特別コラボ回!! 『2人の執事』
今回はmokano様の作品『現実は難しいので、Vtuber始めました!』とのコラボ回になります!
ぜひ見ていってください!!
※場所を移動するため、一度削除してから再投稿させてもらいました。
「お兄ちゃん! 私学校行ってくるね~!」
「行ってらっしゃーい!」
何もない平日。
今日も朝から元気に学校へと向かう来夢を見送る。
「……学生か~」
よくよく考えると、僕も本来なら学校に行ってないとおかしいんだよね……。
高校受験に落ちてからというもの特に意識していなかっただけに、今の僕自身の現状に少し違和感を覚えてしまった。
今の僕だから言えるけど、中学生の時は台風や学級閉鎖、夏休みが来るたびに学校に行かなくてもいいと喜んでいたけど、毎日学校がない生活を送っていると、少し学校が恋しくなってしまう。
……行きたいかどうかは別なんだけどね。
「さて、来夢も見送ったし動画の撮影……は既に一ヶ月分撮りため終えてる。配信の準備! ……も終わらせちゃってる。お昼ごはん……はインスタントラーメン。夜ご飯もハヤシライスがある。時間があるから暇つぶしに勉強……も考えたけど今気分じゃないし」
学校がないだけでここまで暇になるなんて思っていなかった。
今になって、学校が子供に暇な時間を作らないために在ったんだと納得してしまった。
特にゲームをしたいっていう気分でもないし、母さんのドラマは既に何十回も見直して今見ても新たな発見はできない気がする。
高級ソファに座って何しようか考えていると、スマホに通知が鳴る。
「おすすめ動画?」
届いたのはMytubeからのおすすめ動画の通知。
基本通知は無視してるんだけど、今は暇だし少し見てみようかな。
もしかしたら何か学べる動画の通知かもしれないし。
Mytubeを開き通知を確認すると、届いていたのはVtuberの切り抜き動画だった。
それも僕が知らないVtuberさん。
名前は……神宮寺零さん。
アイコンからわかるのは、その切り抜きが少数であるもののチャンネル登録者の多いライバーが所属する少数精鋭の【ミックスライブ】さんのものだということ。
名前に【公認】って書いてるからしっかりしたやつだとは思う。
その動画で分かるのは、神宮寺零さんは【ミックスライブ】三期生のVtuberさんで、左目が隠れた執事服のモデル。
つまり僕と似たモデルだということ。
ただ配信内容は全く違って、僕がゲーム配信をするときあまりうまくない配信になってしまうけど、神宮寺零さんのゲーム配信はプロとあまり変わらない配信になっている。
特にアニカーと言うレースゲームではほとんどのレースで一位を取っている。
要するに外見はほとんど一緒でも中身がかなり違うってことだよね。
うん。声は完璧に覚えたし、今度の配信で声真似してみようかな。
通知が来た切り抜きを見た後、僕は今日一日【ミックスライブ】さんの切り抜き動画を見ることにした。
~~~~~~~~~~
同日 吉村凪side
僕の名前は吉村凪、陰キャのどこにでもいる高校生!
だけどその正体は、【ミックスライブ】に所属する三期生の『神宮寺零』です!
現在僕は学校の屋上で友達二人と一緒に昼食をとっています。
「おい凪、聞いてるか?」
彼は僕の友人で僕とは違い陽キャの青山祐希。
短めの髪に運動神経の良さ、成績もいい方。
そんな陽キャの祐希と仲良くなれたのは、彼が僕と同類のオタクだとわかったから。
因みに祐希も僕と同じ【ミックスライブ】所属のVtuberで三期生『きゅいあ』として活動している。
ゲームの腕はピカ一でレースゲームの『アニカー』では世界ランク一位!
「あ、ごめん。聞いてなかった」
「どうかしたんですか凪くん」
もう一人は藍沢実。
学校一の美人さんで、生徒たちは彼女を天使と呼んでいる。
だけど彼女自身は天使と呼ばれるのを嫌っているため、僕と祐希は『みの』と呼んでいる。
そんな彼女も僕たちと同類でかなりのVtuber好き。
僕と祐希がVtuberで零ときゅいあだということは話していない。
「今この瞬間が夢のように思えて……」
「まだ言ってるのかよ、凪!」
「仕方ないだろ。これでも僕は陰キャなんだから。……それで、何の話?」
「このVtuberさんが零くんに似てるって話です」
『私』に似ている?
少し気になりみののスマホを覗いていると、そこに移ったのは執事服を着て片目が隠れているVtuberさん。
確かに『私』に似ている。
「この人って確か……」
「神無月ヤマトさんです。私たちと同じ年のVtuberで、高校受験に失敗したからVtuberデビューしたそうです」
「デビュー日は……って4月じゃん! 零くんよりもデビュー早いぜ」
「ヤマト君をまとめた動画がありますからそれ見てみますか?」
みのが見せてくれたのはMytubeではよくある、Vtuber個人についてまとめた動画。
【天才】【お馬鹿】【才能の家系】【経緯】と言った興味サムネイル。
「うん。僕もちょっと気になってきたから見ようよ」
僕たちはみののスマホを囲むように体を寄せて動画を見る。
みのの体が少し近いような気がするけど、今は動画に集中しよう。
——————
「……これって全部本当なんだよな?」
「コメントを見る限り、真実だと思います」
「なんというか、普通にすごすぎたね」
僕たちにこれ以上の感想は出せなかった。
だって天才の塊すぎるもん!
