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【実話】中三の春、寺に侵入した話  作者: 宗徳


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3/4

春の終わりに【藤井編】

あの事件から数年。

三人は別々の進路に行き、

それぞれの道を歩んでいました。


その後私は会社員となり、

27歳になったある日、

中学校の同窓会に呼ばれます。


そこには懐かしい面々が揃っており、

あの藤井も参加していました。

そこで私は藤井から中三の春休みの話を聞き、

忘れてはならない大事な出来事を

全て思い出しました。


あの夜の話にはまだ続きがあったのです。


私たちが寺から必死に逃げ出した次の日、

藤井の体に異変が起きます。


朝から体が怠く、熱を測るとなんと40度の高熱。


すぐさま病院に連れて行かれたそうですが、

インフルでもなく、色々と調べるのですが

全くの原因不明。


地元の病院ではダメだということで

少し離れた大学病院にも連れて

行かれたそうなのですが、

そこでも原因を特定できず、

八方塞がりになってしまいます。


病院側から処方された解熱剤を服用しても

一向に熱は下がらず、日が経つに連れて

熱だけではなく足や手の指が段々と

赤みを帯びて腫れあがってきたそうです。


そこで藤井はしかたなく両親に

あの夜の出来事を話したそうです。


しかしこの時の藤井は男前で、

寺事件の直後に田岡と話し合い

「寺に入ったのは俺たち二人だけだ」

「だから宗徳がいたことは内緒にしよう」と

約束していたらしいのです。


その為、両親に話すときも

私がいたことを黙ってくれていたそうです。


話を聞いた両親は翌朝、

藁にも縋る思いで近くの神社へと

藤井を連れて行き、

そこでお祓いを受けさせようとします。


しかし、神社へ向かう道中、

その神社に近づけば近づくほど

息が苦しくなります。


更に体の腫れもどんどん大きく、

酷くなっていき、

「流石に死を覚悟した」と言っていました。


何とか意識を飛ばさないように

堪えていると、やっと神社にたどり着きます。


急いで両親が藤井を車から出すと

神主さんが慌てた様子で表から出てきます。


すると藤井を見るなり、

「今からすぐ対処しますので、

客室で待たれていてください」と

言って両親を中へ案内していったとのこと。


あとから神主に聞いた話によると、

藤井達家族がこの神社に近づいていることが、

鋭い悪寒と共に伝わってきたとのことでした。


そして藤井と神主は別の場所に行き、

「少し記憶が曖昧だけど

本殿の方へ案内されたはず」と言っていました。


そこで部屋の中央で藤井は寝かされ、

神主がご神体の方を向き何か祝詞の様な

ものを唱えていたそうです。


所謂、お祓いの儀式が始まると一気に

全身が沸騰したように熱くなります。


あまりの苦しさに藤井が思わず叫ぶと、

神主さんが「苦しいのは効いている証拠、

もう少しの辛抱です」と言ってきます。


それからは全身火で焼かれたように

熱くなったり、真冬の海に入れられた様に

寒くなったり、頭を万力で擦り潰される様な

痛みが襲ってきたと言います。


何度も襲い掛かってくる拷問の様な

苦しさに藤井は耐え切れず、

そのまま気を失ってしまいます。


それからしばらくして、

どのくらいの時間が経ったのか、

藤井が目を覚ますとそこには神主と

両親がいました。


先程いた本殿から場所を移し

別の場所で寝かされていたそうです。


起きてみると体が随分と軽くなり、

全身に広がっていた腫れも

無くなっている事に気づいたそうです。


その様子を見た神主さんが

安心したようにホッと溜息をつくと、

今回の事について説明をしてくれたそうです。


神主さんが言うには神社で行う

「お祓い」とは本来、

霊を払うものではなく、

その人自身が持っている

穢れや罪を浄化し、元の神聖な状態にする

というものだったようです。


今回藤井君自身には霊は取りついておらず、

あの箱の中にいた霊が放った「気」

による霊障だったとのことでした。


なので今回はお祓いによって

その霊障を剥がし、気を浄化すことで

対処したそうです。


しかし憑りつかれてもいないのに

霊障だけでこれほどの

影響を及ぼすものは珍しとのこと。


「もし霊本体が憑りついていたら

どうすることもできなかった」

と言われたそうです。


そこまで説明を聞いたとき、

藤井はとても嫌な予感がしたそうです。


その後、両親が神主さんにお礼を言い、

その日は帰ることにします。


神社を出るともうすっかり夜になっていました。


家に着いてすぐ、

藤井は田岡の家に電話を掛けます。


この時、田岡はまだ自分用の

携帯を持っていませんでした。


すると田岡の母親が電話に出てくれて、

「ちょうど良かった」

「明日話したいことがあるから来てほしい」

と言われたそうです。

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