幹部
翌日、いつもの午前の授業が終了し、生徒たちが休み時間に入る。
俺は直ぐに席を立つと、ルーシュとアベルの所に向かった。
「ルーシュ、アベル、今日の放課後に話があるんだけど、いいか?」
「話かい?俺は全然いいけど」
「ほう、珍しいな、俺も別にかまわないぞ」
二人は不思議そうな顔をしていたが、来てくれるらしい、
時間と場所を伝えて、俺は直ぐに学校を出る。
ああ、どうかルミア先生が俺がいなくなっていることに気付きませんように
・・・まあ、まずばれるだろうけど、仕方ない、友達のためだ
小さな祈りを込めて直ぐにマスクを着け昨日の会議で分かったブルノームのアジトに向かう。
フライ
ふわりと体が浮き、空中で自由に体を動かせるようになる、すぐに上空まで上昇し、観察を始める。
ここのアジトは二階建てになっていて、大きな窓がいくつもあり、中が見えやすい、恐らく見張りも兼ねているんだろうが、仇になったな。
「お、あいつがここの幹部だな」
すこしの間上空から見守っていると、直ぐにそれらしき人物が見えた。
他にも何人かいるが、明らかに雰囲気の違うあのスキンヘッドの男が幹部で間違いないだろう
スキンヘッドの男、ジャニーは、大きな椅子に座り葉巻を吸っている
よーし、久々の【エクスプロビジョン】だ
すると、ジャニーの頭の上にB++の文字が浮かび上がる
B++か・・幹部だから覚悟はしていたが本当に強いんだな、
この作戦は早めに行うに越したことは無い。
と言うのも、もちろんミラにこれ以上人を殺してほしくないということもあるが、一番の理由は
作戦を立てていることがばれてしまうことだしな。
さっさと次の幹部の所に急ごう。
・・・・・・・・・・・・・・・
姿が見えなかったボス以外は全員の幹部を確認してきたが、A+に至っていたのはスキンヘッドのジャニーだけだった、他の幹部はBやB+ほど、ジャニーはエリスに任せれだ問題ないだろうが、一応確認しに行くとするか
超上空飛行で洞窟の前までくことで他の人にはばれていないだろう、
洞窟の中に入ると、エルフ達の住居には誰もおらず、奥から、エルフ達の声がしたので、向かう。
すると、俺がデーモンと戦ったところで剣を振ったり、弓を射ているエルフ達がいた
「あ、タツヤ様!」
「あなた達は訓練を続けなさい」
俺に気付いたエルフ達は、訓練の途中だったのか、俺に手を振ってから訓練に戻った
「タツヤ様、本日はどのようなご用件でしょうか」
「幹部たちの力を見てきた、まあ、はっきりと分かるものでもないんだがな、取りあえず幹部と戦うエルフの二人を確認しとこうと思ってな」
そういうと、エリスは剣を振っていた赤髪のエルフと弓を射ていた青髪のエルフを呼び出した
「こちらの二人です」
「なんだ、お前らか」
実はこの二人とは俺が洞窟に遊びに来た時に、何度も酒に付き合ってもらっているのだ、名前は赤い方が
アルトで青い方がハルカだ、
「なんだって何ですか、不満ですか?」
「私はタツヤ様のためなら必ず任務を遂行して見せます」
「アルト、ハルカ、別に不安なわけじゃないさ、むしろ安心したよ」
俺がそういうと、二人とも照れるようにして訓練に戻っていった
さて、あの二人も幹部と戦えるのか、確認しに行かないとな。