声を聴いただけでその人の声真似ができるって何?
大女優の母と声優の父と兄にイラストレーターの義姉って恵まれすぎてない?
親とは同じ人生(道)には進まずに自分の人生(道)を進むって言うのもかっこよすぎるし!
「お義姉さんがモデルを作ってくれたってことは、モデル代って無料なのかな?」
「……羨ましすぎねぇ?」
「あのガーデンランドさんにもスカウトされてそれを断るなんて、私がVtuberだったら絶対にできませんよ」
「僕も、できる自信ない」
「俺だったら一言返事で喜んじゃうな」
現在のチャンネル登録者数は83万人。
デビュー3ヶ月の個人勢でこれはかなり多い方だと思う。
「あ、すみません。私これから日直の仕事があるので失礼しますが、お二人はどうしますか?」
「あー、俺と凪はもう少し残っとくわ」
「そうですか。ではお先に失礼します」
「お互い補講と言う名の地獄を頑張ろうな」
「またね」
「はい。失礼します」
荷物を持ったみのを見送り、屋上には僕と祐希の2人だけになった。
「ふぅ。それにしてもヤマトってすごいんだな。正直サムネを見た時は大げさだと思ったけど、サムネで見るよりも普通にすごいじゃん」
「……」
「お、零も興味わいてきたか?」
「え、うん。ちょっとね」
「だったらyou、誘っちゃいなよ!」
「それ、誰の真似? でも、それいいかもね。……マネージャーさんに許可貰った方がいいかな?」
「流石に相手が超有名個人勢で同い年だったら要らないんじゃね。それに受けてもらえる可能性ものすごき低いし」
そうかな。……そうだよね!
急に『コラボしてください!』なんてメッセージ来たら絶対に断ってくれるよね。
そうと決めたらさっそく、彼のSNSにダイレクトメッセージで『コラボしてください』と、送った。
次にマネージャーへ念のために確認しようとしたその時、僕のSNSアカウントに対し一件の返信が来る。
『神無月ヤマト:大丈夫です。よろしくお願いします!』
「マジかよ……」
さうがにこの返信と速さには言い出しっぺの祐希も驚きを隠せていない。
こうして、僕『神宮寺零』と『神無月ヤマト』さんのコラボが決まってしまった。
そのことをマネージャーさんに報告したら厳重注意だけで済みました。
相手が相手だけにパイプをつないでくれたことには感謝するけど、今後じゃ相談してください。とのこと。
一先ず僕はそれだけで住み、言い出しっぺで強行の元となった祐希は僕以上に説教を食らっていた。
~~~~~~~~~~
「……急にメッセージ来て、せっかくだから了承しちゃったけど、大丈夫だよね……」
Mytubeにて【ミックスライブ】さんの切り抜きを見ていた時、僕のもとにメッセージが来て相手は何と件の『神宮寺零』さん。
『コラボしてください!』とシンプルかつ分かりやすい内容で、ついオッケーしてしまった。
別にそのことに後悔とかはないけど、一瞬キャラが被ってるから勝負をして負けた方が執事をやめる、みたいなことを考えてしまった。
だから急いで配信アーカイブを見直してみると、悪い人そうじゃなかったから、今は即答したことに後悔はしていない。
ただ、全く知らない人となると、緊張してきてしまう!
「とりあえず、『打合せはいつしますか?』っと。あとは『コラボ日にちは何時でも大丈夫ですので、そちらで都合がつく日を教えてください』。これでいいかな」
その後は返信が届き、相手の都合に合わせ打合せは翌日の夜、配信日は今週末の日曜日にすることが決定した。
***
「あ、えーっと、初めまして。神無月ヤマトの名前で活動しています、久遠保仁と言います」
「ぼ、僕は神宮寺零の吉村凪です。こ、今回はコラボのお誘いを受けてくださりありがとうございます!」
僕はいま神宮寺零さんこと吉村凪さんとリモートで打合せをしている。
リモートではあるけど、お互いに顔出しは無しとのことで通話みたいになっているけど……。
「えーっと、打合せ始めましょうか。お互いに何かやりたいことの意見などを言い合って、そこから内容を絞っていくって感じでいいですか?」
「あ、はい。吉村さんの考えで構いません」
「分かりました。では先に僕の方の意見から言わせていただきますね」
……一瞬同類かと思ってしまったけど、話を始めて数分で仕切るところまでいけているのを見ると、多分だけどこの人、僕と同じで陰の方が強いかもしれにけど、学校には友達がいるんだと思う。
やっぱり似ているのは見た目だけだった。
話合いは速やかに進んでいき、配信の内容が固まるのに30分もいらなかった。
これは相手が吉村さんだったからだと思う。
もし相手が陽の人、それこそ、零さまと同じ事務所に所属しているきゅいあ様だったら、僕は僕自身を演じてかなり長い打ち合わせになったと思う。
