業火VS轟雷
僕にも異能力発現しないかなぁと思う今日このごろ
「黒雷!!」
空気を切り裂く雷は楓に一直線に飛んでいく。
胸を貫いてなお、止まることのない雷にギャラリーは息を呑む。その雷は市街地に吸い込まれるようにして消えていった。
しかし、貫いた胸の部分は数秒とかからず再生していき、何事も無かったかのように傷の修復は完了する。
竜胆は足に力を込め一気に楓の元へ近寄り、少し飛び上がると、上から思い切り殴る。その速度は不死鳥状態の楓よりも速く、楓はその速度に対応しきれずに、顔面への攻撃を許してしまう。
「黒雷爪!」
さっきと似たような攻撃が放たれる。しかしこれは近距離用の技で範囲が狭い分威力も集約されている。その技がお腹に直撃し、楓は苦悶の表情を浮かべる。
「再生するだけで、痛みが無くなるわけじゃあないもんなぁ!?」
右腕から放たれるは雷を帯びたアッパー。そのまま回し蹴りと連続攻撃を喰らい、最後に上から叩きつけられて地面に倒れ込む。傷口は徐々に回復していくが、もちろん竜胆は回復が終わるのを待つわけがない。
倒れ込んだ楓を蹴り飛ばし、楓は地面を転がっていく。そこに、もう一度黒雷を放ち、楓はピタリとその場で止まる。
竜胆は確実に仕留めようと楓に近寄ろうとする。しかし、竜胆と楓の間には、ひとつのカプセルが仕掛けられていた。
そのカプセルから大量の爆薬が飛び散る。爆薬は楓の炎に触れると、視界を埋め尽くすほどの爆発を起こす。
「罠を仕掛けてたのか!」
「簡単にくたばるわけないだろ」
楓は再生を終わらせ、竜胆が煙の中から出てくる。
楓と竜胆は激戦を繰り広げた。速度は竜胆の方が速かったが、再生能力で楓は対抗していた。
「はぁ…はぁ…」
二人は息切れして疲弊しきっていた、これ以上戦闘を続けるのも無意味だと二人は悟り、竜胆がひとつ提案する。
「次の技で決着をつけよう」
「いいぜ、ここでぶっ倒せば終わりだ」
二人は最大のオーラを練り込む。その二人姿は業火と轟雷そのものだ。
「黒雷竜爪…!!」
「火之迦具土神!!」
ふたつのエネルギーは丁度真ん中でぶつかり合い、なんとも言えぬ衝撃を発する、その衝撃は二人を飲み込み、吸収する。
エネルギーから光が失われ、二人の姿が見える時、戦いは終わっていた。
「俺の勝ちだ…竜胆」
ボロボロになりながらも立っていたのは楓。その目の前で竜胆は倒れていた。
「弥生…竜胆に薬を…ここで死なれたら、全部無意味になる」
「う…うん!」
楓は地面に座り込みそのまま後ろに倒れて空を見上げる。
「約束…守れよ」
「分かってる」
なんとかして竜胆に勝つことができた。負けた竜胆は、またしてもふてくされる態度を取っていた。
そろそろ現実に帰る頃だと思います(他人事)
ここまで読んでくれた方には感謝の気持ちでいっぱいです!まだ完結してないけど!