表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ニジゲン⇔ゲンジツ  作者: のぎVer.2
二次元と現実
20/22

初めまして

大和と未来は、受付の所に待機させられていた。もはや雑務係と化しているが、言うだけ無駄なことを知っている。


「なんで男子高校生を待ってんのかね~?」

「俺に聞くなよ、代表がなに考えてるのかなんてわかんねっての」


男子高校生とは、もちろん竜胆のことである。竜胆の父親が竜胆を迎え入れようとしてるのだ。

噂をしてるとなんとやらで、男子高校生二人組が玄関から入ってくるのが見える。


「あれじゃないか?」

「多分な…。おーい、君たち!」


楓と竜胆は声のする方へと向かう。


「あ! 君は電脳世界にいた子じゃないか?」


大和は楓を指さすと、軽く会釈をする。


「大和さんってここで働いてたんですね。」

「まぁね! 凄いだろ?」


未来は大和のことを軽く叩くと、無理矢理本題に戻す。


「君たち、名前はなんて言うの?」

「白井竜胆」


竜胆はそれだけ言うと向こうも事情を察したのか、すぐに代表に連絡する。


「今から案内するからこっちおいで」

「分かりました」


未来は長い廊下を歩いている間考え事をしていた。これから何が始まるのだろうかと、どうして高校生が代表と会えるのか…と。


「着いたよ、ここに代表が居るから」

「ありがとうございます。」


楓はお礼を言ってお辞儀をする。竜胆の方は二人になにも言わないまま、ドアを乱暴に開ける。

未来と大和は、竜胆がドアを開けるのを確認すると、すぐに持ち場に戻っていった。


「無礼だな…竜胆」


代表は嫌そうに言うわけでもなく、淡々と事実を述べただけだ。


「親父にどうして礼儀が必要なんだよ」

「随分と生意気だな…ここでは、初めましてだろ? 楓くんもいるしな。」


楓はなぜ俺の名前を? と疑問に思うが、向こうはお構い無しに話を続ける。


「君たちのお友達は連れてきてないのか? 調べれば分かることだが…まぁいい、話を本題に移そう。」


少し強めの口調に変わると、場の雰囲気がピリピリとしてくる。楓も竜胆も、今は代表の話を聞くことしかできなかった。


「まずは、エリスとイルミの撃破おめでとう。突発イベントとはいえ見事な攻略だった。そしてこれから次のフェーズへと移行するわけだ。」

「次のフェーズ?」

「電脳世界だけで遊ぶのは飽きただろう? だからこっちでも遊べるように…と」

「どういう事だよ! 親父…まさか」

「君たちも知ってるのだろう? 向こうでの死は、こちらでの死を意味することを」


こいつは…ゲームをプレイしていない一般市民も殺そうとしているのか。聞いているだけで目眩がする。


「もうじき遊べるようになる。と言っても君たちに同意してもらおうとは思わないが、拒否権を与える気もない。ここに居たらすぐに殺されるぞ? ルールは従業員には伝えているからな」

「親父はなにがしたいんだよ!」


今にも殴りかかりに行きそうな竜胆を、楓が力ずくで止める。すぐにここを離れたいが、竜胆の熱は下がりそうにない。


「早く出ていかないと、今ここで殺すことになるな」


そう言いながら見せるのはひとつのカプセル。それを見ただけで竜胆と楓は、代表がなにをしたいのか瞬間的に理解した。

仕方なくその場を離れ、二人は部屋をあとにする。


「代表…これから楽しみですね」

「私がこの国を支配するのだからな、これはその前段階に過ぎん」


代表は不敵な笑みを浮かべると、カプセルを持って自分の野望のために…プロジェクトを始動させた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