問題があった部分と言えば、お互いがいろいろな部分で譲り合ってしまい結局僕が折れてしまった事くらい。
「それでは最終確認します。配信日は来週の日曜日の9時から1時間。配信内容は雑談で枠は僕と零さまの二枠配信。台本は僕が作って出来次第吉村さんに送りますが、台本で書くところは入りの部分と、エンディングの部分のみで、実際の反応を楽しむために内容は一切なし。これでいいですか?」
「大丈夫です。時間に関しては僕の意見を聞いてもらってすみません」
「問題ないですよ。学校があるんだったら仕方ありません」
曜日と時間に関しては吉村さんの都合で彼の意見を聞いて日曜の9時と言う時間帯になってしまった。
配信時間は事務所に無許可で取ってしまった事もあり、1時間しか取れなかったとのこと。
正直、雑談なら一時間もあれば十分なんだけど……。
「あ、告知に関してなんですけどいつ辺りにしますか?」
「えーっと、僕の配信日が火曜と土曜日なので、火曜日のうちに僕の方は告知をしたいと思ってるんですけど、零さまはどうなさいますか? 零さまがもう少し早めがいいなら今週の土曜日に告知しますけど」
「すみません。実は告知の方が事務所のルールでなるべく早めにしないといけないんですけど、今回はコラボ配信までの期間が短いだけに一週間前にするように言われてしまって……」
「わ、っかりました。では告知は今週の土曜日にさせていただきますね」
「すみません」
「大丈夫ですよ。それじゃあ本番よろしくお願いします」
「よろしくお願いします!」
***
お互いにアプリを閉じて打合せを終了した。
「ふぅ、少し緊張したけど何とか打合せを終えることができてよかった~」
もう少し長くなると思っていただけに、打合せが終わってしまったら一気に暇になってしまった。
「流石にお互い遊びに誘う仲じゃないから、何も言わなくてもよかったよね……」
僕の方から言うべきだったんじゃないかと、心配になってしまったけど、雑談の内容を考えないといけないと考えていると、一気に考える暇がなくなった。
——————
吉村凪side
「ふぅっ! 終わったー!」
「お疲れ~。お茶あるけど飲むか?」
「……なんで一応客の祐希がお茶持ってるのか気になるけど、今はお茶を飲むよ」
僕はさっきまで神無月ヤマトさんこと久遠保仁さんと自分の室内で打合せをしていた。
パソコンの音は部屋全体に聞こえるようにして会話はマイクを使い。
そうした理由は今同じ部屋にいる祐希にも打合せを聞いてもらうため。
この事は久遠さんには話してないけど、多分問題ないと思う。
「それで、祐希はどうするの? 打合せをした感じ今回はゲーム配信じゃないから飛び入りはできないと思うけど……」
僕が打ち合わせ内容を部屋全体に聞こえるようにしたのは祐希が飛び入り参加できるかを確かめるため。
祐希もこのコラボに参加したかったらしいけど、流石にコラボできるモデルは一体のみで、と最上さんに言われてしまい参加できなかった。
祐希は『モデルは一体のみ』と言う部分に目をつけ、最初からいたらモデルがないことに違和感を覚えてしまう可能性があるため、飛び入りで参加することを考えていたようだけど、僕の初配信の時みたいにゲームじゃないため、その線もできなくなってしまった。
「確かにゲームで飛び入り参加って言うのはできなくなってしまったけど、雑談の内容はお互いに2つずつ決めるってことになったんだろ? だったら、その2つで俺が飛び入り参加で切っるようにあるものを考えようぜ」
「……ずるがしこくない?」
「何でもいいだろ! 俺だってヤマトきゅんとコラボがしたいんだよ! そんで俺と関わってどんな反応をするのかが気になる!!」
「ヤマトきゅんって……」
まぁ、祐希の言っていることも理解できなくはな。
ヤマトさんときゅあいが関わったら、どうなるのかは僕も気になる。
ただそれを実現させるためには雑談の内容を考えないと……。
「やっぱりお互いに、そしてご主人様たちが面白いと思ってもらえる内容がいいよね」
「ああ、……あっ、いい案が一つ思いついた! こんなのはどうだ?」
「え、どんなの?」
祐希の話を聞き僕はその内容に少し驚いてしまう。
祐希の案だったら久遠さんも僕も、そしてご主人様たちも楽しめると思うから。
内容としては頭を柔らかくすれば誰でも思いつくようなもの。
何より、もともと関係なかったきゅあいをサプライズ登場させるのにはうってつけのもの。
「よし、それじゃあ僕の内容の一つはそれで行こう!」
~~~~~~~~~~
***
まだかな、まだかな?
執事×執事! 妄想はかどるわ~!!
あと5分が長すぎる……
楽しみすぎて夜も眠れんかったんよ! なのに全然眠くない!
