屋敷の謎1
「な、なんだよその魔法は、馬鹿げた威力は…!?」
ラウスはあまりの規格外の魔法を目にして、驚愕の表情をうかべる。
えっと、流石にゴブリン相手にサンダーレインはなかったかな、
この魔法はかなり強力だが、強力故に取得するのはかなりきつかったんだよなー
サンダーレインはあるダンジョンボスを倒すとごく稀にもらえる魔法で、ボスがかなり強い上に
毎回ダンジョンをクリアしないとならないので、かなりきつい条件だ。
おれしか持っていない魔法の一つでもある。
ほかの者たちも魔法を見て唖然としている。
「…お前、なんでその強さで8部隊なんだよ?」
シモンはおれに疑いの目を向ける、
うーん、別に隠すつもりは無いんだけど、、
「おれ、高威力の魔法は得意なんだけど初級魔法は苦手で、試験がファイアライトだったもんで…このざまだよ」
と、おれはファイアライト(煙が出るだけ)をしてみせた。
「ブッ、ハッハッハー!なんだよそれ!あれだけの威力の魔法が打てるのにファイアライトなんかをまともに出せねぇのかよ!」
シモンの言葉につられて、8部隊は全員で笑いだす
「気に入ったぜ!よし、今から新人祝いに飲みにいくか!」
「いいですね、シモンさん!」
飲みに行くか、正直お酒はかなり好きだ。
向こうの世界では未成年だったからこっそりだったけど、こっちの世界では15から成人らしいから別にいいだろう。
そして、おれは8部隊のみんなで酒場に向かうことになった。
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酒場は大きなテーブルの席がいくつかと、カウンターに椅子が並べられている、
「へー、じゃあお前はいまその妹と2人で宿暮らしってことか?」
おれは、それとなく異世界の事を伏せてラプハと二人で宿に住んでいる事をラウスに伝えた。
ラプハは妹ということにしている。
「うーん、2人で宿暮らしって大変じゃないか?
おまけに、お前はこんな職だしな」
ハハハと笑う、
うう、確かにないまはラウスさんの助けがあるからいいけど、無くなったらおれは完全にラプハのヒモ何なっちまうのか。
はぁー
ため息をついて、お酒を口に含む。
ウイスキーの水割りをさらに薄くしたような味で、あちらの世界と比べると美味しいとはいえなかったがまあ、飲めなくもない。
「うーん、ひとついい話があるんだがどうだ?聞いてみるか?」
「ぜひお願いします。」
「おれのもう一つ、まあ本職はいくつかの屋敷の管理でな、最近屋敷の一つが幽霊がいるとかう住むやつがいなくなったんだよ」
「なるほど、よくある曰くつきってやつですね」
「そう、それでこっちとしてもあまり知られる前に住みてをみつけたいわけだ。おれの管理している屋敷からそんな問題があるのはな、そこで、お前がもしその問題を解決してくれるなら、2年間タダで住んで構わない。どうだ?」
幽霊に、夜誰かの出入りか、謎は多そうだけど条件は悪くないな
「わかりました、その条件受けさせて貰います」
「了解だ、じゃあおれは書類を取ってくるとするか、ああ、後一つ言い忘れていた、実はあそこに住んでた奴がもう一人いてよ、そいつは何処かに消えちまったらしい、まあ、大したことじゃないんだろうがな」
と言うと、シモンは酒場を出ていった、
すると8部隊の1人が酒を持って近づいてくる。
少し酔っているようだ
「実はシモンさんは昔かなり有名な冒険者の剣士でな、なんでか、急に剣を握らなくなったらしい、
まあ、そのことは基本的に隠しているらしいが、
いまあの位置に付けてるのはその時のコネだろうな」
シモンさんが、確かにほかのメンバーは一応という程度の剣を身につけていたがシモンさんは剣を持っていなかった。
そうこう話をしていると、シモンさんが帰ってきて、さっそく今日その屋敷に行ってみることになった。
少し雑談をしていると、外が少し騒がしくなっていることに気づく。
するとシモンが
「なんだ?また防衛のやつらがなんかやってんのか?」
防衛部隊の上の部隊のものは何かと調査部隊や冒険者につっかかることが多いらしい。
おれ達が外に出てみると、店の前で話している男達の声が聞こえた
「おいおい、なんだよあの天使は…:
「あの天使、一人でDランクの魔物二体を倒したらしいぞ…」
「まじかよ天使なのに強いってのか、反則だな」
なんだなんだ?と思って道を歩いている人を見てみると、
そこには楽しそうにスキップしているラプハがいた、
あいつ…初めてのお仕事で張り切りやがったな…
その後帰ってきたラプハと屋敷を見にきた。
城下町からはさほど離れてないが、かなり人通りは少ない位置にあり、周りも草木に囲まれている。
屋敷自体はそう古くはなく、かなり綺麗だ。
「わあ!ここが今日からラプハ達のお家になるの??やったぁ!」
と、ラプハは嬉しそうに飛び跳ねる。
「そうだな、まあとりあえず中に入ってみるか」
外の見た目通りなかもかなり綺麗だ。
ラプハは嬉しそうにして、屋敷の中を走り回った後屋上のテラスに向かった。
おれもテラスに行こうとしたその時、おれはその言葉を聞きそこなってしまっていたのだ、、、
「たす…けて」