バトルロイヤル
「おい、マジかよ!!!」
「やべえよ!登場の仕方かっこよすぎんだろ!?」
「ふむ、派手な登場だな」
「そのようで」
「流石この街の一人で救った仮面の騎士、、、かっこいい」
観客席もかなり盛り上がっていて、叫び声で耳鳴りが聞こえそうになるほどだ
参加者を見てみると、あの時宿にいた勇者も参加していた、
勇者は、憎らしそうにこっちを眺めていて、いまにも殴りかかってきそうな雰囲気だ
えっと、俺何かしたっけ?助けた記憶しかないんだけど・・・
貴族達が座っている席の方がざわついている、耳を澄ますと、
「おい!誰だあんな名も知らんような奴を参加させたのは!」
「くっそ!余計なことをしやがって!」
貴族な何人かが騒いでいる、そこで、ボルドがおもむろに立ち、そいつらの方を睨む
「私だが?何か言いたいことがあるのか?」
ボルドがそう言うと、貴族たちはやっちまった!という顔をして、
ははは、、と苦笑いしながらやがて何もしゃべらなくなる
おー、、ボルドを魅了しておいて正解だったな
まさかあそこまで権威をお持ちとは、、、ドⅯなのに
ボルドと同格の貴族達も観客の反応を見て何も言えなくなっている
これもシスの作戦通りなら、本当に恐ろしい奴だよ
その反応を見てラウスが立ち上がる、
「さあ、これで参加者は全員揃ったようだな、ティア続けなさい」
急にラウスに言われて、我に返ったティアは、は、はい!と言って先ほどの演説を終え、席に戻る。
再び解説のお姉さんのような人が出てくる
「_ティア姫様!ありがとうございました!それでは!今から大会一つ目の種目を行いたいと思いまあああす!」
うお!テンションたっか!
解説のお姉さんは大きなたゆんと揺れる胸にもかかわらず、それを隠さない大胆な服装をして、お腹まで出しているので、さっき
から男共の視線を集めていた、
これも解説に注目させるためのものって事なら、すごいな・・!
「その種目はーーー!!バン!バトルロイヤルです!!」
そういった途端会場の参加者たちがざわざわし始める
「おい、聞いてないぞ」
「トーナメントじゃないのか?」
どうやら参加者はすべてトーナメントで行うものと考えていたようだ
(どうなの?シス)
(はい、確かにいままでの大会ではすべてトーナメント式に行われていますね、多少参加者が多くても、
この広いリングの何か所かで一気に行っていたようですが)
「皆さん落ち着いてください!今回は、あまりにも参加者が多いということで、いくつかの種目を行い、
数を減らしてからトーナメントに移行しようということになったのです!」
数ねえ、、確かに多いな、二百人はいるみたいだ、英雄とか名のある冒険者しか参加できないとか言って
たのに、、貴族達め
「バトルロイヤルと言っても、もちろん最後の一人になるまで戦ってもらうわけでは無いのでご安心を!それに、負けて気絶しても、直ぐに係員が救助しに来ます、リタイアの人はリングを出てくれればいいですよ」
なるほど、それでリング外にも兵士が何人もいるのか
(はい、恐らく監視でしょうね、リタイアしたものが戻ってきたら大会になりませんし)
それに、さっきから何人かで固まってこっちを見てくる奴らがいる、
まあ十中八九俺狙いだろうな、面倒だ
解説のお姉さんは階段を上がって安全な位置まで行くと、
「それでは、、、カウントお願いします!」
お姉さんは手を上に掲げ、
「「「さーん!にー!いーち!」」」
「バトル~!!スタートーー!!」
その瞬間、参加者の何人かがこっちに向かって突っ込んで来る、遠くで詠唱をしている奴もいる
(シス、ここにいる全員に照準を合わせろ)
(イエス、マム)
(え?)
(い、いえ、マスターの昔の記憶にこういうことを言ってる者がいましたので、つい、、、
照準完了しました)
アニメのことかね、もしかして気に入ったのだろうか
(オッケー、それじゃいくか)
俺は右手を空に掲げる、その行動を見て一瞬止まったものもいるようだ
『サンダーレイン』
会場全体が光に包まれ、
ズガアアアン!!!
という音とともに、空から会場に全員分の雷が落ちる、
「へ?」
解説のお姉さんの声だ、
砂煙で見えなくなったリングを見ると、立っているのは十人ほどだった
「よし、これで一気に減っだろ?」
倒れた他の参加者は、床に伏せたままピクリとも動かなくなっていた。
立っている参加者、この光景を見ていた者全員はただ口を開けて驚くことしかできなかった。