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最強の英雄

おいおい、なんだよあのドラゴンは、、、、


俺達の目の前で羽ばたく黒龍は、大きさも相まって圧倒的な存在感を出している

その大きさは翼まで含めると、リングとほぼ同じ大きさほどだ、とげがいくつもある頭に

家など一撃で粉々にしそうな腕、風圧だけでも今にも倒れてしまいなほどだ


「まさか、、あれは、、!」


ティアは驚くようにして龍を見ている


「何か知ってるのか?」


「は、はい、本で見たことがあるだけです、昔話の本の中に出てきた勇者の龍に似ています」


「勇者の龍?」


(私が説明しましょう)


シスが俺の中でそういうと、ティアが横でビクっと体を震わせる


「え?今女の人の声が聞こえた気が・・」


(はい、私です)


「え?え?タツヤ!なにか声が聞こえるよう!」


あたふたして上や下まで確認している、ティア、残念ながら頭の中だ、

それにしても、こんなことまで出来るのか、流石シスだ


俺はティアに、エクストラスキル【双人格】とシスのことについて話した


「なるほど、、タツヤが試合中に止まったりしてたのは、シスさんと話してたからなんですね」


「え?俺止まってた?」


「はい!時々変なところで止まったりしてましたよ!」


まじかよ、作戦立ててる時も動きながら会話できるようにならないとな


「ティアはよく見てるな、教えてくれてありがとう」


ティアはかあっと顔を赤くして


「その、、タツヤのことしか、、、見てませんでしたし、、、」


ん?最後の方は聞こえなかったな


(マスター、いちゃついている暇はありませんよ)


龍は何かを観察しているのかまだ攻撃はしてこない


(そうだな、じゃあ手短にあの龍について教えてくれ)


そして、あの龍が、昔話に出てくるなれの果てだということを聞いた、シスの分析も含めた考察を聞くと、【勇者】を持ったものが、怒りや憎しみといった負の感情を最大限まで増幅させ、人の命を代償に

変身した姿ということだ、


俺はこの話を聞いてピンときた、恐らく目の前にいる龍の本体は、俺が助けたことのある勇者だろう

根拠はいくつかあるが、今重要なのはどうやってあの姿になったかだ。


人間を何人も殺した?だったら国のどこかが大騒ぎになっているはずだ。


試行錯誤していると、ふいに空に紫色の光が撃ちあがった、


刹那、グオオオオオ!!叫び声の後大きな口を開き、炎のブレスを構える


(マスター、来ます!)


