自由奔放
俺の名前は権三郎。男の中の男だ。
今俺は駅のホームの中を歩いていた。
あんまり電車というのは好きではないのだが、今日は何となく駅に来てみたい気持ちだった。
特に深い意味はない。
雑踏……というにはすこし少ないが、人が進んでいる中を俺も進んでいる。進行方向は一緒だ。
周りの人達が堂々と歩く中、俺は端っこの方をコソコソと歩いていた。
べ、別に人が怖いわけじゃねーし!ちょっと端っこを歩きたいそんな気分だっただけだし!
人々に釣られるように俺もホームの階段を登っていく。
あっ、パンツ見えた。
女子高生ってどうしてあんなにスカート短いのかねぇ……。もはや見せているとしか俺には思えん。
っと、その女子高生は後ろを振り返った。
咄嗟に俺は視線をそらすが……、間に合ったか?
女子高生はそのまま視線を元に戻すと、友人と笑顔でホームへの階段を登っていってしまった。
なんだ、後ろから来た友人を見るために振り返っただけか……。
俺はなんだかおかしくなってホームに入った。
足が遅いせいか、ホームに入った時には既に電車が出てしまった後だった。
うわぁー足には自信があったんだけど、間に合わなかったか……。
昔はもっと速く走れたと思うのだが……。俺の思い違いだろうか?
ホームの一角に目を向けると、なにやらパンチパーマの男が電話をかけていた。いかにもやーさんっぽい男だな……。
その男は焦ったように電話口に大声を喚き散らしていた。正直煩い。
何かしらの注意をしたほうがいいのだろうか……?
イライラが募っていたその男は、ジット見つめている俺に気がついたのか、
「何見とるんじゃごるぁぁぁぁくぁsでrftgyふじこlp!!!」
と訳の分からない事を大声で叫び出した。
ひゃ~! くわばらくわばら!
俺は逃げ出すようにその場をすぐに離れた。
さて、家に帰るとするか。
あの赤いレンガの家が俺の住んでいる家だ。
玄関前に来て……あ、そういえば俺この家の鍵持ってないんだっけか……。
あー……まぁ、庭で待っていれば誰か気づくだろう。
そう思って庭にやってくると、娘がこちらに気がついてくれた。
ガラガラと窓を開くと、俺を抱きしめて、
「おかえりっ! 権三郎! 今日は楽しかった?」
と、可愛らしい声で言ってくれる。
「にゃー!」
俺は精一杯の声でその言葉に返事を返すのだった。
短編小説は長編小説の練習になるかもしれない……なんて思う今日このごろです。




