騎士団と魔法
「タツヤ様、どうしたの?そんなに暗い顔して。」
ラプハが心配そうにおれの顔を覗き込む。
はは、、騎士団の入団試験がフレアライトか、
誰かと戦う実技なのかと考えてたけど、この世界の魔法をみせるだけとはな、、
こんな事ならまだ武力の試験の方が可能性があったなぁ、
おれは試験の時の事を思い出す。
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「騎士団の入団試験は大きく分けて二つ、魔法もしくは武力での審査だ。その結果によって配属される部を決める。」
喧嘩なんてした事が無かったおれは迷わず魔法を選んだ、その結果がこれか…
おれが所属する事になった第8調査部は才能が無いものが、騎士団に入ろうとすると、ほとんどここに配属されるらしい。
そのため、第8調査部はお給料も少なくほとんどの団員が仕事を掛け持ちしているという。
活動はたまに集まって他の部が倒した魔物の死体を掃除したりするらしい。
…完全にボランティアだな。
おれがそこにいた団員からその説明を聞いている時、試験会場からワァ!っと歓声が上がる、気になって見てみるとそこには何人かの人が試験を見ていて、中心にはラプハが水の上級魔法を使っているところが見えた。
試験管が驚きながら、
「すごい…!まさかここまでの上級魔法を使いこなせるなんて…!」
まあ、シークレットエルフはチートだからなぁー
うーん、でも相手を攻撃するのに発動があんなに遅くていいのか?
すると、周りから騎士団の人らしき金髪で長身の男がラプハに近寄っていく
「ほう、、なかなかの逸材だな、見た目も悪く無い。よし、試験管、そいつはおれの所に入れておけ。」
「はい?…これはロートクリフ様!?
ということはいきなり、第1防衛部にですか?」
調査部という言葉が分からなかったので、聞いてみると、この国の騎士団は防衛部と調査部があり、防衛部はおもに国周辺の防衛、調査部は
規範、国から少し離れた所の調査や、近くの村の防衛などを行うらしい。
それぼれに第8まであり、数字がへるごとに階級は上になる。
「ああ、その女なら問題ない。」
「わ、分かりましたそれでは…」
と、試験管が第1調査部に入る手続きを行おうとする。するとラプハが、
「待って、ラプハ、その第1調査部?て所に入るか分からないよ?だって、あそこにいるタツヤ様と同じ所に入るから!」
そういうとラプハはあの人あの人とおれに指を指す。
途端、会場の目線が一気におれに集まる。
「ほう、さっきフレアライトすらもまともに使えなかった奴か、この俺の誘い蹴ってあいつと同じ所に入ると…?」
ロートクリフと名乗る男の顔が一気に威圧的になる。
まずいな、こんな所で明らかに身分が高そうな奴と険悪になったらこれからの生活が心配だ。
まあ、身分が高いといえばおれはこの国の姫様と知り合いな訳だけど…。
おれは急いでラプハを手でこっちに呼び寄せる。
そして、
「ラプハ、悪いがここは一旦あいつの言う通りにしてくれないか?部はラウスのおっさんに言っていつでも変えてもらえるからさ」
「タツヤ様が言うなら…分かった!」
ラプハは戻って、入る事を伝えた。
すると、ロートクリフが、
「フン、それでいいんだ」
と言い奥へ消えていった。
どうやら、あのロートクリフという男は第1防衛部隊の隊長を務めていて、かなり強いらしい。
あ、エクスプロビジョンでみるの忘れてた。
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そして、いまにいたる。
「いや、なんでもないさ」
おれとラプハはハレさんの宿にもどり、部屋をもっと大きめの部屋にしてもらった。
宿についてついでに買ってきた服をタンスに入れていると、ラプハが寝巻きに着替え始めていることに気付いて急いで止めた
そして翌日、ラプハは第1防衛部におれは今日たまたま活動がある第8調査部の初めての活動に向かった。