251 闇
闇。
闇が広がる。
何処までも闇が広がっている。
闇だ。
暗い。
ここは暗く、そして、とても寒い。
心が凍る。
消える。
想いが、心が消える。
駄目だ、このままだと駄目だ。
消える。
消えたくない。
漂う。
揺らぐ。
何も無い。
見えない。
暗い。
何処までも闇が広がっている。
闇だ。
何処までも真っ暗で何も見えない。
寒い。
凍える。
冷たい。
嫌だ。
ここは嫌だ。
消える。
消えたくない。
暗い。
揺らぐ。
何も見えない。
暗い。
何処までも闇が広がっている。
闇だ。
何処も闇だ。
闇しかない。
暗い。
何も見えない。
何で何も見えないんだろう。
暗い。
僕は、
僕は何でここに居るのだろうか。
ここは何処だ?
暗い。
何も見えない。
揺らぐ。
漂う。
揺らぐ。
何も見えない。
暗い。
何処まで続くのだろうか。
何が起きているのだろうか。
何が起きていたのだろうか。
何が起こったのだろうか。
分からない。
暗い。
ここは暗い。
寒い。
僕は、誰だ。
誰だったんだろうか。
いや、僕は、僕だ。
でも、消える。
漂う。
ゆらゆらと、そして消える。
消えない。
消えたくない。
暗い。
何も見えない。
暗い。
暗い。
暗い。
暗い。
寒い。
寒い。
寒い。
暗い。
どれくらい、そうしていただろうか。
ただ、必死に消えないように、意識を、自分を、自我を、想いを繋ぐ。
永遠とも思える時の中、延々と暗闇の中で過ごす。
ただただ、消えたくない、このまま終わりたくないという気持ちだけで漂い続ける。
そして、光が生まれた。
暗闇の中に小さな、とても小さな光が生まれる。
小さな光なのに、暗闇になれた目には、とても、眩しい。
目?
目とは何だろう。
何もない。
眩しい。
光。
何の光だろう。
光に吸い寄せられる。
光。
眩しい。
光に触れる。
手もないのに、なんで触れたのだろうか。
ぐにゃぐにゃとした感触。
暖かい。
今まで寒かったのが、冷たかったのが、嘘のようだ。
暖かい。
そうだ、これが暖かさ。
感覚。
感じる。
まるで体のような。
そうだ、体だ。
体。
暖かい。
動く。
これが体だ。
ぐにゃぐにゃ。
這う。
ぐにゃぐにゃ。
這う。
動く。
体。
これが僕の体だ。




