従魔たちの日々 時偶戦い添え フィーナを付けて
※色々話しておりますが、当然魔物言語で話してます。流石にワンワン、キャンキャンで表現する能力はございませんのであしからず。
鳥の巣 リンネとソニアの小屋にて
「くあぁ~」
「リンネまたあくびして。すっかりふ抜けたんだから…」
「そう言うなって。俺は前からこうだったんだからさ」
「もう…近頃戦うと言えば精々ウルフ程度。それで良いの?」
「ソニアは近づいてくる奴を魔法で斬り捨てて終りでいいけど、俺はいちいち爪つかわないといけないから面倒なの。それならまだ、ガキの相手してる方が楽だよ」
「あっちはあっちで困るのよね。毛を引っ張ってくるし」
「最初の頃はひどかったよなぁ~。今は年長の奴らが抑えてくれるけどな」
「抑えると言ったらサンダーバードの奴ら何なの!気に入った相手にはついて行くくせに、孤児院じゃろくに動かないし、アタシたちが子供の相手をしててもしらんぷりで寝てるなんて」
「あいつらは山にいた時からあんなだからなぁ。マイペースなんだよ」
「しかも、最近じゃなんか光ったかと思うと隣にいたりして、不気味なのよ」
「あれ、アルナがきっかけ作ったらしいぜ。何でも、光の速さで動いてるらしい。アスカがそれだと空気の壁が何たら言ってたけど、ものすごく早いらしいぞ」
「知ってるわよ。裏庭から一瞬で真横に来るのよ。この前も危うく小屋を乗っ取られそうになったわ」
「あ~、なんかガキが1人部屋~とか言いながら入ってこようとしたな。邪魔くさかったから追い出したけど」
「向こうにいた時は他の種族にはおっかなびっくりだったのに、街に来た途端に図々しいのよね」
「そういや、最近ようやくライズと話が出来たぜ」
「あの子は臆病だものね」
「それもそうだけど、どうやら親をウルフ種に殺されたせいらしい。この前、話してくれた」
「そうだったの。まあ、アタシたちも普段は肉食だし仕方ないわよ」
「まあな。街にいる以上は手出ししないって前から声かけてたんだけど、ようやくだな」
「アタシも大丈夫かしら?」
「どうだろうな?俺ぐらいだらけたところを見せたら大丈夫かも」
「なら、もうしばらく様子見ね。きりっとした顔立ちが崩れちゃうわ」
孤児院のガキどもといる時はたいがい崩れてるぞとは言わないリンネだった。これでも、配偶者の名誉には気を付けているのだ。
「リンネさん、こんにちは~」
「おう、エミールか。水やりは終わったか?」
「うん。これおみやげだよ~」
ぽとりと足にくくった縄を切り、エミールが小さい包みを落としていく。今日の中身は小さく切ってあるトマトだった。お駄賃らしいが、エミールは十分宿で食事がもらえるので、こうしておやつ代わりにもらっているのだ。ただ、トマトはちょっと困るのだ。
「ひぃ!ば、番犬の口に血が…」
「いやこれトマトだから」
そうはいっても人間には俺たちの言葉は通じない。まあ、通じないものは仕方ないから放置しておこう。こうした姿が度々目撃され、実力以上にリンネたちを怒らすべからずとの噂が街に広まった。
フィアルの店にて
「ライズ、アスカさんが来なくなって寂しい?」
「うん、まあね。小さい頃からかわいがってもらってたから。でも、今はリーヌ、君もいるしミネルたちも来てくれるから平気だよ」
「そっか。でもついて行かなくてよかったの?」
「僕じゃ役に立てないしね。魔法も練習中だし」
「雷の魔法だから練習しにくいよね」
「雨が降ってきたりするしね。そういえばサンダーバードたちも使えるらしいよ?」
「そうなの?まあ、魔力は高いから出来るのかもね」
「でも、アスカに使うなって言われたらしいんだ。何でも雲どころか雷雲を作れるんだって」
