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アスカ、臨時パーティーを組む!?

遺跡探索も終え、レディトに帰ってきた私たちだったが…。


「どうしましょう?サンダーバードたちついて来てますよ」


「あんたがいらないことをしてくれたおかげでね。ここまでついてきちまったら仕方ない。宿に泊めるしかないだろうね。ティタ、説明を頼んだよ」


「りょうかい」


ティタは直ぐに茂みにいる2家族に話しかける。話が進むと、とても喜んでいるみたいだ。サンダーバードたちもバサッと出て来て、私の周りを歩く。街に入った後は街の人の好奇の目にさらされてしまった。というのも街の人はサンダーバードを見たことがなく、害意がないのは私がいて分かるので、興味津々なのだ。視線に耐えきれず、そそくさと宿に逃げ込む。


「いらっしゃいませ!あら、団体様ですね。どうしましょう?お部屋3部屋にしますか?」


「そうしてくれ。後、鳥のエサは…。あるわけないか」


「申し訳ありません。サービスで餌を入れたりできるかごを用意しますので」


「助かります。ほら、みんな行くよ~」


リィ


わふっ


サンダーバードに続いて、ソニアも付いて来ている。もちろんリンネもだ。これぞ魔物使い!って風景だけど、あんまりうれしくないのは何でだろうか。精神的に疲れたので、部屋に付いたらちょっと休む。


リィ


「あっ、ごめん。休めるところが必要だよね。明るいのもなんだしなぁ。そうだ!テントを組み立てるよ」


私はガンドンのテントを出すと、早速組み立てていく。中は光を遮り暗い。だけど、サンダーバードたちにはそれが良かったみたいで、中ではしゃいでいる。


「もうちょっとしたらご飯も持ってくるからね」


リンネたちは宿の見張りもかねてお外で過ごすことになった。というのもガンドンのテントと言えど、サンダーバードたちとリンネとソニアだと狭かったのだ。鳥たちも落ち着かないだろうしね。


「アスカ、入るよ?」


「リュート!?どうぞ」


何の用だろうと思ったけど、みんなのご飯を頼んでたんだった。


「はい。これご飯。あれ、リンネたちは?」


「ちょっと部屋が狭かったからお外に行ってもらった」


「そう。なら、2匹の分は外に持って行くね」


「うん。ありがと」


私はリュートからご飯を受け取ると、早速テントを開ける。


「わっ!眩しい!!」


テントの中は滅茶苦茶明るかった。えらくはしゃいでるなぁと思ったけど、みんなで誰が一番明るいか競っている様だ。MP大丈夫かなと一瞬思ったけど、子どもで200、大人で300の魔力ならMPは最低でも600ぐらいから最大だと1000ぐらいはある。ライトの魔法でそこまで使うことはないからそのままにしておいた。というか日常的にこれをやってるから魔力が高いのかもしれないな。


「ほら、遊ぶのもいいけどご飯だよ」


私は話しかけると一斉にこっちを向いてピタッと止まる。そして、ばっと子どもからエサを食べ始める。草食な上に子どもから食べさせるなんて、とても平和的な鳥のようだ。その日は結局、ちょっと遅くまで飛び回っていたみたいだった。もっとも宿の床までは衝撃が伝わらなかったので、周りには気づかれていないみたいだけど。そして翌日。


「みんな、今日は出かけてくるけど、大人しくしててね」


リィ


見張り役にティタを置いて、私はリンネとソニアを連れてギルドに向かう。目的はソニアの登録だ。それとレディトに帰ってきたとはいえ、数日待機で暇なのでちょっとギルドに寄って依頼を見てみようと思ったのだ。みんなとはこの3日間は休日ということで話しもしている。レディトでのんびりすることも普段ないしね。


「こんにちわ~」


「あら、アスカちゃん。依頼ですか~?」


「それもなんですけど、従魔の登録をと思って」


「そっちの緑色の子ですね~。少々お待ちを」


受付のお姉さんにチクッと針を刺してもらい登録してもらう。


「はい、大丈夫ですよ~。それにしてもアスカちゃんの従魔はおとなしいですね。針を見せると途端に興奮したりするもんなんですけど~」


「そうなんですか?リンネもソニアも大人しいですよ」


「私としてはうれしいですね。大けがする人とかもたまにいて~」


さらっと言ったけど、結構重大なことではないだろうか?その後は従魔のしるしに、黄色の足環をもらう。リンネは青でデザインは一緒だ。


「はい、これがカードです」


「どうも」


私は早速、ソニアのステータスを確認する。


名前:ソニア

年齢:3歳

種族:ソニックウルフ

従魔:Cランク

HP:346

MP:220/220

力:110

体力:102

早さ:201

器用さ:103

魔力:80

運:38

スキル:俊足、超音波、風魔法LV2


おおっ!普通に強い、というかリンネより魔力と器用さ以外はやや低く、残りは高いみたいだ。俊足もリンネと一緒のスキルだね。後は…超音波と風魔法か。魔力も高いし、ひょっとしたら超音波攻撃は魔法扱いなのかもしれないな。だけど、近接用のスキルがないから接近戦は思ったより苦手なのかも。気をつけなきゃ。