僕のたてた枠のコメント欄は大盛り上がりになっていた。
枠は前日のうちからたてており、その日からコメントがたくさん書かれ、10分前に確認したところ、すでに待機人数は僕と零さま2枠とも10万に迫る勢いだった。
零さまの枠のコメント欄も盛り上がりを見せている。
僕のコメント欄と見比べてみると、やはりと言うべきかな、ヤマト様親衛隊の人が零さま枠の僕のことを知らない人に布教に言ってるし、僕のコメント欄の方にも零さまファンの人が布教に来ている。
だけど、あまりにも長文すぎて流れていくコメントで読むのは少し疲れる。
他にも2窓している人もいて、その人たちがこちらの情報を相手に伝える、いわゆる『伝書鳩』という行為をしてくれているので、2窓していない人は『伝書鳩』の人のコメントに積極的に返信しているみたい。
いつもは、伝書鳩行為は禁止にしてるんだけど、今回はせっかくのコラボで基本雑談だからあまり止める意味がないということで鳩オッケーになっている。
『ヤマト様、お疲れ様です。そろそろ配信始めますか?』
「お疲れ様です。そうですね。いい時間なので始めましょうか」
零さまの配信の方をコメントだけが見れるようにして、【配信開始】ボタンを押す。
来た!
ワクワクドキドキ
これを見るためだけに宿題早く終わらせたんだよな。
始まるまでがもどかしい~!!
オープニングが流れ終え配信画面が映る。
今日の背景は零さまとのコラボのためにカナママに頼んで作ってもらった特別仕様。
超大きなベッドのある部屋背景。
背景の半分はベッドと言っても過言ではないと思う。
背景の前には右側には僕、左側に零さまと言う立ち位置になっている。
「ご主人様、お帰りなさいませ。本日は僕の配信に来てくださりありがとうございます。あなたの執事神無月ヤマトと」
『皆さん、こんれい! 皆さんに笑顔と笑いを届ける、神宮寺零です!本日は私の配信に来てくれてありがとうございます! と言うことで、今回は私、神宮寺零と!』
「神無月ヤマトのダブル執事で配信していきます!」
ただいまー!
こんれいー!
帰ってきたぞー!
俺のヤマトちゃ~ん!
いや、私のヤマトよ!
違う、うちのヤマトと零くんや!
2人が誰のものでもない、みんなのヤマト様と零くんだ!
そうだそうだ!
今日も僕のコメント欄は平常運転。
やはり、2枠立てているだけあって僕の方には僕のファンがほとんどを占めている。
『わわわっ! ご主人様たちどうしちゃったんですか!? 私のために争わないでください!』
「……あー」
なんとなくだけど、向こうの配信で何が起こっているのか理解できた。
多分だけど、零さまの枠のコメント欄で今零さまをめぐっての言い合いみたいなのが起こっているんじゃないかな?
僕の配信で恒例のやつ!
ちらっと見てみると、予想通り。
僕の配信のところでは恒例になっているやり取りが零さまのところでも起こっていた。
しかも、僕の配信とは違い、みんなが零さまの取り合い。
明らかに止める役の人がいないけど、多分そのうち……。
『そ、そうですよ、私は皆様の執事です! だからあまり争っちゃだめですよ?』
どうやらちゃんと争いに終止符を打つ人が現れたみたい。
因みに名前が【ヤマト様親衛隊 065858】だったことから、僕のファンだということは確定。
ヤマトファンの悪いところが零ファンの方に流出してた
悪いところって自覚あんの草
じゃあ止める?
やっるわけねぇよ! あれは俺たちの生きざまだ!
言っていることはかっこいいのに、これが生きざまって言ってる私たちって……まぁ、生きざまって言うのは否定しないけどね!
否定しねぇのかよ!?
うん。僕のところは平常運転だね。
みんな楽しそうで何より!
「それでは今回のコラボ配信ですが、お互いにトーク内容を2つ考えてそれについてお話ししようってことになりました! 零さま、どちらから先に行きますか?」
『それじゃあ、ヤマト様からお願いします!』
「分かりました。では僕から失礼して、【執事(配信者)として、ご主人様たち(視聴者さん)のことをどう思ってますか?】こちらで話し合いましょう」
『え、なんか恥ずかしくないですか?』
「でも、ご主人様も聞きたいですよね? 僕と零さまがご主人様たちをどう思っているか」
聞きたい!
めっちゃ気になる!
お互いに執事だからこそ、質問文が通じる。
ここで執事像の違いとか出んのかな?
『わ、っかりました! 私のご主人様たちへの思いを語りましょう!』
「あ、ただし、『大事な人たち』や『いつも感謝してます』などと言ったありきたりなのは無しで行きましょう」
『えぇっ!?』
「あと、ご主人様たちが納得できなかったらもう一度他の思いを打ち解けるということで」
『え、きつく無いですか!?』
「ご主人様の言葉に応えるのも立派な執事の役目。最高の執事を目指せるように頑張りましょう!」
『えぇ~。……あ、ちょっと、荒れないで! え、先輩執事の言うことを聞け? ……ああ、もう! 分かりました! 皆様が納得していただける僕の思いを言えばいいだけですもんね!』
「と、言うことで、最初は僕からお手本見せましょうか?」
『お願いします』
「ではお先に失礼します」
お、来た来た!
ヤマトは何を言ってくれるんだ?
俺たちはもう普通の言葉じゃ納得できないからだだからな!
さぁ、私たちを納得させてみせたまえ。
なんか今日のご主人様たちいつもより態度ができような……。
多分だけど、本当に普通の言葉じゃ納得してくれないと思う。
『それではヤマト様、お願いします!』
「はい。僕はご主人様たちには心の底からありがとうって思いでいっぱいですよ。高校受験に失敗した僕の配信を見に来てくれるだけでなく、スパチャを投げてくれたりコメントをしてくれたり、ご主人様たちのおかげで今の僕があると言っても過言ではありません」
なんか嬉しい!
