表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/66

転移者との出会い

大会当日、


自分の結婚相手が決まるという大会に、現実味が持てず、ラウスに言われる通りに

自分の仕事をこなしている時だった、

目の前には初めて会ったこの大会への参加者が大勢いる、


その中で、ティアは意識しなくとも、ある人物を探してしまう


(いるわけ・・ないのにね・・・)


自分で突き放したんだ、助けになんか来てくれるはずが無い、と自分に言い聞かせる

そう自分に言い聞かせるたびに、胸が苦しくなる


ティアはそれでもこぼれそうになる涙をこらえて演説を始めた、その時、、


金色に輝くドラゴンが空を覆い、会場がパニックになる、

しかし、そのドラゴンがいなくなると同時に、一人の男が空を歩くように降りてきたのだ


それを見て、その正体に気付いたティアは、自分の胸が熱くなっているのを感じていた、

ただ、簡単には数えきれないほどの参加者が一人増えただけなのに、


胸の鼓動が早くなり、先ほどまでの暗い感情が嘘のように明るくなる、


(タツヤ・・タツヤだ・・仮面の騎士はタツヤだったんだね)

初めて恋をした男性、たった数日で自分の人生を変えてくれた人、

悠然とおりて来た仮面の騎士が、その人物であることを、ティアは感じ取った


思わず緩みそうになる口をなんとかこらえる、

自分が愛した男性が、自分の結婚相手を決める大会に参加してくれる、それだけで、ティアは

自分の生涯で、最高の幸福を感じていた


(あれだけ、だめだと言ったのに・・・見つかったらどうするんですか?本当にもう!・・・

大好き!)


ティアは、仮面の騎士が優勝することを心から願ったのだった



タツヤ視点



「さーて、行くか」


今日は大会二日目、昨日と同じ時間に来いといわれていたので、早めに行くことにした


昨日のトーナメントで、現在残っているのは5人ほど、


俺が把握できているのは、キャシーとシオン君くらいか


今日の分のトーナメントについては、まだ対戦相手を教えられていないので、誰と戦うのかは

まだ分かっていない


街の中を歩いていると、昨日のトーナメントのことで話は持ちきりのようだ


しばらく歩くと、会場が見えてきたので誰もいないのを確認して仮面の付けて入る、


すると、俺に気付いた兵士の一人が、こっちに走ってきて


「仮面の騎士さん!!昨日のトーナメント見てました!あのフリル相手に反則をされても余裕で勝つなんて、感動しました!俺、ずっと応援してますから、頑張ってください!」


なんと、その兵士、俺が騎士団の試験を受けに行ったときに試験官をしていた兵士だったのだ

俺にとっては完全に上司、



俺は焦る心を何とか落ち着かせる、


ばれることは無いと思うが、できるだけ会話は避けたい、そう思いうやむやに返事をして、さっさと

中に入った


危なかった、、こういうことも考えて、ちゃんと警戒しておかないとな

もしかしたら、ティアやラウスにも気づかれているかもしれない、


いや、そんなはずないか!


