表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/66

久しぶりのお仕事

シオンの試合、最後のは【王の卵】の絶対服従を使ったのだろう。

(はい、相手を自分よりも身体的に格下になるまで斬りつけ弱らせてから使ったようですね)


【王の卵】、想像以上に厄介なスキルだな


三回戦が終わり、リングの整備がすぐに行われ、四回戦目が始まろうとしていた、


おっと、そういえば八部隊の仕事で大会の運営の手伝いをしなくちゃいけないんだったな

俺は急いで、観客席を出て、会場の裏口に向かった、


「おーい、遅いぞ新入りー」

裏口につくと、すでに先輩たちが集まっている


「すいません、大会に見とれちゃってて」


「ハハハ!確かにさっきの試合もすごかったよな、でもなんと言っても今回の目玉は仮面の騎士だろ!

俺も観客席で見てたが、不正をしていた貴族に難なく勝つ、ありゃあ本物だぜ!お前も見ただろ?」


見たというか、やったというか・・・


「えーと・・」


俺が口ごもっていると、おっさんの一人が


「なんだお前見てねえのか?何者か知らねえが、ありゃただの一般人じゃねえな、なにかすごい秘密があるはずだ、ま、なんにもねえ俺達とは違ってな!!」

ブワハハハ!!おっさんたちは子供のように口を開けて笑う


ハハハ・・・


俺は苦笑いするしかなかった、


「さーて、なんの雑用を任されるか分かんねえが、とっととやっちまおうぜ!」


「「「おおー!」」


俺達第八部隊の仕事は、観客席で出たごみをごみ捨て場に持っていくという仕事だった、

かなりの量を運ぶため、思ったよりも給料がよかったのが驚きだ、


助かった、ラウスのおっさんにもらったお金もあと少しだったからな


(マスターは貧乏なのですね)


うるさいです。

まったく、マスターに向かってなんて奴だ!


(よかったら、私がお金を効率よく稼ぐ方法を考えましょうか?)


是非お願いします!!

前言撤回、なんていい奴なんだ、俺はこのスキルを持ったことを誇りに思う。


そうして、俺達は何度も何度も会場とゴミ捨て場をいったり来たりして、ようやく後一回りくらいで

終わりそうなところまで来ていた


でも、その頃には、空は真っ赤に染まっていて、本日の大会の日程は終了していて、

アナウンスの声だけが、空に響いていた


「あー、間に合わなかったかー、まあ、明日もあるんだし楽しみは後に取っておくってことで、あと一踏んばり、頑張ろうぜ」


「そうですね」


全員平等に最後のごみ袋を持ち、ごみ捨て場に向かった、

ゴミ捨て場に向かう途中、俺達は大会の話で盛り上がり、ゴミ捨て場についたところで、話は仮面の騎士の話になっていた


その時、団員の一人が、思いついたかのようにして

「今思ったんだけどさ、仮面の騎士が予選の時に使った魔法って、新入りが使ってた魔法と似てないか?」


そんなことを言いだしたのだ


他の団員も、あごに手をあて考え始める、そして

「あー確かに、今思えばそっくりだったな」


「そっくりっていうか、、全く同じじゃないか?」


全員が俺をジーっと見てくる


ま、まずい!


「え?あー、確かに僕と似たような魔法を使っていましたね、まあ、そんなに珍しい魔法じゃないですし、使ってる人も結構いるんじゃないですか?」


すると、団員の一人が

「いや、俺はもう一つの職業で魔法の研究をしているがあんな魔法は聞いたことも無いな」


なんでそんな人が八部隊にいるんですか!?


後で聞けば、この人は魔法はそこまで使えないが、魔法の理論を考えるのが得意だそうで、ボランティア活動の一環として、第八部隊に所属しているそうだ


もしかしたら、第八部隊ってなかなかの粒ぞろいなんじゃないか?


しかし、まずいことになった、エクストラスキルによるものって言っても、この感じじゃ絶対信じてくれないだろうな


そうして、俺が壁にじりじりと追い詰められていた、その時


俺の目の前、つまり団員たちの背後から、のっしのっしという音が聞こえ、

全員が後ろを振り返る


「な、、まさか、、」


そこにいたのはデーモンだった、それも鎧付きのだ。


まさか、まだこんな所にもいたとは、騒ぎが起こっている場所を中心に倒していたから、人がいないところはそんなに警戒してなかったな


団員たちは全員が怯えて腰を抜かしているものもいる、それに対し俺の脳に雷が走る


しめた!これだ!


俺はとっさに思いついた作戦を実行する。


まず、デーモンに対して『サンダーレイン』を撃つ、鎧持ちだから大丈夫だろうが、一応普通のデーモンでも耐えれるくらいに調整する、

「く、新入りの魔法でもダメか!」

それを確認して、次に

『ドール・マイン』という魔法を使い、自分そっくりの分身を作り出す、

ゲームでは、モンスターのタゲをとるのにつかわれる魔法だ、

(タゲとはターゲットの略で、タゲをとる、つまり相手の注意を惹くことです)


そして、全員がデーモンを見ている隙に、飛翔し脱出し仮面を取り出す

服はゲームでお馴染みの色を変える魔法を使っておこう


仮面を付け終えて戻ると、団員たちは、先ほどとは違い、どうやって逃げるかの作戦を考えている


本当にできる人たちだ、


俺は団員達を通り越し、デーモンの前に立つ、


「おい!あれってまさか!」

「か、仮面の騎士だ!!」


団員たちは慌ててドールの姿を確認する


よし、作戦通り!!


これが俺の作戦だ、俺の分身を残し、あえて仮面の騎士の姿で登場することで、団員たちからの疑いを晴らすということ


さて、あとはデーモンを倒すだけだな、なんか考えるのもめんどくさいし

早いとこやろう


「こい、デュランダル」

ばれたらいけないので、少し声を低くしていってみる


俺の目の前に、デュランダルが出現する、それを操り、矛先をデーモンに向け、高速で飛ばす、

グサッ!

深々と刺さったデュランダルにより、デーモンは跡形もなく消え去った


今思ったけど、デュランダルの効果って、

(いろいろありますが、今発動したのは、致命傷を与えたものを消し去る効果ですね)


そんな効果があったとは、後でデュランダルについてもっとシスに教えてもらわないとな


「す、すげえ・・・」


振り返ると、団員たちは茫然と眺めていた


俺は直ぐに飛翔し、その場を立ち去り、ドールと入れ替わる


「まさか、こんなところで仮面の騎士に会えるとはな・・・」


「見たけど、仮面の騎士が現れた時、新入りはちゃんとここにいたよ」


ほ、作戦は成功したみたいだ


「ま、よく考えたら、こんなかん弱そうな奴が仮面の騎士なわけないよな」

ハハハハハ!!


いや、それに関しては言いたいことがあるんですけど!?



そうして、また雑談をしながら会場まで帰ってきた俺たちは、そのあと、直ぐに飲みに行った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