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バレンタインチョコレート?  作者: 鈴木ゆずも
4/5

「好きなの?」

さて。

あゆはどんな回答をするでしょう。

惇哉のことは好きなのかな?

「惇哉はさ、私のことが好きなんだね。」


惇哉は深くうなずいた。

あゆは惇哉に問いかけた。「どうして?」と。

惇哉は答えられなかった。理由など見つからなかった。

なんとなくそう感じただけかもしれない、とそう思えてきて怖かった。そして何より、あゆの存在が怖かった。

あゆは惇哉が答えられないのを確認するといった。


「そうだよね~答えられないよね。だって惇哉は私なんか好きでも何でもないんだから。」


惇哉は「そうじゃない」と答えようとした。が、あゆに止められた。

あゆは、「最後まで聞け!」といい、惇哉を黙らせた。


「いい?私は惇哉なんか好きじゃない。私の発言をさ、思い返してみなよ。私はこの人生で1度も惇哉のことが好きなんて言ったことがないはずなんだけど。違う?」


あゆは言い切るとすっきりしたみたいに息を吐いた。

勘違い男に迷惑をかけられた、そう思っているかのように惇哉を見下ろす。


「もう一度言ってあげるよ。惇哉なんか好きでも何でもない。付け足すと、無関心ではないかな。私は、惇哉の存在それ自体が大っ嫌いなの。今だけじゃない。ずっと前からね。もとからあんたは変態男だったのよ。確かに私は杏たちが言ったように、あんたのことを見てた。でもそれは、好きだからじゃない。それくらいはわかるでしょう?」


喋るのが怖くなって惇哉はうなずいた。

あゆは続けた。


「それじゃあ、なんであんたのことみてたかわかる?」


分からない惇哉は答えなきゃの一心で必死になっていた。

あまりにも遅いので、あゆは惇哉にうんざりしていた。

もういい。答えなくても、とあゆは言った。無駄な時間を使いたくなかったから。


「それじゃあ答えを教えてあげるよ。惇哉。こっち来て。」


あゆが惇哉を手招きした。

惇哉は、嫌いなはずなのに・・・。と、不思議に思っていた。

あゆは、バックからチョコレート・・・?を取り出すと、惇哉のお腹に思いっきり

突っ込ませた。

しかし、それはチョコレートではなかった。

惇哉はなぜ勘違いしたのか。

そんなことはわからなかった。でも、ひとつ惇哉に分かったことがあった。

それは・・・・。


あゆは惇哉のことが嫌いで惇哉を殺すためにここへ呼んで

チョコに見せかけてナイフで殺したのだ。


それが、惇哉に分かる、精いっぱいだった。

ホントは早めに逃げておくべきだった。

嫌いだと言われたときに異変に気付けばよかったのだ。

最後、あゆは惇哉に言った。


「見てたのはね、あんたの殺し方を考えてた。そしたらこの考えにたどり着いたわけよ。」


そしてあゆは笑い、言い残して惇哉を一人にさせた。

そして、惇哉はそこで12年の短い人生を終えた。


あーらら。

殺しちゃった。そ、そこまで嫌いだったの?

まじか。だから言ったのに!ほんとに惇哉のこと好きなのかなあ?ってさ。

びっくりしたよ。えっあゆって好きな人いたの?ってさ。

まさか惇哉じゃないよね・・・。

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