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ティアの覚悟とタツヤの覚悟

扉のそばにいた兵士にラウスから貰った紙を渡すと、すぐに中に入れてもらえた


中に入ると、部屋はカーテンが閉められ薄暗かったが、ベッドにブロンドヘアーの美少女が半身だけ

起き上がっているのが薄っすらと見える

ティアだ、、


「え、、、タツヤ、、?」

「久しぶりだな、ティア」


ティアはおれに気が付くと、ベッドからすぐに出ておれに飛びついてくる


「おっと」


おれは飛びついてくるティアを優しく受け止める、お風呂に入ったばかりなのか、

ほおかにいい香りがする


それから、数秒たち

ティアはハッと我に返ると、おれから一メートルほど離れる


「えっと、ごめんなさいタツヤ、、久しぶりで驚いちゃったから」

「いや、こっちとしては大歓迎だが」


そういうと、ティアは顔を赤くしてもう!と叩いてくる

そして、すぐに落ち着くと、笑顔で

「お帰りなさい、タツヤ」

「ん?ああただいまティア、ま、おれの家じゃないがな」

「それでも、私にとってはおかえりなんです」


それから、ティアといろんな話をした、おれが第八部隊に入ったと言った時は、お腹を抱えて笑っていた

やっぱりティアは笑っていたほうがいいな


「うふふ、やっぱりタツヤと話すのはとっても楽しいです!」


「そりゃよかった、こっちもいろいろ大変な目にあったかいがあったよ」


ティアは笑った後、すこし間を開けておれが唯一触れないでいたことを聞く

「・・・この街にいるってことは、知ってるんですよね?あのこと」

・・・まあ、結婚のことだよな

ティアの表情を見れば分かる、これはティアが望んだことじゃない。


おれが黙っていると、肯定ととらえたのかティアがゆっくりと話し出す


「・・・私ね、子供のころは結婚が勝手に決められるとか、どうでもよかったんですよ、興味も無かった

ですし、子供のころは、、まあ、タツヤも知ってる通り、少しやんちゃだったと言いますか・・」


ティアが目をそらしながら言うので、おれは少し笑ってしまった


「ですが、ある時、この世界には恋愛というものがあると知りました、正直、年頃だった私はそれに

憧れていて、、、密かに同い年の貴族の男の子達に会いに行ったことがあったんです」


まあ、女の子なら一度は憧れるだろう、


「でも、現実は甘くなかったです、その男の子達は私が王族だと分かると、直ぐに私に媚びろ売ろうとしました、、子供でもよくわかるんですよ?そういうのは、、それだけなら良かったんですが、その中の

一人が理由は分かりませんが急に私に襲い掛かって来たんです、まあ、魔法ですぐに倒しましたけど」


・・・ご愁傷様です、貴族の方


「それから、私は、ああ、私って普通の恋愛なんて無理なんだなって思い始めたんです、でも、それも

そんなに悪くなかった、開き直れば案外つらくないものです!」


しかし、そういうティアの表情は暗く、いまにも泣きそうだった、それを悟られないように、

元気な声で話しているんだろうが


「でも、外交から帰って来ていた時、魔物に襲われて、その時、ある人に出会ったんです、その人は、

私が今まであった人とは全然違って、、私は最初はそれに戸惑いましたが、だんだんとそれがとても心地よく感じていたんです。

それから何故か仕方ないと諦めていた結婚の話が急激に嫌になってきて、どうしても嫌で嫌で・・!!」


ティアはこぼれそうな涙を必死に耐えている



「でも、、もうそんなことは言ってられません。。十分父様にも迷惑をかけてしまいましたし、覚悟は決めました。」



「ティア、お前が望むなら、おれはどんな状況でもお前を助けるぞ?ティアはおれの命の恩人、、いや

、それ以前におれにとって最も大事な人だからな」


おれはティアに助けられたあの日からティアに何かあったら絶対に助けると決めていた、

この世界にきて途方に暮れていたおれにはティアの存在がどれだけ大きかったか


ティアは少し驚いて口をおさえ、嬉しそうに、でもどこか悲しそうに少し涙をこぼす


「・・・ありがとうございます。。。でも、タツヤに助けてもらうわけにはいかないんです・・

これは王家が背負った義務、それに、軍の人は大会に参加できないんですよ?」


「やめてでも助けるに決まってるだろ?」


ティアは頬を赤らめながら驚くがすぐに

「本当にタツヤは・・・でも無理なんです、この大会、一般で参加するには、英雄くらいの知名度が必要

なんです、そうじゃないと、貴族の方々が参加を許しません」


まあ、ぽっとでのやつに取られたんじゃお怒りだろうな


おれは覚悟を決めた


「確かにそれは俺じゃあどうしようも無いな」



「・・・そお、なんですよ」

ティアは胸を押さえて涙をあふれさせる


「あれ?タツヤの前じゃ絶対泣かないって、、昨日、あれだけ決めた、、、のに。。」

ティアの涙は止まらなくなっていた


この大会で他の誰が勝っても、私に幸せの道は無い、そんなこと、とっくに分かっていたことなのに。。


「でも、、俺じゃない誰かがティアをこの嫌な現実から救ってくれる奴がいるかもしれないだろ?」


「え?」



気付くとタツヤは部屋の唯一の大きな窓から飛び出そうとしていた


おれは覚悟を決めたっていったろ

(なんの覚悟をですか?)

そんなの決まってる、ティアを救う覚悟だ


胸に隠した仮面を取り出した。




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