昨日と同じ部屋に入ると、キャシーが一人いた


「なんでお前そんなに早いの?」


キャシーは化粧?をしながら


「私、起きるの苦手だから昨日からここに泊まってたのよ」


急激にこの場にいたくなくなったが、仕方ないので、キャシーと向かい側の席に座る

しばらく時間が経っても、まだ誰もこない、どうやら早めにきすぎたようだ、

キャシーはまだ化粧?をしている


流石に暇になってきたので、

「お前の能力強すぎるだろ、反則にも程があるんだけど」


キャシーはふふんと笑って

「あの能力便利なのよね~、特に、男の子を無力化して無理やりぬがせる時なんか」


エクストラスキルは才能もあるが、自分が必要になる能力が発現することが多いらしい


「確かにお前には必要かもな!」


そんなことを話していると、徐々に残りのメンバーがそろいだした


今日はこの中の誰かと戦うのか、


キャシーは、対策はあるが、まだ未完成だから戦いたくはない、

シオン君は、デュランダルを使えば、あのラッシュにも何とか耐えられるかもしれない

でも、シオン君の能力はそれだけじゃない気がする、まあ、気がするだけだが



まあ、誰とあたっても絶対に勝つ、ティアを絶対に救うって決めたからな


そして、昨日同様、兵士が入ってくる、そして、


「皆さん、今回の決勝戦は、予選同様、バトルロイヤル形式で行われることになりました、

申しわけありませんが、王の意向なので、従ってもらいます、貴族からも了承済みだそうです」


唐突に、今日が決勝バトルになったのだ



その後、準備に時間が掛かるということで、俺達は一人一部屋を用意され、そこで待機するようにと

指示を受けた


(まさか、バトルロイヤルとはな、ラウスのおっさんも何考えてんだか)


(そうですね、流石にこれは読めませんでした)


予選の時とは違う、奇襲を仕掛けたところで、それでノックアウトする奴は一人もいないだろう


消耗戦になるなら、俺は有利になるけど


その時、


「ちょっといいかな?」


ドアの向こう側から男のさわやかな声が聞こえてきた


「どうぞー」


「しつれいします」


そういって、入ってきたのは、シオン君だった


これには驚いた、兵士かと思っていたら、対戦相手が入ってきたのだ


「ごめんね、マナー違反とは思うんだけど、話したいことがあって」


話したいこと?いったいなんだ?


「驚くかもしれないけど、実は僕、日本人なんだ、少し前に、転移してこの世界に来た」


流石に驚いた、俺以外に転移してきたものがいる可能性は考えてなかったわけじゃなかったが、

目の前にすると、なかなか信じられないものだ


頭を整理する、

シオン君がこう話しかけてきたってことは、俺が日本人で転移してきたことは気付かれている、

おそらくそういうエクストラスキルを取得したのだろう、


そして、同じ転移者を見つけて、今話しかけてきた

となると気になるのは、、


「そうか、、シオン君はどうやってこの世界にきたの?」


シオン君は少し驚いた顔をする

「あまり、驚かないんだね」


「いや、正直驚いてるけど、こんなことも考えてなかったわけじゃないから」


「・・・タツヤ君はすごいんだね」


いや、別にすごくはないと思うぞ?


「えっと、僕がこの世界に来たのは、通学中に光に包まれて、気付いたらこの世界にいたんだ、

理由は、調べて分かったんだけど、世界線の歪みっていう現象によって起こるみたい、かなり開けたところでしか起こらない現象で、様々な世界の空間を一部この世界に持ってきてしまうらしいよ、

発生の原因は分かってないらしい、

最初は驚いたけど、だんだん楽しくなってきて、エクストラスキルとかの存在を知って、今まで生きてきた感じです」

すこし照れるように言う


それを聞いて、俺は日本人と明かされた時よりも驚いた


俺の時とはあまりに違う。

俺はあっちの世界で事故にあって、死んだはずだ。


それに、光に包まれたという記憶も無い


なんでこうも違うんだ?


様々考えを思いつくが、どれもピンとこない

頭を悩ませていると


それを見たシオン君が

「ご、ごめん急にこんな話して」


「いや、いいんだ、こっちこそ教えてくれてありがとう、感謝するよシオン君」


「シオンでいいよ、歳もそんなに離れてないだろうし」


シオン君は、それに、、と

「感謝なんかしなくていいよ、今は、ティア姫との結婚を狙ってる最中なんだ、お互い全力を尽くそう」


そうか、今は大会の最中、

シオン君がティアとの結婚を狙っている理由は分からないが、ここで負けるわけにはいかない


「そうだな、シオン、お互い頑張ろうぜ」


「うん!タツヤ!」


シオンは部屋から出て行った



それにしても、まだ分からないことだらけだな、


(世界線の歪みについては、シオンの言っていた通りですが、マスターがどのようにしてこの世界に来たのかは、謎ですね)


うーん、と考えていると、


「仮面の騎士さん、準備お願いします!」


と兵士の声が聞こえた、


取りあえず、今は大会に集中だ!


自分にそう言い聞かせて、へやを出た。














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