺はそう思った
なぜならここには沢山人がいるからだ。
そう考えると面倒だと思わざるを得ない。
早い話、俺は迷子だ。
始まりは友人の一言からだ
「最近出来たテーマパークあるだろ。よし、あそこに行こう!」
「えっ?」
休日に友人と偶然会い、今から何しようかと決めるときにそういい放ち、そいつは他の友達を集めてそのテーマパークに行くことになった。俺は言われるままに着いていったが、テーマパーク自体久しぶりに行くので期待してたのだろう。
実際テーマパークに着くと俺は思いっきり楽しんだ。それはもう周りを置いてけぼりにしてしまうくらいに。
そして俺は友達とはぐれてしまい迷子になってしまった訳だ。
「ハァ……」
ポップコーンを片手に俺はため息を着いた。
仕方ない
慣れない場所での人捜しは骨が折れるからだ。かといってここでじっとしているのも性に合わないので俺は探索する事した。
ジェットコースターや水上アトラクション、パフォーマンス会場。
様々な所を回ったが結局見つからなかった。
電話をしようと考えたが番号をもらってないことに気づき諦めた。
日も傾き始め、一人で帰ろうかなぁと思った時
ピンポーンパンポーン
というありきたり音ともに
「――様。ご気づきであれば入り口近くの迷子センターまでに来てください。もう一度繰り返します……」
その放送聞いた途端、俺は驚いた。
――まさか俺が迷子センターを利用するなんて
指定の迷子センターまで行くと
「いやぁ、探してたぞー!」大声と言う友人と
周りでニヤニヤしている友達がいた。
とりあえず俺は
「ウルセェ、大声出すなよ」
と言うが、
「大丈夫だ。迷子になられるよりマシさ。」
と言われると何も言い返せない。
「全員集まったけどどうする?」
友達がそう聞くので
「もちろん遊び倒すぞ」
そう返して置いた。
「そうだな。まだ遊び足りないからな!」
周りの友達も賛同してくれたので俺達はテーマパークを楽しむことにした。
「ところで迷子にならないように手を繋いで行くか?」
「誰が好き好んで男と手を繋いで歩くかっ!!」