俺達に向かって放たれた高質量の炎の塊は、一瞬で俺達を包み込んだ、

地面はブレスの大きさだけ焼き尽くされていた、


「ティア、大丈夫か?」


「ふえ?一体何が・・?」


最上位防御魔法『フルバリア』


ゲームでは半径50メートル以内の仲間と認識しているメンバーを5秒間だけすべての攻撃から守るというものだ、


威力を計算してシスに防御してもらった結果がこれ、フルバリアなんて初めて発動したぞ


この龍、思ったよりもやばいな


グオアアアア!!龍は俺達のがさっきの攻撃でやられていないことに気付いたのか、またすぐに

ブレスを放とうとする、龍の口の中でプラズマが走るのが見えた


「次は雷属性ってか、炎属性だから防がれたとでも考えたのか?この様子だと属性はほとんど使えそうだな」


「す、すごい、ドラゴンが魔法を使うのもですが、何属性も使うことが出来る生物なんていませんよ!」


そういったティアは何かに気付いたのか俺の方をじーっと見る


「もしかして、、タツヤもあのドラゴン?」


「な訳あるか!」


ティアにチョップをくらわす、そうか、俺は日本人だから黒くて尻尾が長いと龍って言っちゃうけど、

ティアたちにとってはドラゴンなのか


「取りあえず、行ってくるよ、ここで戦っても防戦一方だからな」


そういって空へ飛ぼうとする俺の袖をティアが掴む


「そ、その、、無茶だけはしないでください、、、タツヤは私、、夫なんですから」


もじもじしながら、それでも俺の目を見ている


「ああ、分かった、やられそうになったら、、その時考えるよ」


俺は懐から仮面を取り出し、それを付ける



飛び立った俺の後ろから、ティアが大声で


「この国を救って!仮面の騎士いい!」


俺はその言葉を背に、龍へと飛翔した





その頃街では


「おい、、、あれ見ろ」

「あ?なんだよ俺がよそ見してる間にカードすり替えようったってそうはいかねえぞ?」

「いいから!!」

「ったく、なんだよ・・・は?」


「黒いドラゴン・・・まさかあれは・・・!!」

「間違いない・・昔話の言い伝え通りだ」


そのに出ている人々が騒ぎ出し、街の大通りには、かなりの人がいる

その中には、Aランクの冒険者もいる


「この国、いや、世界が終わるかもしれん・・・あれは俺達冒険者の中で大昔から語られてきたドラゴンだ、おとぎ話でも作りばないでもねえ、その話は実話だ」


有名な冒険者のその言葉で、人々は凍り付く

その静寂の中、一人の男が


「ってことは・・・あれが昔話に出てくる・・・人間を滅ぼす力を持つドラゴンってこと?」


「その通りだ」


その瞬間、人々は慌て始める、すぐに家に隠れようとするもの、この場を立ち去ろうとするもの、

生きることをあきらめたもの


「はあ、今更あわててどうする?あのドラゴンが現れた時点で、俺達は終わりだ」

そういって酒を飲む冒険者に、泣いている男が睨みつけて


「おい!お前冒険者だろ!?あのドラゴンを何とかしろよ!」


胸倉をつかんで言うが、冒険者によって直ぐに投げ飛ばされる


「そうだな、俺と同じ実力のやつを、あと10000人集めろ、そしたら1%くらい傷を付けられる可能性が上がるかな」


あまりにも非現実的かつ、疑いようのない数字に人々は生きることを諦めるしかないと思った

その時、龍に向かって一つの影が伸びる


「あ!あれって!!」


一人の少年が指をさした空を、その場にいる全員がみた、そこにいたのは


「仮面の騎士・・・」


銀の仮面を付けた、この国の新たな英雄の姿だった。




「こっちだ!」


爆発魔法をあてることで、何とかブレスの起動を空中の俺に向けることが出来た


それよりどうしよう


この龍、当たり前のように皮膚に魔法防御が付いている、デーモンの鎧とは比べ物にならない程の強さだ

デュランダルで切り裂くのもいいが、それだとこの龍が大きすぎてかなりの時間が掛かる、その上

街への被害もからリ大きいだろう


伝説の化け物なんだしそんなこと言ってる場合じゃないのかもしれないけど


剣を使うと、敵である俺の姿を探すために、様々な方向にブレスを放つだろう、そうなるとこの国は終わりだ、デバフの魔法をかけようと試みるが通じる感触はない


取りあえず空中戦に固定する!!


俺は全速力での飛行を始める、かなりのスピードが出ているはずだが、龍はそれに当たり前のようについてくる


「さて、そろそろいくぞ?」


俺は持てる様々な魔法を使って龍に攻撃する、龍もまた様々な属性のブレスを放つ、


その光景は夜の空に様々な色のインクで光の色を塗るように幻想的だったかもしれないが、

現実はただの殺し合いだ


その時、一つの火球がものすごいスピードで飛んでくる


「こい!デュランダル!」


その火球をデュランダルで真っ二つにすることで回避する、

危なかった、、ラウスのおっさんの戦い方見てないと思いつかなかったかも


自慢の攻撃を防がれて腹を立てたのか、俺を無視して地上に降りようとする


やばい!!


しかし、黒龍は地面に到達する前に、黄金の龍によって空へと投げ出された


あ、あいつは!!


「わしの力が必要みたいですね!」


そこにいたのは、俺が大会に遅刻しそうなピンチを救ってくれたドラゴンだった


「あの時の乗り物!!」


「それはひどいのでは!?」


正直助かった、あのままでは地上に降りられたのは目に見えている

こいつがいたら、もしかしたらあの技を撃つ準備ができるかもしれない!


「おい!少しでいい、時間を稼いでくれ!」


「了解です!!」


ドラゴン同士の激しい戦いが始まった、しかし、黄金のドラゴンは、黒龍のブレスにより、体をよろけさせ、その隙に、ブレスを真下に放たれる


しかし、そのブレスはピンク色のオーラにつつまれ消え去った、

あれは・・


「かめんの騎士ちゃん!こっちは任せて、あんたは倒すことに集中するのよ!」


キャシーだった、ここまでの攻撃も消滅出来るのか・・・!



下を見ると、シオンがスキルを使って誘導し、人々を非難させているのが見えた

他にも何人も動いてくれている人がいた


「仮面の騎士が戦ってるんだ!俺達が諦めてたまるか!!」


そんな声がどこからも聞こえてくる


俺は黒龍を倒す魔法をイメージする


(その魔法はこのままでは発動できません、失敗するでしょう)


俺がイメージしたのは、俺が初めて使ったゲームの魔法、あのゲーム最強の魔法だ


確かに今の俺でもあれを発動させることは出来ないかもしれない、でも


(このままではってことは、方法はあるんだろ?)

(はい、、というか、マスターも気付いてますよね?)



はい、と言うしかなかった、恐らくシスが言っているのは、俺と同じ考えだ

それは、おれ自身にバフをかけて、魔法発動に必要な能力を底上げすること、

もちろん時間が掛かる上に無抵抗状態になるため、戦闘中は絶対に使えない、しかし、仲間がサポート

してくれる今なら別だ、俺はバフをかけ続ける


「すいません!もう耐えられません!」


「く、こっちもそろそろスタミナが限界かも!」


乗り物とキャシーの声だ、しかし問題ない


「離れてろ、準備は終わった」


ありとあらゆるバフをかけまくった俺の体は虹色のオーラを纏っている


「終わりだ伝説の黒龍」


『アトムディザストシェル』


放たれた青色のレーザーは黒龍を包み込むと、そのすべてを、この空で消滅させた。


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