異世界に来た日本人
僕の名前はシオン、、
いや、石橋紫音・・・日本人だ
僕は、日本にいたときは学生だった、これと言った特技は無く成績も普通、
趣味はネット小説を読むことだ。
同じような毎日をだらだらと過ごしているだけだった、
なにか、心を躍らせることが起きないかな・・・
ずっと、そんなことを考えながら黄昏る毎日だ、
その日もいつも通り学校に向かっていた時だった・・・
不意に僕の体が光り始めたんだ、最初は驚きすぎて失神しそうになったけど、
少し時間が経つと落ち着いた、それは、こういう展開は何度もネット小説でみていたから
また少したって、光が収まる
そうして、僕はこの世界に来ていた、僕に戸惑いは無かった、この非日常的な、それでいて王道な
展開に心を躍らせていたんだ、
それから僕は国に向かった、なぜか言葉が通じたのでいろいろと教えてもらうことが出来た、
この世界には魔法があること、そして、エクストラスキルと呼ばれるものがあることを
こういう展開では、大抵僕はチートのような力を持っているはずだ
でも、正直そこまでチートを望んでいるわけでは無かった、この世界にこれたことに満足していたからだ
それでも、気になったのでエクストラスキルを確認しに行ってみた
すると、、
【王の卵】
自分より格下のものへの強制命令、全ステータス上昇「中」、危険察知、武器生成
エクストラスキルの項目にそう書いてあったんだ、
なんのことかよく分からなかったので、隣にいたおじさんに、聞いてみた、
「なに!?それは本当か?」と言って、大げさに騒ぐものだから、周りの人にも聞こえて、がやがや
し始めた、
どうやらこのスキルかかなり強力らしい。
次の日、僕は王城に呼ばれた
そこで出会ったんだ・・・ティア姫に
「あなたが、【王の卵】を獲得されたというシオンさんですね?そうだ、まずは、王城まで来てくださってありがとうございます、珍しいスキルを獲得した方が現れると、一度王城へ呼び出すことになってるんですよ、時間を奪ってしまい、本当にすみません」
彼女は申し訳なさそうに頭を下げる、
僕は言葉を発することが出来なくなっていた、あまりに可憐な姫様をみて、固まってしまったんだ
日本では見られない綺麗なブロンドヘアーに少し幼さをのこした顔、それに似合わない大き目の胸
頭を下げた際に肩からサラリと落ちる髪は幻想的にさえ思えた、
「あ、えっと、、」
僕が口ごもっていると、姫様は、どうしたの?という感じで顔をのぞいてくる
そして、ハッと何かに気付いた素振りをみせ、
「自己紹介がまだでしたね、私はティア、この国の第一王女です」
僕は運命だと思った、転移した異世界人がやはりチートのようなスキルを持って、姫様と結婚する、
そんなテンプレのような展開を始めて望んだ。
女性に恋をしたのは初めてだった。
それから、僕は魔物と戦った、強いスキルをもっていても、自分自身が弱いと意味がないっていうのも
テンプレの一つだろう、だから自分を鍛えたんだ、姫様と結婚するために、
いくら鍛えても、魔法は、エクストラスキルを使った魔法以外は使えなかったが。
結構時間が経って僕もだいぶ強くなったと思う、この前、魔物を倒していると、「横取りだ!」とか言って殴りかかってきた勇者にも、勝つことが出来た、でも慢心はしない
そして、ついにティア姫の結婚相手を決めるという大会が始まることを知り、国に戻ってきた
絶対に優勝するぞ!
そして、大会二日前、僕が自分のエクストラスキルを確認しに行ったその日の夜、
突如、デーモンが現れたんだ、
僕は戦った、そして、何とかデーモンを三体も倒すことに成功したんだ!!
いままでデーモンとは戦ったことがあったが、ほとんどギリギリの勝負だったにかかわらずだ。
これなら、ティア姫の結婚相手になれる!
そう息巻いていた
大会当日、僕はこの世界に来たことよりも驚いた、
まず、予選のバトルロイヤルが、放たれた雷の雨により一瞬で終わったこと、
何とか自分は防御系のエクストラスキルで耐えられたのだが、
それを放ったのは、仮面の騎士と呼ばれている最近有名になった人らしい、
でも、そのことにはあまり驚かなかった、姫様の結婚相手を決める大会だそういう人もいるだろう
と思ったからである。
そして、僕の新しいエクストラスキル、【エクスビジョン】(対象の武力、魔力、名前が分かる)で、出場者を眺めていると、
東野達也
武力? 魔力?
え?
二度見してしまう、まさか、僕の他にも日本人がいたなんて・・・
しかも、それは仮面の騎士だった、武力、魔力が?だったことも気になるが僕以外にも日本人が
いたことに衝撃を受けていた、いや、僕以外にも日本人がいる可能性は考えるべきだっんだろう
話をしようとも思ったが、なにか筋肉マッチョの人に首をロックされていたので今日やめておいた、
まさか、日本人がいるなんて、、、
彼もティア姫との結婚を狙っているんだろう、それでも
「絶対負けないよ、、、達也君!」
それでも僕の気持ちは変わらなかった。