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後の相棒

アジト内は灼熱の炎につつまれ三人の戦いをさらにヒートアップさせていた


「うおおおお!」

「はっ!そんな大振りな攻撃あたるかよ!」


アベルの雄たけびとともに繰り出した攻撃もむなしく、簡単に躱され

それと同時に腹に鋭いけりを入れられたアベルは、離れていたルーシュのもとに飛ばされる


「大丈夫?」

「く、・・・ああ、だが、奴に攻撃が当たらんぞ」


両者がにらみあうなかで、ルーシュは一つの仮説を立てた


「・・・あいつのエクストラスキルはまず間違いなく自分を強化する系統のものだと考えていいだろうね、他のアジトを気にしている様子も見れるし、焦っているとは言わないまでも、早くの場所には行きたがっている様子を見ると、手加減しているようには見えない」


まあ、それでもすさまじい強化だけどね

と付け足す


「ああ、俺とルーシュの攻撃をこうもかわしているからな、それにあの力、おそらく瞬発力とかパワーみたいな一つの能力を上げるんじゃなくて身体能力全体を上げているんだろう」

「シンプルだけど、厄介だよね」


実際、アベルとルーシュの攻撃はことごとく躱され、その間に何発もカウンターを受けていた

そして、二人の魔力も連戦によりかなり消耗しており、ルーシュは剣に魔力を宿すので精いっぱいで、アベルは右手にしか炎を出すことができなくなっていた


「・・・はは」

「ん?こんな状況で何を笑っている、おかしくなったなら、今すぐ逃げ出して構わんぞ」


急に笑いだしたルーシュをまるで変人を見るかのような目で見る


「いや、なんだろう、こんな状況だけどさ、仲間と協力して強敵に挑むって、なんだかいいと思わないかい?」


天才といわれ続けてきたルーシュは、常に一人で戦うことを強いられ、そして成長していった。

ルーシュの能力の鎧と盾、そして剣を使うスタイルは、一人で戦うことによって身についたスキルかもしれない


そんなルーシュはこしてアベルという仲間とともに戦うことに、少なからず楽しさを感じていた


「ふん、この状況でよくそんなことが言えるな、お前の能力も、無様な状態になっているというのに」

「はは、まあね、でもアベルだってそうだろ?」

「くっ、まあな」


緊迫した戦場のなかで、二人はくすりと笑う


「あー、こうしてたらさ、思い出したよ」

「ん?なにをだ?」

「仮面の騎士さんと戦ったとの」

「ああ、連携・・・だな?」

「そう」


その瞬間、突風を出すほどの鋭いけりが飛んできて、二人を分かつ形でそれを躱す


「ち、どうやら急がねえといけねえ状況見てだ、てめえらさっさと殺して、つぎに仮面の騎士を殺す」


それを聞いて、二人は同時に笑う


「あ?」


「「それは無理だよ」」


その時、二人は完全に息のあったタイミングでそれぞれの攻撃を放つ


「ち!」


かろうじてそれを躱そうとするが、先ほどよりもわずかに鋭くなった二人の攻撃は、後方に大きくのけぞらせた


「いまだ!」

「ああ!」


数回転がった後、顔を上げたときには、アベルの炎の右手にルーシュが乗る形が出来上がっていた


「ふん、俺の炎は熱かろう」

「そうだね、まあギリギリ耐えれるかな」

「ちっ」


アベルはルーシュを砲弾のように発射すると、驚くほどの速度のなか、体制を整えたルーシュはすれ違いざまに一刀を放つ


そして、アベルとルーシュが力なく倒れると同時に幹部の首が地面に落ちたのだった


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