作戦開始!
(マスター、その必要はありませんよ)
(え?)
窓からかっこよく飛び降りて、取り出した仮面を付けようとしたら
シスに止められた、
(そうなの?)
(はい、マスターがすべきことは他にあります)
俺が仮面を付けようとしたのは、大会に参加するにはある程度の知名度が必要ということが分かって、
昨日のことで少しは上がっているだろうこの姿で、さらに知名度を上げようと思ったからだ
でも、シスが言うにはその必要はないらしい
なんだよ、かっこつけて飛び降りたのが恥ずかしい///!
まあ、シスが言うことだ、信じるけど
(それで、他にすることといえばー・・・あ)
(そうです、参加の登録でしょう)
一番単純なことを忘れてた、
(でも、昨日のことで少し知名度が上がったからって、こんな大会い直ぐ出してもらえるか?)
貴族達は、急に出てきたよそ者に、ティアを取られることを恐れている、
他国にも知られている英雄ならともかく、昨日今日で少し有名になった程度のやつを出しはしないだろう
(ええ、逆に昨日、マスターの強さの片鱗を見せたことで、参加しにくくなっていると考えられます)
確かにな、
(しかし、それに対しての対策は考えております、ですが、それだけでは弱い、、この状況で最も効果的で危険な作戦を行うべきでしょう)
あー、なるほど
(はい、)
((貴族への脅迫だな(です)))
*
という訳で、
俺はラプハと合流してエルフたちの洞窟に来ている、
なぜ直ぐに貴族の所に行かないかというと、ラプハが
「ああ!そういうことなら、エリスが得意だよ!」
とのことで、久しぶりの洞窟だ
少し暗い所を歩くと、エルフ達の住処につく
一人のエルフがタツヤとラプハの存在に気付くと、
「タ、タツヤ様!!おかえりなさいませ!」
と大きな声であいさつをしてくる、
その声により、
「なんだと?」
「タツヤ様が?」
「お、ラプハの奴もいるじゃねえか!」
ぞろぞろと出てくる
ラプハが身を前にして手を挙げ、洞窟の全員に聞こえるような大きな声で
「ただいまあ!!」
「おおー!本当だ!」
「おかえりーラプハ!」
「おかえりなさいませ!タツヤ様!」
という感じで、気付けばお祭り騒ぎになっていた、俺が
「おーい、これ差し入れだぞー」
と言って、食料の入った袋を置くとさらに盛り上がり、本当にお祭りみたいになった
まったく、楽しい奴らだ
「タツヤ様、おかえりなさいませ」
俺も一緒になって飲み食いしていると、横から、白髪のエルフ、エリスが俺に近づく
「ああ、ただいま、そうだエリス、お前に頼みがある」
「私にですか?」
エリスに事情を説明すると、エリスは直ぐに理解してくれた
「なるほど、確かに私は相手を意のままに操る、、というより、言うことを聞かせるスキルを持って
います、、ですが、それは魅了系のスキルなので、その人間が私のことを少しでも美しいと思わなければ
能力は発動しません」
神秘的で長く艶やかな白い髪に、女神様のような顔、体はしっかりとくびれがあり、胸はたわわに実っている、その一つ一つのパーツがエリスを神秘的に美しく際立たせている
うーん、エリスを見て美しいと思わない男って特殊な性癖をお持ちの人だけじゃないか?
「エリスなら大丈夫だろ」
エリスは顔を赤らめて
「そ、そうでしょうか、それなら良いのですが・・・」
まあ、仮に失敗したとしても作戦はまだあるしな
「って事なんだけど、協力してくれるか?もちろん報酬は払うけど」
そういうと、エリスは、はあー、ため息をついて
「我々シークレットエルフがタツヤ様の頼みを聞かない訳ないじゃないですか、それに、
報酬なんていりません。」
「そうか、、、ありがとな」
「いえ、それではその作戦に向いている者に指示を出してまいりますね」
そう言ってエリスは奥に向かった
さて、後は貴族の屋敷に乗り込むだけだな
*
エルフ達とどんちゃん騒ぎしていると直ぐに夜中になった
(タツヤ様)
(ああ、いくか)
俺達はボルド家という貴族の屋敷に来ていた、
ボルド家はかなり昔からの貴族で発言力もかなりあるらしい
屋敷を見ると、門の前に二人の兵士がねむそうに見張りをしていた、
他にも、屋敷の周りには何人かの兵士がいた
まあ、少し騒ぎになるくらいは仕方ないか
「よし、作戦開始!」
「「は、!!」」」
数秒後・・・
「門前、制圧完了」
「屋敷表の扉前、制圧完了です!」
「屋敷裏、制圧完了しましたわ」
「庭側も制圧完了、これで屋敷周辺の敵は制圧完了しました」
一瞬で届く制圧完了の知らせ
・・・え?早くない?
音とかほとんど聞こえなかったんだけど・・・
どうやら俺はとんでもない部下を持ったみたいだ
俺とエリスは堂々と屋敷の中に入り、主の部屋を目指す、
途中、何人か兵士がいたが、横から影が出てきたと思えば、兵士はすでに倒されていた
そうして、主の部屋につく
「よし、もし失敗しても俺が何とかするから、その場合は外のやつらと撤収してくれ」
「はい、」
エリスも少し緊張しているみたいだ
「いくぞ!」
扉を開けると、ボルドは直ぐにこっちに気付く
「誰だ貴様ら!!」
エリスは一歩前に出ると、
「私はエリスと言います、これより貴方を私の虜とします」
手を前にして身をよじらせる
どうやらこのポーズと、名前を名乗ることが発動のキーらしい、まあ
少しでも美しいと感じれば強制的に魅了状態にできるこのスキルにしては少ないデメリットだな
あれ、これもしかして俺も効くんじゃ・・・
(いえ、マスターにはもう一つの人格である私がいるので、基本的に精神攻撃は効きません)
なるほど、そりゃ良かった
さて、魅了の効果は人それぞれで大きさが違うらしいがどうなる?
一分後
「はあああん、エリス様あああ!どうかこの豚を蹴ってくださいませえええ!!」
そう叫ぶのは、ボルドだ、筋肉マッチョなおっさんが身をふにゃふにゃさせて転がりながら股を押さえている
「・・・こんなに効くの、それ?」
「わ、私も人間に使ったのは初めてでしたので・・・」
このスキル・・・エリスが使ったら一撃必殺かもしれん・・・!
ボルド、お前はエリスが好みだったんだな
そして、ボルド、、、お前その見た目でⅯだったんだな・・・
「エリス様ああああんんん」