孵卵器
卵を孵したいという思いが、とうとうこれを買うに至らしめた。
有精卵であっても、人の手だけで卵を孵すということは、かなり難しいと聞く。
だからこそ、こういう孵卵器という装置があって、できるだけできるようにしているということなのだろう。
とはいうものの、買ってみたのはいいのだが、実際に有精卵を買ってみてもなかなかに孵すことはできなかった。
実際、いろんな動画や資料を読みながらも、この孵卵器を使いこなすのは難しいのだろう。
ただ、それでもちゃんと成果が出るときというのは訪れる。
1年近く経った頃。
ようやく自分の手で孵化することに成功した。
ピヨピヨと泣いているひよこは、最初に視た自分のことを親だと思って、一緒についてきてくれるまでに懐いている。
仕事はといえば、流行り病のおかげで家ですることとなったから、ずっと一緒にいることができる。
しっかりと育てていくつもりだ。