「あの子たち小さいのにすごいんだね。あら、ネイアさんどうしたの?」
「毛を刈りたい?いいよ~。最近暑くなってきたしね」
「はわ~、これがライズたちの毛か~。小さいクッションの分位ならごまかしてもかまへんか?」※ネイアです
「いいんじゃないかな?どうせまた生えてくるし」
「良いって神の声が聞こえた気がする。では遠慮なく…」
「あら、ネイアさん。ライズたちの毛を刈ってくれたんですね。ありがとうございます。これで、孤児院の生活もよくなりますよ」
「あ、ああ、エステルちゃん。そうなのよ!店長ったらエサ代もかかってるくせに、『僕にも出来ることがあるのなら』って折角高額で売れるこの毛の売り上げを寄付しちゃうんだもの」
「孤児院にとってはありがたいですけどね。この袋にみんな入れちゃって大丈夫ですか?」
「ええ。洗うのはカーシャに言えばいいから」
「はい。じゃあねライズ、リーヌ」
みぇ~
エステルが帰っていくとがっくりと両手を地につくネイアだった。
「まあ元気だしなよ。次があるって」
「そうよ」
「ううっ、慰められてる気がするわ。いいの、いつだって毛は手に入るもの。それより、あなたたちには是非とも子どもをお願いしたいの。私は将来、この街を離れるからその時にあなたたちの子どもを連れて行きたいのよ。お願いします」
「だって、リーヌ」
「この人も良くしてくれるから、ライズが良いって言うなら今日にでも…」
「僕はリーヌの誘いならいつでも大丈夫だよ」
「ライズ…」
「ん?何か唐突に哀しくなってきたわ。今日はもう早退しようかしら?」
「おや、ネイア。そんな根性では店長なんて夢のまた夢ですよ?」
「て、店長!はっ、ただいま職務に戻ります!」
「はぁ、もう少し真面目にしてもらいたいのですが。まあ、ライズたちを気に入っているところは譲れないので、適任ではあるのですがね」
ミェ~
「君たちも彼女が気に入っているのですね。私はもうすぐ別の街に行かないといけませんから、よろしくお願いします」
「任せてよ!でも、店長の料理が食べられなくなるのか。美味しかったのになぁ~」
---再び、リンネたち視点
「それじゃ、今日は2匹とも行くのね。よろしくね」
「おう!」
「ええ!」
今日はフィーナの外出日だ。いつも街の西側に行っては薬草を摘んで帰っている。俺たちの唯一の戦いの場でもある。
「やっぱりこういうのがないとね」
俺の嫁は結構好戦的だからこれを楽しみにしている。俺はというと面倒なのだが、たまには同行しないとエレンに食事の量を減らされるのだ。まあ、月に3度同行すれば見逃してもらえるからそれぐらいは必要経費として割り切っている。ジャネットがいた頃は『いいから行ってこい』と威圧されていたので、それから考えれば天国のようだ。
「今日は久しぶりにシェルオークのところに行きますよ。アスカが旅に出た報告と、無事を祈って」
「はいよ~。しかし、このガキもずいぶんお淑やかになったな。野生児みたいだったのによ」
「アタシはこの方がいいわ。落ち着いてるもの」
それから目的地のシェルオークについて、いつものように枝と葉を回収する。
「後は周辺の薬草ね。アスカさんのお陰で貴重な群生地もわかるようになったし感謝しないと。元スラムの子たちも受け入れられ始めてるし…」
そういいながらフィーナは奥へと進んでいく。
「ん?この先はいつも行かないところだろ?」
気になって軽く吠えてみる。
「心配してくれてるの、リンネ。でも、アスカさんに頼ってばかりでもいけないし、この先は未開拓なのだけど今日は行こうと思うの」
「ついていってあげましょう」
「やれやれ」
