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異世界ゲーマーの戦い方

エルフの住居にいたそいつは言うなれば正に、

デーモンというやつだった。

頭にはくるんと曲がった角があり、顔は完全に悪魔、そして3メートルの長身に加え体には白と紫の鎧が身につけられている。

片手に持つ真っ白な剣は人が潰されるほどの大きさがある。


不思議と怖いという感情はなく、冷静に距離を取ると、手始めに『ファイアインパクト』を放つ。


前に出した手の前に大きな火の玉ができ、ゴォオ!と、かなりのスピードでデーモンに向かっていく。


ボォーン!

と音を立て、周りからの砂埃が宙を舞う。



さて、さっきのアリならこれで吹き飛んだが、、


すると、砂埃の中から微かに黒い影が見え、鮮明にその姿を見せる。


なっ!

完全に姿を見せたデーモンは全くの無傷。

かすり傷一つおっていなかった。

おれは、あまりのダメージの無さに驚きを隠せずにいた。


ここにいる魔物にあそこまでダメージを与えられるのなら、一撃とは言わなくとも傷くらいなら付けられると思っていたからだ。


しかし、動揺したのもつかの間、達也は今の攻撃を元に敵の分析を始める。


まず、【エクスプロビジョン】により、デーモンのランクを確認する。

すると薄っすらとデーモンの頭の上からBの文字が浮かび上がる。


Bか、、驚こうとも思ったが正直そんな事は言ってられない。

はぁ、E.Dと順調に強くなっていってると思えばCを飛ばしてB。

おれは、あきらめムードを頭をぶんぶんして振り払う。


さっきの攻撃が効かなかったのはランクが高くなったからか?それは十分に考えられる。

しかし、もしあのデーモンが火の耐性を持っていたとしたら、今後の火の攻撃は無駄になる。

取り敢えずいろんな属性の魔法を使ってみるか、


様々な可能性を考えていると、おれに向かってデーモンが真っ直ぐ突撃する。


考えていたせいで簡単に距離を詰められ、デーモンの剣の間合いに入る。

間合いを詰めたデーモンは走ったそのままの勢いで高速の突きを繰り出す。


しかし、


だろうな…!


達也はそれを分かっていたかのように軽々と右に交わす、そしてまた直ぐに距離を取る。


あいつの間合いに入り続けるのは絶対にNGだ、

達也は直様々な属性の攻撃をする。

しかし、無傷。


攻撃が何も効かない!?


デーモンはしばらく攻撃を受けた後、また直ぐに達也に向かって突進。

またしても同じ攻撃をする。達也はそれを同じようにみぎにかわす、しかし、

突き出された剣がとっさに向きを変え達也に向かって振り払われる。


ザッ!


あまりに想定出来ない動きに、完全に回避することができず、左肩を少し斬られる。


あ、危なかった、、

切り傷程度とはいえ、初めて剣で斬られた痛みを感じる。


どうやらこのデーモンは知恵を持ってるとまでは

いかないものの学習能力はあるらしい。


しかし、今おれが使える最高の威力の全属性の魔法を撃ったがまったくの無傷。

くそっ!もう無理なのか!?

まありのデーモンの防御力に諦めかけてしまう。


考えろ、いつもゲームをする時、こんな状況の時おれはどうしていた!?


そして、達也は気づく。


…まだ試してないことが一つあったな。


達也は右手をデーモンに向け、それをさらに上、天井の岩に向ける。

そして、その岩に向かって『ファイアインパクト』を放つ。


すると、衝撃により落ちてきたおおきな岩の一部がデーモンに命中する。

ガッ!

ほんの微かだがデーモンにダメージが入る。


そうか、、こいつの弱点は物理攻撃だ!

達也はそのゲーム脳でデーモンの唯一の弱点を見抜いた。

しかし、、、


有効な物理攻撃の手段がない、さっきの様に岩をぶつけてもいいが、天井を壊しすぎるとエルフ達の家が破壊されてしまう。


あ、、


達也はここで気づく、自身のエクストラスキルに最強の物理攻撃があることを。


しかしあれは重くて持てない、、、いや、そうだ!持てないなら飛ばせばいいんだ!

達也はネトゲの魔法の中に、『物体操作(ムーブオーバー)』という命のない対象のものを自由に動かすことの出来る魔法。普通は戦闘になどには使わず、アイテムを持ってきたり、重いものを運ぶ時に用いられる設定の魔法だ。

これなら…!


デーモンが達也の方を向く、


達也は覚悟を決め、「来い!デュランダル!」

と言い放つ。

そして、現れたデュランダルに向かって『ムーブオーバー』を唱える。


デーモンは達也に向かい猛突進。


「いっけぇー!!」


デュランダルがデーモンに向かい飛翔する。

そして次の瞬間、


ザン!


デーモンの重々しい鎧の胸にデュランダルが突き刺さる。


グオォォォォオオオ!!!


デーモンは咆哮をあげるとデュランダルを必死に引き抜こうとするが、それは叶わない。


苦しんだ後やがて倒れたデーモンは骸となり、デュランダルの光に包まれ消えていった。







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