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絶望の過去

おれは、悪魔を倒して再びデュランダルで飛翔し、

屋敷まで戻ってきていた。


おれが到着すると、それに気づいたラプハが笑顔で駆け寄ってくる

「おかえり!タツヤ様!」


「ああ、ただいま」


・・・それにしても、

やはりこの屋敷には何かある、少なくとも悪魔三体以上の規模で動ける空間があるはずだ

となるとおそらく、、


屋敷に近づいて半径100メートルに及ぶソナーの魔法を使う

『サーチ』


ま、そうだろうな


思った通りこの屋敷の地下には屋敷とほぼ同じ大きさの空間があった

、、、はあ、おそらく、いや、完全に計画された犯行だよな

地下にいったい何があるのやら


ラプハにこのことを伝る、

「大丈夫!何が出てきてもラプハがタツヤ様を守る!」

「はいはい、分かった分かった、でも何があるか分からないから、おれが指示したら

絶対にその通りに動けよ?」

「うん!」

満面の笑みで大きくうなずく


本当に大丈夫か?


そして、しばらく屋敷を探索するといくつかの地下への入り口を見つけた」


まさか、こんなに至る所にあったとは、、


自分たちが知らない間に、こんなにも出入りされると思うとゾッとする


「ラプハ準備はいいか?」

「うん!」

覚悟を決めて地下へと足を踏み入れた


「なんだよこれ」

地下の驚くほど広い空間には、奥に丸く大きい肉片のような塊が血管のようなものに上下に繋がれている

、そして、その物体は脈をうっているかのようにドクンドクンと一定のリズムで膨張と縮小を繰り返す


ぎゃああああ!!きもいきもい!!


ラプハの手前無様にさわぐことは出来なかったが心のなかで叫んでいた


その時、


「ああ、まさか奇襲を躱した上に、悪魔三体まで倒すとはな、相当強いだろうとは思っていたが、正直予想外だ」

聞き覚えのある声、その声の主は、


「シモンさん、、、」

シモンは肩に自分の身長ほどの剣を持っていた


考えたく無かったが、このタイミングに奇襲、まあ、一番打倒だよな


「正直、考えたく無かったですよ、シモンさん」

すると、シモンは本当に申し訳なさそうに


「悪かったな、俺も、お前のことは本当に気に入っていたよ、だが、こうするしかないんだ」

そう言って、シモンは剣を抜くその瞬間に、周りの空気が変わる。

肌ピリピリとしてきて、今にでも逃げ出したい、そんな気持ちになる


「、、、なぜこんな事をしたんですか?」

恐怖を押し殺して、シモンに問う

シモンは少し考えると、


「そうだな、お前には知る資格があるのかもしれん」


そういうとシモンの左手から光が発せられ、

おれの中にシモンの過去、、記憶が流れ込んでくる




シモンは冒険者だ


それも、E、D、C、B、A、であるランクの中のほんの数人しかいないと言われている

Aランク冒険者だ


シモンはあまり表立った行動はしないため、他のAランクの冒険者にくらべると

あまり知名度は高くない。

しかし、シモンの実力は、Bランク以上の冒険者なら知らない者は居ないというほどに強かった。


シモンはいつもどうり、早々と仕事を終わらせ、ギルドへの報告に来ていた

「お、シモン、流石に早いな」

声をかけてきたのは、シモンと昔からの幼馴染のブルトだ、Bランクの冒険者で

同じ村の育ちで、かなり仲良くしていた


「俺だぞ?あたりまえだろ」

シモンは冗談めかしてそう言うと、ブルドは笑いながら

「はは、お前にはかなわねえな!」

そして、ギルドに報告したとき、ブルドがまた話しかけてくる

「なあ、今度の休みにソエラ草原にソエラの花をとって来てくれないか?」


ソエラの花、身体能力を一時的にほんの少しだけ上げる効果がある、白色でとてもきれいなため、使うより観賞用にされることが多い


「はあ?なんで俺が、自分で行けよ」

「すまん!その日は大事な用事があっていけないんだ、ほら、ルミアと一緒にいけばデートになるだろ?

親友の頼みと思って!」

手を合わせて頼んでくる、ルミアはシモンの妻でルミア、シモン、ブルドは同じ村の育ちの幼馴染だ

「はあ、分かったよ」



その後、シモンは自分の家に戻った

「ただいま」

すると、

「おかえり、あなた」

と赤い髪をした綺麗な女性が出てくる

「明日、久しぶりにソエラ草原に出かけないか?」


そういうと、ルミアは少し驚いた、シモンからこんな事を言い出すことは今まで無かったからだ、

しかし直ぐに笑顔になり

「うん、お弁当作っておくね」


そして、当日

「準備、できたか?」

「うん」

シモンとルミアはソエラ草原に向かった


ソエラ草原は一応魔物は出るものの、Eランクの魔物しかでないため、危険度はほぼ無い


ソエラ草原につくと

「まさか、あなたがこんな所に誘ってくれるとはね」

「嫌か?」

「ううん、とっても嬉しいわ、」

「そうか」

シモンはまんざらでもないようにして、少し照れていた


その時、、


後ろから異様な気配を感じ取る、そっちを見てみると

人よりも少し大きな、体から青い結晶をはやした狼がいた

「クリスタルウルフ、、!?!?」


クリスタルウルフはBランクの魔物と言われている

こんな所にいるはずのない魔物だ、シモンでも万全の体制で一対一で何とか勝てるくらいの

レベルだ

こんな所にいるのは、誰か他の人間が連れてきたとしか思えない


「ルミア!!下がっていろ!!」

シモンは剣を抜き、エクストラスキルによる身体強化を施し、クリスタルウルフに急接近し

剣を振る


しかし、剣は少し振っただけで折れてしまった


「は?」

その一瞬のすきに、クリスタルウルフによる頭突きをくらってしまう

「ぐはあ!!」


なぜだ!?昨日は刃こぼれ一つなかったのに・・・


「ははは!無様だなシモン!!」

高笑いをする者が現れる


そいつはなんと、ブルドだった


「お前の剣は昨日の夜にすぐに折れるように、削っていたんだよ!」


は?なぜブルドがそんなことを、、


「その魔物も、俺が操っている魔物だ!くく、なんで俺がこんな事をしているか分かっていない顔だな、

いいか、シモン俺はお前が妬ましかったんだ、俺よりも圧倒的に強く、俺の大好きだった女まで得たお前がな、」


ブルドはルミアを見る

「ルミア、よくもこの俺を振ってシモンの所にいきやがったな?俺がどれだけお前を愛していたか、

だから俺はお前らを殺すことにしたよ、偶然拾ったこの魔物を操る笛でな」

ブルドが笛を吹くと、クリスタルウルフは一気にシモンに襲い掛かる


しかし、さすがシモン、折れた剣でクリスタルウルフの攻撃をさばいていた


シモンはブルドに裏切られた悲しみを胸にしまい戦っていた


その時、シモンの背後からもう一体のクリスタルウルフがシモンにとびかかる


しまった!勝手に一体と思い込んで油断した!!

だめだ、、、これは躱せない、でも、俺が死んだらブルドも気が晴れてルミアを許してくれるだろう、、


グサッ!


シモンは自分の体を見るが傷は無い


一体なにがおきて、、、!


「ああっ、、あああ」


ルミアがシモンの身代わりになりクリスタルウルフの結晶に深く体を貫かれていた。






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