彼女と彼氏の結婚と男
「男と彼女のコイバナとおまけの彼氏」の続き。
「二人とも結婚するんでしょ?おめでとう!」
大学を卒業し、働き始めて3年ほどたち仕事もなれ貯金もでき、そろそろ結婚かな~とどこかお互い思っていたと思う。
そんな話もでてたし。
なので彼氏のほうからレストラン予約したからと言われ期待し、今プロポーズされた余韻にひたっていたところではあった。
が、今はそんなことはどうでもいい。
「私達の口から伝えたかったのに、先に言われるとなんかがっかりするんだけど。」
「確かに。」
「ごめんごめん。うれしかったし、結婚祝いも渡したかったから先に言っちゃったよ。」
嬉しそうな顔をして伝える男。
場所は、プロポーズした直後のレストラン。
もちろん周りに人はいない。
多分、予約した瞬間にこのレストランは私達の貸し切りになったのだろう。
驚きはないが、こういう場所で人がいないと逆に緊張する。
「結婚式来てくれる?」
彼氏とは長い付き合いになる
男が色々な立場になりながらも細々と付き合いを続けていたし、男も結婚して落ち着いてきたと思うので来てほしいとおもったのだ。
「その日は、ぜひ行かせてもらうよ!結婚式の日取りきまったら勝手に行くから、招待状とか気にしなくて大丈夫!ご祝儀もばっちり包むから。」
「多分、会費にするからご祝儀にしなくて大丈夫。」
結婚式の日取りがなぜわかるのか、結婚式の場所がなぜわかるのかは気にしてなかった。
慣れてしまったのだ。
ただ、友達を失くしたくないのでお金に関してはしっかりしなくてはいけない。
こんなこともあろうと、彼氏とは以前から結婚式あげるなら会費にし、どこかのレストランを貸し切りにする気軽な感じにしたいねと話し合っていた。
多くの招待客を呼ぶ予定もなく、大学や高校時代の仲のいい友達を呼ぼうと思っている。
会費にしないと、この男がどんだけのご祝儀を包んでくるのかわからない。
「あとプレゼントはいらない。俺たちはお前の結婚の時なにもやらなかったし。」
「結婚祝いあげたかったのに、全然会えなかったんだよね。いつ会えるかわからなかいから買うのもどうかと思ったし。」
こうなれば、買っておけばよかった。
「いやー、ごめん。ゆっくりはできると思ったけど、急にバタバタしちゃったんだよね。」
「へー、やっぱり亡命や結婚でいそがしかったんだ」
なんだよ、亡命と結婚でいそがしいって。
自分で自分に突っ込んだ。
「亡命と結婚は落ち着いたんだよね。そのあと急に次期当主になることになったんだ。」
「そうか。それは忙しいね。」
次期当主ってなんだ。
すごく忙しそう。
頭に、バカっぽい感想が浮かんだ。
「結婚して落ち着いたとおもったら、義父がなくなって。義兄が継ぐはずだったんだけど、駆け落ちしたんだよ。義弟もいたんだが、気が弱いタイプで『もし、自分が継ぐことになるならここから飛ぶ』って、ヘリに乗っているときに言われたんだよね。説得してもダメ、なだめてもだめ、脅してようやく当主をやってくれることになっただよ。」
ヘリに乗っている時に、飛ぶってなんだ。
それは、ただのスカイダイビングになりそうな気がするが、恐らくバラシュートなしの片道切符なんだろうな。
ただ、義弟に同情した。
片道切符の覚悟ができている人に脅して当主をやらせるって、どんな脅しをしたんだ。
「その後、しばらくサポートしてたけど、ストレスで義弟が爆発。『羊を一日中数える職につく!』って飛び出しちゃった。」
そんな、職あるか。
「なので俺の嫁さんが継いだほうがいいってことになったんだけど、嫁さんも『影で暗躍しているほうが好き』ということで俺に当主を押し付けられた。」
影で暗躍したい妹と姉がいる兄弟って大変だろうな。
彼氏も同じ意見のようで、
「義兄と義弟大変そうだな。」
と直接声にだしてしまっていた。
「うーん、確かにそうかも。」
これは、周りの人が大変だっただろうな。
会ったことない人たちに同情はした。
「そんな感じで当主業をしていたんだけど、君たちが結婚しそうと聞いて嫁さんに事情いったら『引き止めたらここら辺爆発して帰ってこなそうだし、今のうちに行ってきなさい。私の時は兄と弟のせいで推しの結婚式みれなかったから・・・。』と理解を得られたから、帰国できたんだよね。」
お嫁さん、そのこと根にもって兄と弟になにかしたんじゃ・・・。
「結婚するって聞いてから結婚祝い何にしようか考えてたんだけどさ、これにしてみた!」
ガラガラ。
何かが運ばれてきた。
「・・・ナニコレ?」
「えっ、見ればわかるでしょ!」
ウエディングドレス。
しかも、私の趣味に合致しているデザインをしている。
「・・・なんだこれ?」
「いいでしょ!」
タクシード。
趣味がよく、ウェディングドレスのデザインとあうように作られている。
「・・・えっと、買ったの?」
「手作り!」
・・・手作り?
「いやさー、推しであり大事な友人である二人が結婚するときのためにさ自分で作ってみたんだよね!さすがの俺も服飾の知識がなかったから教えてもらいながらつくったよ。プロの人も太鼓判の出来だよ!」
確かに質もデザインもとっても良い。
「・・・ありがとう。」
友人の心づもりはうれしかったため、お礼を述べた。
ウエディングドレスやタスクシード作るまでいくと、きもいが。
「どういたしまして!これを着る二人楽しみだな~。撮影を専門店でする場合は、俺も撮影に参加するね!保管も大変だと思うからおれが預かっておくよ。」
きもいな。
重ねて、そう思った。
彼氏は以前みたことがある悟りを開いた顔をしていた。
「・・・お前、その写真をご神体にするなよ。」
「えっ、だめ?」
「さすがにキモイ。」
「俺だけにするから!」
理解してるかもしれないけど、理解したくない会話を横で聞きながら、今後の結婚や結婚生活ワクワクしていた。




