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ブルノームのアジトにて

「入れ、ここが俺達、『ブルノーム』のアジトだ」


私たちはお金を返すために男たちに連れられ、街の外れにある大きな建物につれてこられた、隠れるようにして立つその建物は、外見とは違い、見た目以上の強度を持っていそうだった


ちなみに、ブルノームと言うのは、お父さんがお金を借りたところの集団のトップの組織らしい


「俺だ、扉を開けろ」


私たちを連れてきた一人の男がそういうと、大きなドアの隙間からひょいッと顔を出して、私達の事を確認すると、ゆっくりと扉が開く


薄暗い建物の中に入ると、そこは見た目よりもはるかに広い空間が広がっており、建物の左側では、男や女が酒を飲んだりしている、右側は多くの武器が置かれており、さらに奥にもまだまだ続いている


「広い・・・どういうこと?」


あまりの外見との建物のなかの違いに驚いてつい声を漏らしてしまう


すると、横にいた男が得意そうな顔で


「へへへ、俺達のボスのスキルだ、どういうスキルかは俺達も教えてもらえねえほどのレアスキルなんだぜ」


自分も教えてもらってないのに、kよくこんなに堂々と自慢できるものだ


それにしても、これがエクストラスキルで行われているとしたら、どんなスキルなのか想像もつかない


「ついて来い、ボスの元まで案内する」


先頭を行く男に私たちがついていこうとした時、


「おいおい、誰だこんなガキを連れてきたのは」


背中に大きな斧を携えたガラの悪い男がこちらに近づいてくると、私たちを見てギロっと睨む、


「こいつらは親の借金を返すために連れてきた、今後こいつらにはここで働いてもらう」


「ほう、それにしても使えなさそうだな、さしずめ掃除係ってとこか?あーあ、俺はガキが大っ嫌いだってのに、お嬢ちゃんたち、もし掃除がちゃんとできなかったら、俺が可愛がってやるからね?」


「おいおい、俺がサンドバックにする前に壊すなよー」


周りのブルノームのメンバーも笑い、ミラたちを見る


妹達は、そんな状況に恐怖を感じて、私にしがみついたまま震えている


「あ?てめえら俺が挨拶してんのになに無視してんだ?」


怯えたままで、男を見ることが出来ない妹達に、斧を持つ男が声をかける


「っつ、妹達は怯えてるんだ、すまないが許してやってくれ」


「はあ?許すわけねえだろ!!」


ミラの言葉に耳を貸さず、妹達を殴ろうとした時、この場の誰もが、少女がボロボロされる姿を想像しただろう、しかし、ミラの体がとっさに動く、


男が出してきたこぶしに向かって蹴りを放ったのだ、すさまじい速度ではなたれた

蹴りはこぶしと直撃し、その勢いのまま、男は腕を逆の方向に曲げた


「あああああああああ!!!!」


男の叫ぶ声はこの広い空間に響き渡った


その場にいた誰もが、自分の目を疑った、しかし、少女が大男のこぶしを真っ向からねじ伏せた様にしか見えなかったのだ


「どういうこと!?」


ざわざわするこの場を一瞥して、ミラは妹達に向きなおる、


「大丈夫、お姉ちゃんが絶対に守るからね」


その言葉で、すこし安心たのか、妹達は左右の手から離れて周りを確認した


先ほど、男が向かった部屋に入ろうと、進むと、座って酒を飲んでいた男たちがぞろぞろと立ち上がる

そして、私たちを囲むようにして道をふさいだ


「・・・何のつもり?」


「いやあねえ、俺達みたいな仕事してると、お前みたいなガキの頃から天才って呼ばれる奴って結構いるんだよ、そして、大抵そいつらは年上の俺達をなめてやがる、お前にもそれなりの才能がありそうだし、

今のうちに教育してやろうと思ってな」


先ほどまでのニヤニヤした表情ではなく、ミラを脅威と感じたのだろう


「ふん、俺がやってやるよ、この中じゃ俺が一番強えしな」


そう言って前に出た剣士の男は、腰から剣を抜くと、構えの体制をとる


「っし!」


一直線に真上から振り下ろされるその剣はこの場の誰もが確実に少女を真っ二つにした、

そう確信した


しかし、ミラは振り下ろされた剣はキンという地面に当たる音とともに、全員の視界から姿を消した


「っはあ?どこだ!?」


ス、


「!!!??」


剣士の男の首筋にあてられた短剣は、そばにいた別の男の物だ、そして、それを握っているのは


「これ以上やるなら、私も本気を出す」


ミラだった、


ミラは、自らのエクストラスキル【縮地】によって、一気に後ろまで行き、短剣をとり男の首筋にあてたのだ


集団の中の一人が状況をようやく把握すると


「嘘だろ、いや、でも・・・」


「おい、どうしたんだよ」


「あ、ああ、あれはエクストラスキルの【縮地】だよ」


その言葉に周りの全員が驚く


「はあ?縮地であんなに早く動けるわけないわ!私も持っているもの!」


「いや、お前がつかう縮地と俺が使う縮地が違うように、今の縮地はレベルが違ったんだ・・信じたくないがな」


「そんな・・」


元々体の使い方がとてつもなくうまかったミラは、縮地をエクストラスキルなしでも対抗できるほどに

までなっていた、そこにエクストラスキルの効果が入り、ミラの縮地は瞬間移動とも呼べるほどに、

まさに高速移動になっていたのだ。


「こ、降参だ」


カランと剣を落とすと、ミラはその男から離れる


その時、


私たちを連れてきた男が入った部屋が開く


「おい、早く来いって・・・なんだ?また新人潰しでもしてんのか?」


剣の地面に落としたメンバーを見て状況を把握した男が、ため息をはく


「お前ら分からなかったのか?こいつの殺気で」


「こいつはお前達とは次元がちげえよ。」


その言葉を、誰も否定することが出来なかった。




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