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昔話の勇者

姫の結婚大会が行われているある夜の酒場、

大会中ということもあり、店の中はお祭り騒ぎだ、そんな中、二人の冒険者が店の中で酒を飲みながら

話をしている。


「ううっぷはあ!いやー世の中にはとんでもねえ奴がいっぱいいやがるんだな!」

「はあ、冒険者としては張り合わなけりゃいけねえんだろうけど、あんなの見せられちゃそんな気もおきねえよな」


この冒険者の二人は決して弱くはない、冒険者の中でも上の方と言える実力だろう、自分たちでも、

自分のことを弱いとは思っていない

それに、冒険者として成長してきた二人には自信もあった、二人係ではあるものの、かなり上位の冒険者しか倒せないと言われるデーモンを倒したのだ、その時は、周りの冒険者たちにも褒められ、自分たちを最強の冒険者と言うものもいたほど。


しかしどうだ、


強者が集まる大会があると聞き、観戦しに行ってみると、そこでの戦いは冒険者たちの理解を超えていた。

無限にあるエクストラスキルの中でも最強と呼ばれるスキル保持者がそこには何人もいた

ある者は、エクストラスキルを見たことも無い方法で使い、驚くべき力を持っていた

他の参加者も決して弱いわけじゃない、むしろ自分たちよりも強いものもいただろう

しかし一握りの者たちの力は圧倒的だった、、、その中でも


「仮面の騎士・・・あれはやばいな」



もう一人の冒険者はうなずいて

「魔法を使う俺としては、意味が分からな過ぎて倒れそうだったよ、おの威力はこの際置いておくとして

無詠唱なんて人が生涯の中で一つ二つの魔法しかできないのが当たり前なんだよ」


無詠唱で魔法を放つことは並大抵の努力で出来るものではない、その魔法を使い続け、完全にその魔法を頭の中でイメージできるようになることで初めて無詠唱が完成する、普通は一つ、最も多くて三つと言うのが常識だった



「おいおいまじかよ」

はあとため息をはく

「いかれてるとしか思えなかったよ、それか、昔話の化け物か」

「ん?昔話?」

「なんだ、子供の時に聞いたことないのか?」

「なんだ、教えろよ」


魔法を使う冒険者はその話についてゆっくりと酒を飲みながら話し出した


この世界で有名な昔話の一つ、実話なのかそうでないのかもわからない話。


一人の勇者の話、


そのころ世界では魔物が急激に増加していた、至る所で発生する魔物たちに、人間はなすすべなく住処を奪われ続け、ついに人間の国は残り三つになってしまった、三つの国は中が悪く、協力をすることは無かった


そんな時、ある国で、【勇者】をもつ圧倒的な力を持った少年が生まれた


勇者の力は圧倒的で、その時の人々には自分たちを助けにきた最強の救世主にでも見えてしまったのかもしれない

まだ二十代にもなっていない勇者は、至る所で戦闘を強いられた、便利な道具のように戦わされたそれも一人でだ


しかし、自分の力を自覚していた勇者は、何とか心を静め素直に人々に力を貸した

孤独で戦い続ける勇者の体はボロボロになり、ある戦いで片足を失った。

それでもその戦いにみごと勝利した勇者はなんとか国に戻ってこれた、


しかし、


その国は、魔物の軍勢により破壊され、人口の四分の一が死んでしまっていた


帰ってきた勇者を人々が見た時、人々は激怒した


なぜ助けに来なかった


お前がいれば俺の妻も助かったのに、役立たず


もしかして、お前が向こうで戦ったせいで、魔物がこっちに来たんじゃないか?


勇者は馬頭され続けた、そして、とうとう勇者は自分の家から出てこなくなった

ある日、また国が魔物に襲われた時、勇者の家に人々が訪れた、なんと人々は勇者に助けを求めたのだ


勇者はそこにいる全員を殺した


ああ、自分はなんでこんな奴らのために戦っていたんだろう、


過去の行いを無かったことにするように人間を殺し続けた、しかし手負いだった勇者は、大人数を相手に敗北してしまった抑え込められ殺されそうになった勇者は自分の中である声を聴いた


代償はもらった、お前に力をやろう


勇者はその言葉に従った、気付くと、自分の体は漆黒の龍になっていた、

その力圧倒的な力で、人間を殺し続けた勇者だったが、


勇者を魔物の王として協力し始めた人間、そして

新たに生まれてきた勇者三人によって、龍となった勇者は殺された。


そして、世界は勇者という悪を滅ぼしたことで、協力し、世界を平和にしたという



「おお、思ったよりもすごい話だな」

「だろ?その龍っていうのがな、口から様々な属性の魔法を撃ちまくるんだってよ」

「それで仮面の騎士もってことか」

「まあそういうこと」


この話は、子供たちに、人のことを考えずに、なんでも人任せにすると、龍に襲われるぞという

教育話で使われている


「まったく恐ろしい話だぜ」


そうして二人は酒を飲みなおした



予選で負けた勇者カイトは、隠れるように自分の部屋にこもっていた、大会が終わるのは今日ということは知っていたが、カイトは一度も観戦にいくことは無かった


部屋の中で、カイトは恨みを呟いていた

「俺が弱いんじゃない、、あれは不意打ちだ、、、」


毎日そんなことを呟いていた、気が付くと食料が無くなっていたので、買うために久しぶりにカイトは

外に出た、そして、街で人とすれ違った時


「あれって、予選で負けた勇者よね?」

「勇者なのにあんなに弱いなんてね」


小さな声だったが、カイトは聞いてしまった、カイトは恥ずかしくなりその場から逃げるように走り出す


「はあはあ」


裏道まで来て、ようやく人がいなくなった、落ち着いたカイトはどんどん恨みがわいてくる


「殺す!俺を馬鹿にしたやつを全員殺してやる!!」


その時、


誰もいなかったはずの裏道に、人影が見えた


人影はカイトに近づくと、


「お前の恨みを晴らせるいい話がある」


そう声をかけた


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