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ミラvsラプハ

「あなたは誰?」

謎の組織?からの攻撃、戦闘音、それに直ぐに助けにこいと言う命令、ミラは混乱する頭の中を一旦真っ白にし、目の前の人物に目を向けた。


「私ー?私はラプハだよ!えーっと、種族はエルフで、今はお仕事もしてるんだけど、内緒にしなきゃだから言わないね!」


気配で分かる。

このエルフはとんでもなく強い、私が今まで殺してきた誰よりも強いかもしれない。


【縮地】


ゼロ距離から5メートルほど後ろに下がる、

それならば経験で勝つ、まずは観察だ、殺しの初めはいつもここから始まる。


「へえ、タツ・・・仮面の騎士様が強いって言うだけあって、早いね。流石に追いつけないや」

その発言に嘘をついている様子は無い、でも、まだまだ余裕って感じかな。


恐らくこの少女に私は勝てない、正面から戦ってはだけどね、

私は暗殺者だ、正々堂々だなんて、性に合わない。


ミスディレクション、意識を別の方向に向ける。

ポケットから、バラバラに切られた紙を取り出す、少女にわざと見えるようにその紙をバッと上にまく。

その瞬間、殺気の開放。暗殺者として押し殺さなければならない殺気を一気に開放する、


「ウインドブースト!」

その殺気に反応したラプハは、とっさに風属性の魔法を放つ。


なんて魔法の発動スピード、でも・・・


ミラはそのまま、空中に散らばる紙とともに、後方に吹き飛ばされようとする、


【縮地・改】


それはミラだけが出来る、縮地の応用技だった、天の才能を持つミラにより研ぎ澄まされた【縮地】は、

すでに空中を踏むことが出来るようになっていた。


音を超えるようなスピードで風の中を抜け出し、ラプハの背後に回ったミラの手には、いつの間にか鋭いナイフが握られていた。


ごめんね。


一切無駄のない完璧な背後からの攻撃、ミラは殺しの手ごたえを感じるのを嫌がりつつも、いつもどうり、暗殺を成功させたと確信した。


ガッ


え?

首を後ろを切り裂いたかと思ったナイフは、首に当たるギリギリで、空気の層のようなものに阻まれ、止められていた


「わわ、お姉さん本当に早いなー、もうこんなところまで、でもね・・・」

くるりと振り向いたラプハは、久しぶりに本気で戦える相手を見つけたかのように、笑っていた。


「そう簡単に私を殺せると思わない方がいいよ?」


ビク!!

ラプハから、自分よりもさらに強力な殺気をあてられ思わず後方に飛ぶ、


「うん、そろそろ目も慣れてきたかな、今の縮地も少しなら見えたし」


目を細めてよく見ると、薄い風の膜は首筋にしかなく、体の前には無かった。

しかし、ミスディレクションも含めたあの時の縮地は絶対に見えていなかったはず、

ということは・・・


「あなた、まさか私が背後に周り、首筋を狙うと読んでいたの?」

「そーだよ、お姉さんの縮地を見た時、そうするのが私を殺すのに一番手っ取り早いかなーって思ってね!」


なんて少女だろう、もし自分の読みが外れていたら、確実に死んでいただろうに、憶するどころか確信している。

いや、普通ならそんなことは出来ない、もしかしたらこの少女は戦闘に関してバケモノだと言えるレベルにいるのかもしれない。

天才と言われてきた自分が笑えるくらいに。


「よーし、それじゃあ次はこっちから行こうかな」


・・・ハハハ、何故だろう、この少女と戦うのが少し楽しく感じるのは。


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