……いや過言だな。
うん。登録者数に鈍感なヤマトなら多分チャンネル登録者数や視聴者数が少なくても気にしないと思う。
あっぶな、コメント見てなかったら騙されてた! これくらいじゃ俺たちは納得しないぞ!
今日はいつもよりもご主人様たちがハイテンションな気がする。
いつもならこれで切り抜けられたんだけど……。
『ヤマト様、そんなものですか?』
「……分かりました。僕の本気を見せてあげます!」
こうなったら次で是が非でも納得させてあげる!
……あのネタでいいかな?
「僕がご主人様たちに感謝しているのは本当ですよ。僕の配信が終わった後の掲示板などに関しては特に」
えっ!?
見られてるの?
え、やばいやばい、恥ずかしい!?
マジか……。
私結構思い切った発言したことある……。
俺も……。
「そうですね。例えば【限界突破したヤマト様ガチ恋勢オタク女子の会】では、皆さん僕への愛をコメントしてくれて、少し恥ずかしいですけど嬉しいですよ」
いやーーーー!!
見られてる!
恥ずかしすぎる……
女子そんなことしてたんだ……
「他にも【ヤマトに筋肉見せて惚れられたいの会】では皆さん各筋肉の部位の自慢をしてくれて、正直僕のためにそこまでしてくれた事に少し涙が出たことがあります」
うおおぉぉぉ!!
え、はっず!
もう、お嫁にいけない……。
男子そんなことしてたんだ……
うん。もう一押し!
「他には……」
わ、分かった!
もう大丈夫です!
ヤマト様が私たちのことを監視したいほど大好きなのは分かりましたから、もう大丈夫です!
『す、すごい。本気を出した瞬間ご主人様たちの心つかんでる』
「まぁ、ざっとこんなものですね。これで僕の方はクリアですか?」
『クリアの意味があまりわからないけど、いいと思いますよ』
「やった! あ、因みにご主人様たち安心してください。掲示板があるのは知ってますけど中身まで見たことはないので」
……え?
マジで?
どいうこと?
もしかして、ヤマトの策にまんまと騙された?
「ふふふ、騙されましたね、ご主人様。さっきの反応は僕の掲示板を見たハリンさんの反応ですよ。僕は皆さんの執事なので皆さんのプライベートを荒らすことはしませんのでご安心ください」
騙されたぁ!
見られてないのには安心したけど、騙されたのは悔しぃ
あれ? 騙されて悔しいはずなのに、責められてる感じで興奮するの何でだ?
ヤバい! 変態現る!
いい感じで皆様盛り上がってくれた。
「あ、でもご主人様たちのこと思っているのは本当ですよ。掲示板は見てませんけど僕のことを思って行動してくれてありがとうございます。ご主人様、だぁいすき!」
ぐはっ!
だ、ダメージが凄い!
ヤマトの声で言うのは卑怯!
この声に言われたら何でも許しちゃう!
『……ヤバい。一瞬マジでガチ恋しかけました』
「してくれても僕は構いませんよ?」
『い、いえ、ヤマト様にガチ恋してしまうと散財してしまいそうなので大丈夫です!』
「それは残念です。それはそうと参考になりましたか?」
『はい。掲示板を使って脅せばいいんですね!』
「脅しとは失礼な! でも、掲示板の手はもう使えませんよ。ご主人様たちは僕という前例を見てしまったので」
『え、あ……』
「と言うことで、零さまのご主人様たちに対する思いまで3、2、1、キュー!」
『えーっと、私の人生これまで人と関わることがほとんどなくて、Vtuberとして配信するときも見に来てくれる人いるのかなーって不安だったんですけど、今ではたくさんの人にチャンネル登録や僕の配信を見てくれてありがとうって思いですね。ご、ご主人様、だ、だぁいすき……!』
「とのことですが、ご主人様たち、いかがでしたでしょうか?」
お、おぅ
いやー、おふざけを期待していただけに本音を聞けてめっちゃドキドキしてる。
これをダメと言える勇気俺にはないよ…
べ、別に大好きって言われて嬉しいからオッケーするわけじゃないんだからね!
恥ずかしながら言ってるのが良き!
