夜の街に舞う仮面の騎士
(シス、どんな状況だ?)
(街の至る所にデーモンが、出現していますね、現在、防衛部隊、調査部隊も一緒に防衛を行っていますが、戦力が全く足りていません、所々で被害が出始めています)
デーモンが現れてすぐに、『分身』を使い、それにシスの意識を入れて、街の上空にとんでもらった、
スキルは使えないが、偵察には便利だ
おれは、直ぐに店から飛び出し、街に出る、空から降ってくるデーモン達の光は、夜というのもあり、
輝いて、幻想的だった、
ってそんなこと言ってる場合か!
街の人々は、
「ぎゃああああああ!!!」
「な、なんでデーモンなんてバケモノが・・・」
「終わりだ、、、この世の終わりなんだ」
とか、言ってる人もいる
おいおい、デーモンごときにそんなに悲観的になってどうすんだよ
(被害が出始めている場所を教えてくれ、直ぐに向かう)
(了解しました)
その時、ドオオーーン、と、店の前にデーモンが降り立つ、そういえばこのデーモンには鎧がないな、
さて、サクッとやっちゃうか
デュランダルを出そうとしたとき、店の扉が開き勇者と女の子達が現れる、
「ったく、こっちはゆっくりしてえってのに、、これは流石に俺がやらなきゃ他のゴミじゃ無理か」
デーモンを見て言う、
「おい!あれって、勇者様じゃないか?前にこの街で発表されてた」
「おお、勇者様だ!勇者様がいるぞ」
「助かった!!」
勇者を見て、街の人々は安心した表情をうかべる
「俺がぶっ殺してやるから黙ってみてろ!」
そう言うと、
勇者は腰に下げた剣を取り出すと、デーモンに突進する
しかし、
振った剣はデーモンの皮膚を少し傷つける程度だった
「っち、さすがデーモンだな、俺の剣でこのダメージとは、だがこれならどうだっ!」
長い詠唱を終え、デーモンに火の玉を放つ、
デーモンに当たると、デーモンは一部焦げた様に黒くなって、ダメージが入ったことが分かる
魔法が効かなかったのは、あの鎧のせいだったか
しかし、勇者の背後からもう一体のデーモンが近づいてくる、
「なに!?」
勇者はそれに気づかず、デーモンのパンチをもろに受けて三メートルほど飛ばされ、家に突っ込んでいく
「ひ、勇者様がやられた?」
「終わった、勇者が勝てない相手にどうにかなるわけが無い」
諦めてしまう者もいる
えー、、勇者、、、デーモンくらい倒そうよ、、、
と思ったが、周りを見ると、騎士団の人たちも、まるでデーモンに歯が立たない様子だ
これは、急がないと、、!
すると、
(ええ、急いでください、ティア様の結婚の大会のおかげでなかなか強い者が集まっているようですが
一体一で何とか対処している、ようですので)
(分かった、直ぐに動く)
(それと、マスター、仮面をつけてください)
と言ってきたので、なんでだ?と思ったが、シスのことだ何か考えがあるんだろうと思い、
買っておいた仮面をつけた
そして、デーモンに向き直し
『ライトニング』
おれの手から放たれた雷によって、デーモンは真っ黒になり、倒れる
もう一体にも放ち、死んだことを確認して、
『飛翔』
を使いすぐに、行動を開始した
達也が防衛に向かった後、街の人々は
「な、なんだ今のは・・・?」
「勇者様でも倒せなかったんだぞ!?」
「あんな威力の魔法を一瞬で、、それに空を飛んでいたような」
「おいおい、神の使いか何かかよ、顔はどんなだったんだ?」
「銀の仮面をつけていて、性別も分からなかった」
「仮面、、、仮面の騎士」
「おお!かっこいいなそれ!」
「一体なにものなんだ・・・?」
:
おれはシスの上空からの指示を受け、飛び回り、危険なところから次々にデーモンを排除していた
(マスター、次は中央広場です)
(了解)
すぐに飛んで向かうと、幼い子供二人がデーモンの前に立っている
男の子と女の子だ
男の子はデーモンの前に立ち
