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勝手に明るい〇〇〇〇

「で、相手は誰なのよ」

 ごたごたと言い訳なんかは聞きたくない。そう思って私は単刀直入にそう聞いた。そしたら大和くん、今度は猛然と怒り出しちゃった。

「俺、浮気なんかしてねぇよ! 第一今の状態でできるかどうか考えてもみろよ!!」

さすがに一緒に通勤はしてないけど、同じ職場だから、大和くんの仕事が今とっても忙しいことはよーく解かってるし、帰ってきても前と比べて手抜きされてるって感じはない。むしろ今の方が……そう思ったら顔が熱くなるのを感じた。あはは、浮気は私の気のせいみたいね。

「じゃぁ何よ、私がイヤになった?」

じゃぁ義務でご奉仕してたの? だったら私、もっとイヤよ。続いて私がそう言うと、大和くんは俯いたままぶんぶんと首を横に振った。よく見たらうっすら涙目だった。


「あのさ…ずっとけじめつけたいと思ってたんだよ」

少し間を置いて、大和くんはぼそっとそう言った。

「でもさ、俺樹里より年下だし居候だし……いきなり結婚してくれって言えなくてさぁ、きっかけが欲しかったし、俺だけの樹里にしたかったし……」

でも、大和くんの説明は全然要領を得ない。いつもの仕事のときみたいに「畳み掛ける攻撃!」はどうしたの、営業課の八木大和くん?

「で、実はこの1年くらいなんだけど、俺狙ってた」

続いて狙ってたってなんて言われて、私は思わず唾を飲み込んじゃった。で……君は何を狙ってた訳??

「気付いてた? 俺が最近そのままだって事」

えっ? そのままって……もしかしてアレの時の事? あ……そう言えば最初の時は気になってたかな。でも、何も起こらなかったし、どっか慣れっこになっちゃってそんなもんだと思ってた。正直に口にしちゃったら、呑気な奴! とか言われて呆れられそうなんで黙ってたけど。

「樹里に子供が出来たら、籍入れようと思ってさ」

うっそぉ、マジでそんな事考えてた訳!!

「勝手に明るい家族計画って!? そりゃないわよ。私の意志はなしってこと!」

「ホント、ゴメン。そうだよな、俺独りで盛り上がっちゃってたんだよな。でも、その家族計画も無残に破綻したから」

しばらくフリーズしたけど、やっと気を取り直して冗談ごかしてそう言った私に、大和くんは真顔でそう謝った。


 もう……(ため息)今日の大和くんって、ホント何言いたいのか全然っ解かんない!!

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