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オタクな俺がポンコツ美少女JKを助けたら、お互いの家を行き来するような仲になりました  作者: 木嶋隆太


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第24話



 咲はそんな投げやりな返事にも関わらず、満足した様子だった。


「そういえば……直接お会いして小説の感想をまだ伝えていませんでしたね」

「……あー、そういえばそうだったな。ダメだと思った部分はいくらでも教えてほしい」

「いえ……私のようなただの読者には悪いと思った部分はありませんでしたよ? とても楽しませていただきました。次巻が発売されるのも、心待ちしています」


 夜の闇を払うような満面の笑顔に、治もつられて笑った。


「……そう、か。ああ、なるべく早く出せるように頑張るよ」

「そ、それで……ですけど……本日ので……デート、は……参考には、なりましたか?」


 控えめに、少し恥ずかしそうに、だけど鋭く窺うような視線に治は唸りそうになる。

 それから、放課後を振り返り――。


「ああ、参考になった。こういうと引かれるかもしれないけど、家族以外で異性と一緒に出掛けたことがなかったからな。……だから、こうやって今日付き合ってもらって、凄い助かった。気の合う人と一緒にいるのって楽しいんだな、とか色々な……。だから、ありがとな」

「……た、楽しかった、ですか?」


 咲が頬を染めながら上目遣いで言った。

 その顔に、どきりと治の心臓が大きく跳ね、それから頭をかいた。


「そ、その……変な意味とかじゃくてな。小説の主人公とかの心境を思いながらって意味で、その気持ち悪がらないでほしいというか」

 

 治の口から出た言葉は、嫌われたくない一心で絞り出したものだった。

 しかし、そういった途端、咲は少し頬を膨らませたあと、


「……そ、それでは……その。島崎さんは……今日一日を楽しんでくれなかったんですか?」


 先ほどとは一変、悲しそうな咲の表情に治は慌てて首を横に振った。


「……楽しかった、な。ああ、楽しかった」


 治がまっすぐに咲の目を見てそういうと、咲はほっとしたような息を吐いた。口元には安堵ともとれる微笑が表れていた。


「……そ、そうですか。それなら良かったです」


 そのまま歩いていこうとした咲の隣に並び、治は問いかけた。


「ちょっと、聞きたいんだけど……飛野は、どうだった? 多少なりとも、楽しめはしたのか?」

「わ、私ですか!? 私はあくまで島崎さんのお手伝いをと思いまして……」

「……つまり、楽しめはしなかった、ってことでいいのか? さ、参考までに聞かせてくれないか?」

「しょ、小説の……参考、ですよね?」

「……ああ」


 ヒロインが喜ぶような物語を書きたい。それが治の心にあったため、仮にも放課後付き合ってくれた咲が今日一日をどう評価したのか気になっていた。

 咲は頬を赤く染めながら、視線を横に向け、


「……た、楽しかったです。はい、楽しかったですよ。島崎さんと一緒にお出かけできて、悪い気はしなかったです、はい。はい……っ!」


 声を大きくして、咲はすたすたと歩いていった。

 気づけばマンションの近くだった。街灯の下、咲は振り返りすっと頭を下げる。


「ここまでありがとうございました。……今日はとても楽しかったです」

「……ああ、俺もだ」

「もう夜も随分と遅くなってしまいましたから、お気をつけてくださいね」

「気を付けるってほど離れてないから大丈夫だ」

「それでもですよ。この一瞬で何かに襲われるかもしれないんですから」

「……大丈夫だよ。それじゃあ、おやすみ」


 治がそういうと、咲は顔をみるみる赤くしていって俯いた。


「……どうした?」

「い、いえ……なんでもありませんよ。……お、おやすみなさい、島崎さん」


 咲が控えめに手を振りながらそう言った言葉に、きゅんと恥ずかしくなる。

 治は動揺しながらもそれを表に出さないようにしながら、手を振った。


 


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