「ノンちゃんはぼくがまもる」
と、手をひろげて女の子を守っている
デーモンはお構いなしに男の子を殴ろうとする
おれは一瞬でそばに行くと
『クラッシュ』と唱え、
デーモンを石のようにし、砕く
「あ、ありがとう」
男の子は涙目になりながら、おれにお礼を言う
「お前が一瞬でもデーモンの気を引いてくれたから間に合ったんだ、よくやったな、さ、あとはおれに任せて女の子と家に帰るんだ」
「う、うん!」
(シス、次だ)
(はい、川をつなぐ橋に向かってください)
(分かった)
直ぐに向かう、
「かっこよかった、、」
「う、うん、」
「おれもいつかあのかめんのきしさんみたいにつよくなる!」
「うん!」
:
俺はグンダ、英雄と呼ばれているが誇りは無い
それは、まだまだ未熟だと分かっているからだ、
この街に来ているのは、この街で強者が集まる大会があると聞いたからだ、
結婚などに興味はないが、強者と戦うのは自分を磨くのに最高だ、
俺の他にも、結婚以外で参加する奴はかなりいるだろう
そして、今、自分が情けないことを身に染みて感じている
目の前の、三体のデーモンに対し、防御することしかできないのだ、
俺の後ろには、この街の人々がいる、
「がんばれええええ!!」
「グンダ様、がんばってくださああい!!」
と、自分を信じて応援してくれているのだ
英雄の名に誇りなどない、だが、英雄の一人として、絶対にこの街の人々は守ってみせる!
「うおおおおおお!!」
全力の力でデーモンを一体川に落とす
しかし、
もう一体の急な突進に対応しきれず、お腹におおきなダメージをおう
「グンダ様!」
「グンダ様頑張ってええええ!!」
(くそ、立て!立たないと街の人々が・・・!)
その時、
上空から一人の仮面を付けた者がおりて来た
仮面の者は俺に
「大丈夫か?遅くなって悪かったな」
というと、デーモンの方に手を出し
その手から出た光線で、デーモン二体を消し去ったのだ
「な、なに、、、!?」
そして、また空に消えていった
なんだおの者の強さは・・!?
強いとかいうレベルを超えている
英雄と言われている自分が笑えるくらいに、、、
もし、あの男も大会に出るなら優勝は絶対に無理だが、ぜひ!手合わせ願いたい!
グンダは仮面の騎士に対して、尊敬の心を持つのであった
:
シスに聞いたところ、
残りは、街の外れの8体だけらしい、
着くと、デーモンが七体いたあれ?八体じゃない?
まあいいか
周りを見ると、この辺りには人はいないみたいだ
これなら、容赦なくぶっ放せるな
『天罰』
デーモン達の上空から、雷と光の光線の融合体が一本の柱のようにして、デーモンを消し飛ばした
ふう、これで終わりか、
かなりいろんなとこでデーモン倒しまくったな、街の人が混雑してるとこでも魔法使ったから、
被害が無ければいいけど
(お疲れ様です、マスター)
(ああ、お前もな、)
(・・・流石マスターです、素晴らしい動きでした)
(まあ、お前の働きのおかげだよ)
さて、宿に戻るか
:
なんだあの威力は?
俺は建物の陰から、デーモン達を眺めていた、
一体がこっちに来たから殺したが、あと七体もいたのでめんどくさくなって逃げた
そしたら、あの仮面野郎が来たのだ
あほかってくらいの威力の魔法を撃って飛んでいきやがった
くく、強い奴らを殺したいと思ってこの街に来たら、あんな奴を見つけるとは、アイクのやつも来てるみたいだし、俺も大会に参加するってのもありか・・・!くくく、面白くなってきやがった!!
:
あー疲れた
流石に動き回りすぎたな
街の至る所に飛んでいき救助活動もしていたため、流石に疲れたのだ、
魔力の心配はないけど。
まあ、被害が少なくてよかった
そして、俺は仮面を外し宿に戻って泥のように寝た
その後、街全体は仮面の騎士のことで祭りのような盛り上がりをみせたのだが、
達也はそんなこと知るよしも無かった