まあ、アスカが行かなかったってのはただ単に面倒だったからだと思うんだよな。何度かついていったことあるけど、シェルオークの木に着いたら満足してたからな。その点、この嬢ちゃんは真面目だな。そのまま進んでいくと、樹齢を経た木が多くうっそうとしている。こういうところを好む魔物は多いので、警戒させるために吠える。
わぅ
「あら、どうしたのリンネ。珍しく吠えたりして。ひょっとして何かいるのかしら?」
どうやら警戒させることに成功したようだ。まだ、気配は感じないが”いる”のは間違いないからな。後方からでも攻撃できるソニアを後ろにやって、慎重に進んでいく。
「あら、これはもしかしてベル草かしら?まぁ!群生地があるなんて。これは書き足しておきましょう」
喜んで採取を始めたフィーナだったが、もちろん魔物たちも寄ってくるわけで…。
「あら、珍しいわね。この辺にオークなんて」
「ソニア、2体いるがどうする?」
「任せてって言いたいところだけど、たまにはあなたのいいところも見たいわ」
「了解、左右1体ずつだ」
敵の数を把握すればこの周辺の魔物は雑魚だ。俺は木に登って一気に近づき首を落とす。ソニアは気づいたオークが近づこうとする動きをとらえて魔法で倒す。あっという間に肉の出来上がりだ。昔ならここでそのまま食べるところだが、一応世話になってる家もあるしな。
「わっ!?魔物だったの?ありがとう2人とも。これもマジックバッグに入れて売るわね」
わぅ~
「ええ。もちろん一部は宿に差し入れするから安心してね」
よしっ!これで今日と明日の飯は豪華になるな。全く、生肉なんてどうかしてるぜ。あんなの何時でも食べられるし、調理済みのあの味を覚えたらもう戻れないね。
フィーナ視点その後
目的の薬草も取り、お世話になっているアルゼイン建築の家に帰る。
「で、林の先に進んで魔物に襲われたのか?」
「そうなんです、シュタッドさん。でも、リンネやソニアが対処してくれましたから」
「その…怖くはないのか?俺なんかは直接戦えるからいいが、フィーナは戦えないだろう?」
「最初は怖かったですけど、もう慣れました。リンネたちが強くて信頼できますし」
「そ、そうか。だがな…」
何か言い淀んでいるシュタッドさん。どうかしたのだろうか?
「ほら、フィーナが心配だって言ってあげなよ」
「お袋!余計な事をいうんじゃ」
「あっ、お母様。お食事が出来たのですね。私も運びます」
「良いのよフィーナちゃんは。今日は外に出て疲れたでしょう?」
「いえ。元はと言えば私は食事を作るのにこちらにお世話になっているのですし…」
元々はスラムで暮らしていた私はアスカさんと出会った。そしてリンネを紹介してもらい薬草やシェルオークを採ることで何とか借家にみんなで住めるようになった。それから、それ以外にも働けるようにとこのアルゼイン建築での食事補助という形で働き始め、今はここに置いてもらっているのだ。
「良いのよそんなこと。それに外に行かない日はきちんと働いてるじゃない?外に行くのだって元スラムの子たちのためでしょう?ちょっとぐらい休みなさい」
「では、お言葉に甘えます」
でも、普段から食事を作ったり、配膳をしたりしている私は手持ち無沙汰になってそわそわしてしまう。
「何そわそわしてんだ?」
「普段、こういう時は配膳とかしているので…。それに、こちらにお世話になってまだ日も浅いですし」
「気にするな!俺たちがいつも世話になってるからな」
「迷惑かけてるの間違いでしょ。あんたたちが適当だから、フィーナちゃんが買い物も食事当番もやる羽目になったんじゃない!」
「あれは、ガイウスのやつが悪いんだよ!あんなものを大量に買い込むから…」
