プロローグ
今からお話しするのは私が中学3年生だったころの春休みの実体験です。
場面は福岡にある田舎の学校にて、
卒業式を終えたところから始まります。
会場となった体育館を出た後、
遂先ほどまで卒業式が行われていた
その入り口を見て、
「もう終わるんだな」と実感します。
そこから教室に戻り、
最後のHRが始まります。
担任の先生が一人一人生徒の
名前を読み上げ、教壇の前に呼び、
一旦預かっていた
卒業証書を手渡していきます。
そこで、その生徒に対する思いを
一言添えて一緒に贈ります。
さて最後のホームルームも終わり、
いよいよ教室から出ます。
しんみりしたのは嫌いだったので
直ぐに教室を出て下駄箱に向かいます。
靴に履き替え、履いていた上靴を
うっかりもう戻す必要のない
下駄箱に戻しそうになった時、
ふとニヤけてしまったのですが
その直後、
胸から熱い想いがこみ上げてきます。
クセになっているほど当たり前だった
この動作も明日からは
もうなくなるのかと
悟ると、今までの3年間が蘇ります。
しかし、それを堪えて
玄関を後にします。
一緒に出てくれた友人たちと
校舎を振り返ります。
各々が何かを胸にしながら、
咲き始めた桜の木をよそに
帰路へとつきました。
さて家に着くと高校入学までの
春休みが訪れます。
毎年楽しみに待っていた
長期休みの一つ、春休み。
中学1年から2年にかけて
その全てが楽しみでした。
しかし、中学3年になってから
迎える春休みは今までとは
全く違って感じました。
楽しさだけではなく、
寂しさや高校進学への
期待と不安が合わさった
何とも複雑なものでした。
そうして迎えた春休みは
そんなノスタルジアを一変させ、
生涯忘れることのない驚きの
展開を迎えることになります。