「護衛とかは日にちがかかるし、採取もなぁ。何か変わったやつはと…」


登録も終えたし依頼を見ていくと、あまり見かけない依頼を見つけた。


「何々…サンドリザード討伐訓練。Cランク以上で一定の経験がある方か。日帰りだしこれにしよう」


それに依頼料も銀貨3枚と十分だし。解体あればなおよしか。持ってないけどなくてもいいみたいだし、受けてみよう。臨時のパーティーも一度、体験してみたかったしね。こうして私は登録ついでに臨時の依頼を受けるのだった。


「あら、アスカちゃん依頼ですか~?」


「はい。これをお願いしたいんですけど…」


「この依頼は…ちょっとカードを貸してもらえますか?これは条件がありますので~」


「分かりました」


言われるがまま、お姉さんにカードを渡す。


「では…討伐履歴のサンドリザードとハイロックリザードも一応検索に入れてと。ええっ!?ハイロックリザード1にサンドリザードの討伐数も多い…。アスカちゃん…いえ、アスカ様よろしくお願いします」


「えっ、あっ、はい。でも、よろしくって?」


「この依頼は訓練ですので、立ち会いが必要なんです。私たちも参加しなければならないのですが、このような方についてもらえるとありがたいです。同僚の中には怪我をしたものもおりますので」


何だか丁寧な言い方になってるけど、そんなに大変なのか。30分後に西門集合とのことだったので、ご飯を用意して西門で待つ。


「なあ、あんたも訓練参加者か?」


「はい、初めてなんですけど」


「そうか、俺は二回目なんだが、うちのパーティーの奴らは初めてだ。よろしくな」


「こちらこそ」


「何だ。今回はソーズの連中とか。足引っ張んなよ!」


「そっちこそな」


向こうからも5人組がやって来た。ソーズと言われた人たちは4人で、私もいれると10人が一回なのかな?


「で、そっちのガキは新メンバーか?」


「いや、彼女は俺たちとは別だ」


「じゃあ、ソロか?珍しいな。しかも、そいつはウルフか?一応Cランクなんだな」


一応は余計だよ。そんな話をしていると、受付にいたお姉さんがやって来た。


「皆さんお揃いですね。それではこれから現地近くまで参ります。それまでは、お手数ですが私が真ん中で、どちらかのパーティーが後ろをお願いします」


「まて、まだ肝心の指導員が来ていないが?」


「そちらにいらっしゃいますよ?」


「な、なに…では、この子、いやこの人が!?」


「はい!今回の指導員のアスカさんです」


「おいおい、シールさん。冗談はいけないぜ。こんなガキが指導員のはずは…」


「私がギルドで直に確認しましたが、以前の方よりも信頼できます」


「き、君、本当なのか?」


「えっ、まあサンドリザードなら、問題ないですけど。指導員ですか?この依頼は討伐訓練では?」


「あ、ああ、アスカ様。あの依頼は訓練の指導員を募るものですよ。アスカ様なら大丈夫です」


「本当かよ!試しに出たところの木でも切ってみろ」


「いいですけど。ついでだし薪にしますね」


「薪に?」


「はい!野営の時に手間が省けますから」


依頼をよく見てなかったので、とりあえず実力に問題がないことを見せないといけないらしい。でも、木を切るだけなんてホントにいいのかな?


「ウィンドカッター」


風の刃で枝打ちと上の不要なところを落として木を倒す。さらに上下を切っていって薪にしていく。後は弱めの火魔法で乾燥させれば終わりだ。なんだかソニアにみられていたけど、やり方が気になったのかな?


「とりあえず終わりましたけど…」


「は、早い!」


「それに正確だわ。私じゃできない」


「慣れたら誰でもできますよ~」


できた薪はマジックバッグにいれておしまい。


「ま、薪をバッグに!?」


「重たいですからね」


複数持っているのでそう返したが、後でそういうのは普通は現地で作るか普通のバッグにいれるそうだ。高いからもったいないんだって。使わない方がもったいないと思うけどなぁ。


「まだ、文句がおありで?」


「いや、このまま進んでくれ」


5人組の方も納得してくれたみたいで、スムーズに進む。でも、あんなんじゃ強さなんてわからないと思うけどなぁ。


「では目的地近くまで行きます」


アスカはヒューイたちを除けば、Cランク未満の冒険者と一緒になることはないため、理解していなかった。ウィンドカッターが何度も行き交ったり、複数属性を同時に使うことの難度が高いということを。それだけである程度の実力がわかってしまうのだ。



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