1-5:転校生
次の日 金山高校 1-B 教室にて
「花木:はっ...はっくしゅん!!」
鼻をすする
「花木、汚い!!くしゃみするなら手くらい当ててよね!」
「すまん、カニかま...。」
「そのあだ名で呼ばないで...って今日は随分と大人しいじゃん。何かあったの?」
「別に、良い写真が撮れただけ。」
「アンタ確か、カメラ好きだったよね。純太が前に言ってた気がする。」
「カニかまに言ってたのかよ、あのイケメン野郎。」
「純太なんでも教えてくれるし、それにいつからアンタのこと見てたと思ってるの!!なんでも分かるんだから!」
「余計なことしやがって...。」
「純太のことを悪く言うな!!」
勢いよく迫ってきた、カニかまを避けながら教室の中での追いかけっこが始まった。
「待て〜!!花木〜!」
「追いかけてくるなよ!カニかま!」
「その名前を呼ぶな〜!!!!」
「はい、ホームルーム始めるぞ〜!みんな席につけ〜、花木、蟹留追いかけっこは学校出てからやってくれよ。」
『「はーい…。」』
ウチの担任は怒らせると怖いからな...ここは素直に聞いておこう、チラッと蟹留を見ると目が合い珍しく意見があったように大人しく席に座る。
「こほん...みんな大人しく席に座ってもらったところ悪いんだが、今日は転校生がこのクラスに来てる、さぁ入ってくれ。」
「はい!失礼します!」
教室のドアを開けて制服を来た茶髪の少女が入ってくる。
「あっ...お前は...。」
あの時砂浜で話した、笑顔の可愛い子だ...ここの転校生だったのか...!!
「皆さん、初めまして!フランスからやってきました
リディアス・L・咲希です!好きなことは写真を見ることで...って、あ〜!!あなたは!? 綺麗な風景を撮れる人!!同じ学校だったのですね!!」
これは夜風なびく海辺にそびえる鳥居をきっかけに出会った天真爛漫で明るい少女、リディアス・L・咲希と俺、花木 黎明が写真を通して、お互いを知っていく、今はまだ実ることはない学園ラブストーリーである。