「それ以前にあんたたちは食材切って、鍋にぶち込めばいいと思ってるからああなるんだよ」
「おかげで、私の給料も増えましたしいいんです」
「そういや、前住んでたところは改装したんだってね」
「はい。スラムはなくなりましたけど、まだまだ生活に困ってる人はいますから。男性用と女性用の宿泊施設も兼ねた作りに変えたんです。あの子たちにも私が仕送りするだけじゃなくて、自分のやりたいことをして独り立ちして欲しいですから」
ジェーンさんの紹介でアスカさんに借りてもらった借家は、大家さんに話を通して2部屋ある部屋を男女の寝室にしてリビングを共有場所にした宿泊施設に作り替えた。長期の滞在が出来ない代わりに格安で、仕事をあっせんすることも将来的には目指している。
「シュタッド。お前もアルゼイン建築を継ぐのなら、こう言ったことに目を向けなければならん。街あっての俺たちだぞ」
「わ、分かってるよ親父」
「ふふっ」
「ど、どうかしたかフィーナ?」
「いいえ、こうやって皆さんの会話を聞いていると自分も家族になった気になれるなって」
「そ、それなら…」
「あらあら、そんなに遠慮しないでいいのよ。私はフィーナちゃんのことは娘のように思ってるからね」
何かを言おうとしたシュタッドさんにかぶせて温かい言葉を言ってくれる女将さん。言葉使いも一杯教えてもらって、私もお母様のように思っているのは秘密だ。
「何でさっき遮ったんだよ。折角の機会だったのによ」
フィーナが部屋に帰ったことを確認して愚痴る。
「あんたは全く…。あんな雰囲気の欠片もないところで何言おうとしたんだい!もっと、場面を考えなよ。人んちを建てたところで適当に告白でもされてみな、ぶちのめしたくなるよ」
お袋がそういうと親父が下を向いた。どうやら覚えがあるらしい。
「あんな苦労人で素直な子にもっと気を使ってやらないでどうするんだい?あんたがいなけりゃロビン君に紹介してるんだよ」
「ロビン君?誰だそいつは」
「ワインツ村からたまに来てる子だよ。年も近いし、弓の名手らしいよ。態度もいいし、街でも評判なんだよ」
「はっ、村の出身者なんざ大げさに言うもんだぜ」
「ふ~ん。ちなみに弓の師匠はアスカちゃんで、彼女も腕を保証してるぐらいなんだけどねぇ~」
「何だって!」
翌日、すぐさま街に出て情報を集めた俺は、出来るだけフィーナが奴に会わないように今後の買い出しの予定を組んだ。
「若も好きですねぇ~」
「こんだけ豪気なのにやっぱり若い子が良いんすね~」
「お前ら…」
そんな感じで日々を過ごしていると、告白の機会も中々ないもので時間だけが過ぎていく。
「シュタッドさん聞きました?エステルさんに続いて、エレンちゃんも結婚するみたいですよ」
「何?相手は新しく厨房に入ったやつか?」
「そうみたいです。いいですね、花嫁衣裳なんて…私にはまだまだ早いですけど」
「あら、そうなのかい?じゃあ、この前依頼が来ていた新居の件はやっぱりそれ関係なのかねぇ」
「お袋、聞いてないぞ?」
「おや?その歳になって結婚すらしてないバカ息子に新婚の建物を任せられるとでも?いくら跡目を継いだからって調子に乗るんじゃないよ」
「まあ、そうだな」
「親父まで」
「いい歳して実績あるアルゼイン建築の棟梁が未婚だ。うちにはそういうのは頼みにくいのも確かだ」
普段黙って仕事をする親父にまで言われるなんて…。覚悟を決めて俺はフィーナを部屋に呼び出した。
「どうかなさったんですか?部屋に呼ぶなんて珍しいですね…」
「ああ、その、前から言おうと思っていたんだが…」
「もしかしてこの部屋のことですか?確かに前から気になっていたんです。居候の身には過ぎた部屋だって」
「いや、そうじゃなくてだな…」