普通に言ってのけるヤマトとは違った良さがあるわ~
なかなかの好評。
『ご主人様、大好き』と言った時は、これでダメだった場合恥ずかしい思いするのは零さまだったから、最初に僕が言ってしまった手前、ダメだった場合どうしようって焦ってしまったけど、それをもオッケーするために使うなんて零さま、なかなかやります。
「零さま、見事ご主人様たちのハートをつかんだのでオッケーです!」
『よ、よかったー。「ご主人様、大好き」って言ってしまった時、これでダメだったらどうしようって焦りました』
「でも、それすらもご主人様たちにオッケーを出させる要因にしていたので問題ありませんでしたよ」
『ならよかったです。では次に私のトークからですね。私のトーク内容ですけどヤマト様は声真似の方がお得意と聞いたのですが……』
「得意ですね『一度聞いた声はすぐに出すことができますよ』」
『わっ! 僕の声!?』
「この声に零さまの口調で話すと……『皆さん、こんれい! 皆さんに笑顔と笑いを届ける、神宮寺零です! 本日は私の配信に来てくれてありがとうございます!』」
『挨拶取られた!?』
「他にも『皆さん、こんれいー。笑顔と笑い、そして愛を届ける男の娘執事、神宮寺零でーす! 今日は私の配信(愛)を受け取りに来てくれてありがとー!』」
『更に挨拶いじられて可愛くされた!!』
「因みに僕が一番気に入っている挨拶は『みんな~、おはようございま~す。私は皆のアイドル竜田ラノ! 最恐の恐竜ティラノサウルスだよ! 私のファンにならない人間みんな食べちゃうぞ~!』ですね」
『一瞬本人がいると思っちゃいましたよ』
「そう言ってもらえると嬉しいです」
『そんなヤマト様に今回、私の声真似を評価してもらおうと思いまして、題して【声真似の天才ヤマト様に零の声真似を評価してもらおう!】で~す』
「お~! ……」
僕が声真似の評価?
え、かなり難しい気が……。
上手い下手関係なく、誰かの評価なんてしたことないからどうしていいかわからないんだけど……。
それに、零さまが声真似できるなんて情報えてないんですけど!
『ヤマト様には、私の声真似を嘘偽りなく本音の評価をしてもらいたいと思います! なので辛辣なコメント上等です!』
それならなんとか行けそう……。
おお!
ヤマトに声真似の評価してもらうなんて勇気あるな!
零さまの声真似初めて聞くかも
ヤマト様に声真似の評価をしてもらうなんてなかなかん見る目あるじゃん
何様だよ! ってコメントもあるけど、やるからにはしっかり評価しよう。
『それでは私が唯一できるきゅいあさんの声真似します』
「分かりました。因みにきゅいあ様は零さまと同じ【ミックスライブ】の三期生ですね。ゲームがとてもうまいと評判です。では、そんなきゅいあ様の声真似まで3、2、1、キュー!」
『それでは、きゅいあさんの声真似行きます!』
『べ、別に、親友と伝説の執事、ヤマト様とのコラボが気になって見に来たわけじゃないんだからね!』
うーんまっ!?
え、これどいうこと?
零さまの声はどちらかと言うと爽やかイケメンのようなかっこいい声で、対するきゅいあ様はちょっと高くてかっこいい声と、声ジャンルがかなり違う!
簡単に声真似はできないはずなのに……。
本当に零さまは声真似ができるんだ……。
よし! 考えても仕方ないよね。ここは僕もお返しをしてあげないと!
『ヤマト様、私の声真似どんな感じでしたか?』
「普通にすごかったです! 正直一瞬本人かと思っちゃいました!」
『え、えへへ。ヤマト様にそこまで言われると、照れる~!』
うらやま氏ね!
くぅ~! 俺も褒められたい!
ずるい~
零さま、そこ変われ!
『残念ですが、僕は変わることができません』
「あはは、そうだ! ここまでステキな声真似をしてくれたんですから、僕からもお返ししますね。しっかり聞いててくださいね」
『あ、ちょっと待ってください! ……よし、録音の準備ができたので大丈夫です!』
「分かりました。それでは『実は私、きゅいあさんのことを変態さんって呼んでるけど、実はきゅいあさんのゲームの腕とか優しいところ、結構好きだよ』」
『あ、ちょっ!? それは——』
『え、そうらんそれホント!? 俺も好き! 結婚しよ!』
今僕が出した声は零さまやきゅいあ様と同じ【ミックスライブ】3期生で超ゲーマーさんのそうら様の声真似。
ものすごくゲームの腕が高いという情報。
【ミックスライブ】の3期生はこの3人に零さまの実の妹、Rina様の4人でなっている。
そんなそうら様はきゅいあ様を変態と呼んでわざと冷たい態度をとり、視聴者を楽しませている。
リアルではどうかわからないけど、おふざけとはいえそうら様の声で愛をささやいてみたら、案の定きゅいあ様が出てきた。
あ。
なるほどな~
あ~、そういう……。
まさかヤマトはこれに気づいてそうらんの声を?
ヤマト様は簡単に騙せない!
ヤマト様をだまそうとするなんて100万年早いわ!!
コメント欄では憶測がいくつか飛び交っているけど、その可能性を感じたのは零さまが声真似をすると言った時辺りくらいかな。
流石にそんなことはないかって自分を騙していたけど、きゅいあ様の声を聴いて確信した。
だって、声真似があんなにうまかったらこれまでの配信でしてるはずだもん!
何より、きゅいあ様の声から零さまの面影がまったく見えなかったから、それで確信した。
少しでも零さまの面影が見えてたら多分、本気で評価していたと思う。
『も~、きゅいあさんのせいで予定がかなり狂った~!』
『いやいや、あんなのを聞かされたら我慢する方が無理だって!』
『ヤマト様が評価し終えた後に驚かせるつもりだったのに僕たちの方が驚いちゃったじゃん!』
うすうす感づいていたことは黙っとこ。
「……一先ずきゅいあ様挨拶お願いします」
『あ、忘れてた。んじゃ、改めて。こん——』
「『こんきゅいー! 魔界の最強吸血鬼、ミックスライブ3期生、きゅいあだぞ! 俺の華麗なプレイでお前らのハートを狙い撃ち!』」
『ギャー! 俺の声で変な挨拶しないでー!?』
「いやー、きゅいあ様の挨拶ってかわいさが足りないなーと思って」
『確かに、今の挨拶には可愛さがありましたね』
『俺に可愛さとかいる!? ってか、絶対にドッキリをしようとした俺への当て使えだろ!』
「いえいえ、まさかそんな~」
『本音は?』
「なんかラノ様と同じ感じがしたのでお返しついでに即興で挨拶考えてみました」
え、今の即興!?
