おねぇ聖女が凄すぎて、歴史書には残すことができません!5.他国の勇者
私はエドガー・バルマー。何故、こうなってしまったのか理解できない……
「これより正統勇者の座を賭けた対抗戦を実施する!」
第一王女のクララ様と勇者ハインツ殿の婚約の知らせは隣国にも知られる事となった。それに隣国が異議申し立てをしてきたのだが、マリアが隣国へ行って説得をすると言い出したのだ。
「両国の代表選手は3名! 勝ち抜き戦とする!」
いや……普通なら勇者同士の決闘ではないのか? なぜ聖女が参加する? そして、なぜ私が大将なのだ?
「おい! なんで聖女が一番手なんだ! 王国は舐めてるのか!」
対戦表をみた相手の勇者が文句を言ってきた。お前も一番手で出てるだろうに……私に文句をつけるのは辞めて欲しい。お飾り大将だぞ……
「一番手! 聖女マリア!」
あー……マリアは相変わらずのオフショルダーのミニスカドレスの姿で檀上に上がったか……観客が悲鳴を上げてるぞ。まあ、普通はそうだろう……
「おい! 王国の聖女はどうなってるんだ!」
それがお前の対戦相手だよ。さっさと行けよ。しかし……マリアの筋肉は無駄に仕上がってるな……
「どんな聖剣なのかしら?」
おー……試合が始まってから相手の凄いラッシュだな。だが、掴まれたか……いつ見ても下っ腹がキューとなる……
「なにこれ! あんたの聖剣ちっさ! こんなんじゃスライムも倒せないわ!」
あ……マリアが相手をそのまま持ち上げた。相手は気を失ってるのに……って馬鹿! 逆さにして叩きつける気か!? 相手死ぬぞ!
ドゴーン!
相手は地面に突き刺さっている。お……動いた。さすがは勇者を名乗るだけある……いや、マリアが回復しただけか……
「一回で駄目なら回数で満足させないと駄目よ?」
マリアは妖艶な表情で手招きをしているが、その顔は逆効果だ。相手の心が完全に折れている……
結果は我々の勝利だった。結局マリアが全ての戦いを勝ち抜けた。そして、隣国の神具にハインツ殿が触れると神具が輝いた為、誰もがハインツ殿を勇者と認める事となった。
「別に戦わなくても良かったのではないか?」
マリアが何故わざわざ戦ったのかがわからなかった。神具が示せば、それで全てが済むはずだ。
「あら〜。勇者が一人しかいないって、誰が言ったのかしら?」
なんだと? 勇者は何人もいるというのか?! こいつは何をどこまで知っているのだ!
「今回のは駄目ね。もう少し期待していたのに貧弱過ぎだわ」
少し待て……こいつは先程今回のはと言ったぞ?
他にも犠牲がいるのか!
この物語はシリーズ化しております。勢いで第5弾も書かせて頂きました。
楽しんでいただけたなら幸いです。
このシリーズをいつも応援して頂き、ありがとうございます