決戦
今回は短めのお話となっております。
色々と都合があったためです…ごめんなさい。
「隊長様〜しっかりしろー!」
「逆賊に負けるのかー?」
観客席からは色々な声が飛んでくるが、そのほとんどがエリスを心配したり応援したりの声だった。
「もちろんだ! 負けるわけがないだろ!」
怒りを含んだ言い方して、拓磨に突っ込んでいく。毒を体に纏わせて応戦するが、お構いなく蹴りを入れる。
エリスの目に写るのは倒れたイルミ。
イルミとは幼少期からの付き合いで、ニコイチの存在だった。その存在が今、敵によって倒されている。
少しずつ左足が溶けていくが、エリスは怒りに溺れている。弥生の方を睨みつけると、鉄の銃を召喚する。そこから撃つまでに一秒とかからず、弥生の肩を貫通する。
あまりに一瞬の出来事で、楓と竜胆は動けなくなる。
エリスはイルミの元へ駆けつけ、肩を揺すり続ける。
「ん…。」
イルミが起きるのを確認すると、エリスは抱きつき安堵の声を漏らす。
「良かった…。」
「すみません、エリス様…次は必ず倒してみせます。」
「いや、すまない。君一人に任せた僕が悪かった。今から二人で確実に倒す。」
拓磨は先の蹴られた衝撃で、倒れて動かない。弥生はダメージの大きさで失神しているようだ。
「俺ら二人でやるしかないようだな。」
「足引っ張んなよ、クソゲーマー。」
合図と共に、楓はエリスに竜胆はイルミの相手をする。エリスは立ち止まると、甲冑の様なものを呼び出し、それを装着する。
「エリス様! その技は………!」
「彼らは強い、それを認めなければ負けてしまうよ、イルミ。僕も本気を出さなくてはならないようだ。」
エリスからただならぬオーラを感じ取る楓、それは殺気等という生温いものではない。
「死の操演!!」
そう叫ぶとエリスの意識はプツリと途切れ、技を操るのではなく、技に操られる傀儡へとなる。
「エリス様…。」
イルミはそう囁くと、前方に土の塊を集約し、大きい人形を作り上げる。
「竜胆! 嫌な予感がする! 早くそれを壊せ!」
「お前なんかに言われなくても分かってる!」
竜胆はナイフを取り出し、帯電させると人形に向かって投げつける。
「遅い……!」
イルミが念じると巨大な人形は動き出し、ナイフを簡単に弾く。
「あなた達はここで潰されます…。私達の技によって! 破壊の限りを尽くしなさい! 魔導巨兵!!」
「ちっ…間に合わなかったか。まさかここまでとはな。」
「あんな大技、俺使えねぇって…。」
楓と竜胆はふたつの巨大勢力に対抗すべく、それぞれの武器を握った。
毎日投稿し続けて一応2週間経ちましたが、中々物語って進まないですね…
本当は2週間~1ヶ月程度で終わらせる予定でした…このままだと2ヶ月かかるかも…?