クオリティー高すぎ!
流石にこれはきゅいあには合わんな。
と言うか、これをきゅいあがやった流石に笑うw
零さまなら絶対に似合うのに!
きゅいあさんに対してはなかなかに酷評。
確かに、可愛いと思ったけど、きゅいあさんはかっこいい系だから可愛い系はあまり……いや、ギャップで逆に可愛いと思うんじゃ……。
『あー、驚いたヤマト様の表情が見たかったのに! 完全にカウンター食らったー!』
『せっかく打合せの時から計画してたのに、きゅいあさんのせいで失敗ですね。まぁ、私に被害がなかったのでよかったですけど』
打合せってかなり前から!?
……もしかして、打合せの時にはすでいたり……なんてことは流石にないよね。
「せっかくきゅいあ様もいらっしゃるということで、次のトーク内容にも答えてもらいましょうか」
『え、何が来るのか超不安なんだけど……』
「大丈夫ですよ。いたって普通の会話なので、次のトーク内容は【好きな女性のタイプ】をお願いします!」
『……え、普通に恥ずかしくないですか?』
『俺の配信だとそういう話することあまりないんだけど!』
「因みに僕の好きな女性、もしくは男性のタイプは初配信の時に言っているので是非そこでチェックしてくださいね~」
『あ、ずるい!』
『そもそもヤマト様っ好きなタイプ言うの恥ずかしくなさそうですよね』
「はい。その人が好きって言うのは何も恥ずかしくないことなので。お二人とも感が過ぎなんだと思いますよ。こう、好きな推しを話すときに近い感覚で話せば楽ですよ」
『なるほど。確かに好きな推しを話すときは恥ずかしくないですもんね』
『そう……なのか? まぁ、ヤマト様が言うなら推しのことを話す感覚で話してみるか』
「そもそもきゅいあ様に恥ずかしいっていう感覚あったんですね」
『あー確かに。いつもはっちゃけてて、恥ずかしさとは無縁化と思ってました』
『どういう意味だこら? 俺にだって羞恥心くらいあるわ!』
へー。
意外!
今日初めて見たけど、羞恥心があるということに驚いている。
陽キャだから羞恥心解かないものかと思っていた。
やっぱりご主人様たちも僕たちと同じ考えだったみたい。
明るい陽キャの人でも好きなタイプを話すときに羞恥心とかってあるんだな~。
『あー、とりあえず気を取り直して、俺の好きなタイプは陰キャオタクでゲームがうまい子かな~』
「えー、なんか意外ですね。同じ陽キャの巨乳美少女とかいうかと思いました」
『ヤマト様の中での俺って……。まぁ確かに男としては巨乳美少女ってところには納得するよ』
『納得しちゃうんだ』
『でもやっぱり、一緒にいて楽しくないと面白くないしな。そんでもって、俺は守られるというよりも守ってあげたい派だからこう、おどおどした可愛い子。要するに陰キャオタクでゲームが上手い女の子がいいかもな~』
「少し陽キャ男子って言うのを勘違いしていたかもしれません」
『私もです。こう、いつも遊びまくることばかり考えている別の生物かと思ってました』
『ひどくない!?』
「全国の陽キャ男子の皆様、申し訳ございませんでした」
『きゅいあさんを除く陽キャ男子の皆様、ごめんなさい』
『何気にひどい!』
さてと、おふざけはここまでにして、次はついに大本命。
「さてご主人様、特に零さまガチ恋勢の皆様お待たせいたしました。ついに大本命の零さま好きな女性のタイプです!」
『俺は前座か!』
『まぁ、ヤマト様の中ではもともと予定になかったですからね』
「あはは、では、零さまの好きな女性のタイプまで、3、2,1,キュー!」
『えーっと、僕の好きな女性のタイプは、そうですね。その……物静かな、アニメ好きの女性、でしょうか……。僕の性格上、陽キャすぎる人や元気すぎる人はちょっと気が持たないところがありますし、だからと言って陰キャすぎる人は陰キャ×陰キャだとお互いに相手に気を使い過ぎてうまくいかなさそうなので……。あとアニメ好きなのは、お互いに、好きなアニメを共有して、一緒に楽しみたいからで……お願い、しますぅ』
「なんか最後の方で声が小さくなっていたように聞こえますけど、零さまの女性のタイプはミステリアス系でアニメ好きの女性、と言うことでしょうか」
『え、はい。そうです……』
『あ、零の顔が赤くなってる!』
『ちょっ!? きゅいあさん、言わないでください!?』
あー、声が小さくなっていたのは恥ずかしかったからなんだ。
僕からしたらあまり恥ずかしがることないと思うんだけどなー。
結局聞いている人は画面の向こうにいるわけなんだから……あっ、あっちにはきゅいあ様もいるんだ。
それじゃあ恥ずかしくても仕方ないか。
「零さまのガチ恋勢でミステリアスな皆様、並びにきゅいあ様のガチ恋勢でゲームが得意な女子はかな~り、チャンスがあると思います」
『ヤマト様!?』
「僕の配信ではトリッターで募集した質問に答えることがありますので、ぜひぜひ恋愛相談などして、僕の配信を見てくださいね~」
『おぉ、俺たちのリスナーに堂々と売名してる……』
『しかも皆さまかなり乗り気のようですし……』
「すみません。やるんだったらこのタイミングかなと思って、お二人もご自身のタイミングでぜひ、皆様にお勧めしてください!」
名前は売れるときに売らないとね。
僕の場合、タイミングが今だったから名前を売った。
僕みたいな新人個人勢にとって企業勢とのコラボは名前を売るチャンスだからね!