「では、なんでしょう?」
「前から好きだったんだ。俺と所帯をもってくれ!」
「しょ、所帯?だ、誰と誰がですか?」
「もちろん、俺とフィーナだ」
「ええっ!?で、でも、私は素性も知れないただの居候ですし…」
「そんなことは関係ない!いつも一生懸命なお前が好きなんだ!」
「きゅ、急に言われても心の準備が…」
「じゃ、じゃあ、いやではないんだな?」
「い、いやだなんて…。お母様もお父様も良くしてくれますし、家族みたいに思ってます」
「なら、いいのか?」
「いきなりすぎます!そんな都合のいいこと考えてませんでしたから」
「じゃあ、明日から徐々にだな…」
「はぁ。もう、心臓に悪いです。シュタッドさんは…」
その頃、部屋のドア付近では。
「何やってんだいあのバカ息子は。これが数年間の成果かい」
「俺が悪かったのか?急かすようなことを言ったから…」
「何言ってんのさ。あんたがああ言わなきゃ、次の機会は死ぬ間際に孫が見たいっていう時だったよ」
「それは困るな」
「だろう?あたしだって、フィーナちゃんの子なら今すぐにだって拝みたいんだよ」
そんな会話が行われていた。それから数年後…。
「お母さま~」
「あら、今日もアーシェは元気いっぱいね」
「うん!明日はグリフィンに街をあんないしたげるの!」
「そう。お母様はついて行っちゃだめかしら?」
「だめ~、お母さまがいたらグリフィンったらそっちばっかりなんだもん!」
「じゃあ、代わりにリンネとソニアを連れていって頂戴。あの子たちの散歩をお願いしたいの」
「いいよ。リンネたちはいっぱい遊んでくれるし」
「よかったわね」
「フィーナ、こっちにいたのか」
「旦那様」
「外はまだ寒いだろう。中に入ろう」
「はい」
「アーシェも入るぞ」
「は~い」
「アーシェと何を話していたんだ?」
「乙女心についてです」
「ぶっ!なんだそれは」
「グリフィンにはまともな告白をして欲しいのです」
「勘弁してくれ。俺にはあれが精いっぱいだったんだ」
「分かっています。旦那様が必死に私に告白してくれたことも。ですが、改善してほしいのも事実なのです。今お母様とマニュアル本を作っているのですよ」
「そこまでしないといけないのか…」
「旦那様とお父様の話を聞く限りは」
「アーシェは大丈夫なのか?」
「あの子はお母様に似てしっかり者ですから。相手はそうですね…候補はロビンさんのところかエレンちゃんのところでしょうかね」
「その名前をここで聞くとはな…」
「どうかなさいました?」
「いや、確かにどっちも有望株だ。目をかけておくか」
「最も、どちらの子も一度会ったアスカさんの子どもに興味津々でしたけど」
「それは大変だな」
「アーシェ自身も惹かれていましたけどね。血は争えないってことですね」
「なんだそりゃ。お前もついて行きたかったのか?」
「とんでもありません。私は戦いはさっぱりですし、旦那様は私がいなくてもよかったのですか?」
「バカなことを言うな。そんな訳ないだろ」
「思い返せば、実力があればついて行きたかったんですけれど…」
「おい!」
「ふふっ、冗談ですわ。それより、今度こそは子どもの名前考えておいてくださいませ。生まれて1週間も名無しではかわいそうですわ」
「分かっているが、候補が30から減らなくてな」
「はぁ、ではアーシェに頼んでみてください。喜んで選びますよ」
「フィーナ、お前はいいのか?」
「私は旦那様たちに会えただけで幸せですから」
こののち無事生まれたカリンと名付けられた子どもは太陽のように朗らかな少女として、街で有名になるのだった。しかし、過保護な姉のおかげで中々異性と話す機会がなかったようだ。