「お、なかなかいい時間ですね。では最後にヤマト様、何か話題などがあればお願いします」
『あ、はい。実はどうしても一つ聞きたくて、どうして今回私とのコラボを受けてくださったんでしょうか』
『あー、それは俺も気になったな。正直、急に送った誘いだったのに返信早かったもんな』
あーその話かー。
その話ねぇ。
「えーっと、これ本当のこと言って大丈夫な奴ですかね?」
『あ、私は大丈夫ですよ。むしろとても気になります!』
「そうですね……、簡単に言うとタイミングですね」
『タイミング、……ですか?』
「はい、実は零さまがコラボのお誘いを送ってくれた時に、僕たまたま零さまたちの切り抜き動画見てたんですよ。その時面白いなーって思ったタイミングで届いたので、即答できたって感じですかね。多分切り抜きとか見てなかったら少なくとも1日かかっていたと思います」
タイミングwww
タイミング良すぎるだろ!
確かにそれなら即答できるわなw
タイミング悪くても1日は早すぎて草
『え、私たちの切り抜きですか?』
「はい。コラボ配信のゲームをしている姿とか面白かったですよ。素人目にはどこが凄いのかあまりわからなかったですけど」
『え、あ、ありがとうございます! いや、どうしても気になってたことがなくなって今はすっきりです!』
「ならよかったです」
っと、そろそろいい時間かな。
「ではそろそろ時間が来ましたので、今日はこのくらいになりますかね」
『いやー、1時間って思ったよりも早かったですね』
『多分今見てくれているご主人様たちも同じ気持ちだろうな』
『えっ、同接15万人!?』
「……普通コラボ配信って3万なのに多いですね。……10倍ですか」
『えっ!?』
『10倍?』
流石ヤマト様、最後の最後で見せてくれる!
これマジでだからヤバいんだよな~。
10倍ちゃうよ!
小2の問題!
あれ?
10倍じゃなかったっけ?
『良いじゃん、10倍で』
『ですね』
「ん? まぁ何かはわかりませんけど今日の配信はこれでおしまいになります! 今日見てくださった皆様は僕、零さまのチャンネルもぜひ見てください!」
『……俺は?』
「本日は神無月ヤマトと」
『神宮寺零と、ついでに』
『ついでかよ! まぁ確かについでだけど、え~きゅいあがお送りしました!』
「今日も僕たちの楽しい配信を見に来てくださりありがとうございます!」
『またいつかご主人様に会える日を楽しみにしています』
「それでは、行ってらっしゃいませ」
『おつれい!』
『おつかれー!』
また来るね!
おつれい~
また来るれい! ごろ悪いな……
またねー!
2人のコラボ楽しみにしてるね!
きゅいあ邪魔!
おつれい~!
***
「ふぅ、終わりましたね」
『はい。緊張が取れて一気に疲れが来てます』
『いやー、ゲームでもここまで疲れないぞ』
配信が終わり、ようやく一息つくことができる。
いつもは同接数を見ることはないが、今日はあまりの多さに、たまに視界に入ってしまいいつもよりも少しだけ緊張してしまった。
『よし! これから親睦を深めるためにゲームするか!』
『あ、それいいね。久遠さんもいいですよね!』
「僕はいいですけど、お二人は明日学校じゃないんですか?」
『え、あ……』
『そうだ! 今日日曜日じゃん! 凪宿題やった!?』
『あ、やってない! 久遠さんは宿題大丈夫ですか!?』
「え、あー……僕学校行ってないので宿題とか無いですよ。毎日が夏休みです」
『あ、なんかすみません』
「気にしないでください。それよりも、宿題が終わってないんだったらゲームできませんね」
『あー、すんません。誘ったの俺なのに気を遣わせてしまって』
「あはは、気にしないでください。また来週もありますし、僕はいつさせってもらっても大丈夫なので。それじゃあ今日はこれでお開き、ということで、お疲れさまでした」
『お疲れさまでした』
『お疲れ様です。凪! 宿題見せて!』
『だから僕も終わってない——』
ここからは彼らのプライベートなので僕の方から通話を切る。
ふぅ。
今日はどっきりとかいろいろあったけど、
「最高に楽しいコラボだったなぁ!」
高揚した気持ちを味わいながら今日は寝ることにした。
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